障害者歯科従事者研修会 3日目
11月13日(日)パネルディスカッション
姫路市歯科医師会障害歯科の先生のケーススタディーから始まってこうべ市歯科センターの検討セミナーなど。
障害者治療の問題点はいくつかありますが、技術的なことも大事ですが介護する健常者のデンタルIDも重要となってきます。
最初に誤った情報を聞くと、いくら説明しても理解が得られないことがあるみたいでした。残根が感染源となっているにもかかわらず抜歯を拒否し続けているケースがありました。
誰が拒否しているのかというと介護をしている母親で、患者さんは意思表示が出来ません。症例検討会に参加してもらったりすればうまく行きそうなのでは。担当医だけではどうしようもない状態に陥っているようですし。
最終処置が出来ずに、長い間放置して機会を見て抜歯するケースもありました。感染歯が原因で心内膜炎や脳膿瘍が引き起こされるかどうかは、抗生物質の投与の仕方もありますが、薬の服用も健常者と違って難しいこともあります。
結局結果オーライで、心内膜炎や脳膿瘍が起こらないうちに抜歯や感染根管処置が終わるというのはラッキーだけかもしれません。
健常者でも仕事などの関係で、治療途中でほったらかしの状態はいくらでもあります重篤な症状が出ないことがほとんどなので問題化しませんが。
知的障害者への局所麻酔のパフォーマンスビデオを見ました。どこかで見たような記憶がありました。30分ぐらいかけて局所麻酔を行うものですが、これをやるぐらいなら鎮静法の全身麻酔下で治療するという先生もいました。これも重度か軽度かで賛否が分かれるでしょう。治療が困難なら全身麻酔がいいという結論しかないですね。
認知症のアプローチは100人100様、『マニュアルがない』のがマニュアルと言われています。リハビリ時の注意点を質疑応答集で、
@新規動作は取り入れない(なじみの動作の利用、介入スタッフは同一人物)
A失敗を注意しない、追及しない(確実に成功できる動作で泣ければ行わない)
B失敗を本人の責任にしない(例:コップの水がこぼれた時⇒『子のコップ、使いにくいからねぇ』)
C出来た事は認める(褒める)
D多くの情報を提示しない(「これして、あれして、それからこれ」はだめ)
これは、立派な大人でもいくつかは当てはまりそうです。まして、小中学校の教育の場面でも活用できそう。全てこれではよりいっそうの飛躍はないでしょうが、応用でいい結果が期待できるのでは。
障害者研修となっていますが、随所に一般生活、一般治療に応用できる部分があります。一般生活にもマニュアルはないですからねぇ。
マクドのマニュアルはそれなりに重要でしょうが、子供と大人ではやはり対応が違ってきているように、無意識でも臨機応変が必要となっていると思います。
歯科診療に王道はないと言ったところで