障害者歯科診療従事者研修会2日目
 平成17年10月30日(日)兵庫県歯科医師会館にて開催
言語聴覚士の先生2名と作業法士と福祉常任委員会の先生が相次いで講演しました。

 日頃言語聴覚士や作業法士のお話を聞く機会がなくどういうことをするのか知りませんでしたが、なかなか体力知力ともに備えていなければ成り立たない職業だと知りました。
 脳性麻痺:受胎から新生児(生後4週以内)までに生じた脳の非進行性病変に基づく、永年的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常である。その症状は満2歳までに発現する。
 脳性麻痺の障害は多様で、
 痙直型:バランス反応欠如、刺激閾値低く、体を支える時支持面を広くする様に抱きかかえクッションを利用し、話しかけるのもそおっと。てんかんの合併が多い
 アテトーゼ型:体のバランスが保ちにくいので姿勢を安定させてあげる。てんかんの合併は少ない。
 低調型:失調型:しっかり話しかけ、痙直型とは反対にしっかり、はっきり話しかけ圧力をかけてあげると安心する。
 咀嚼摂食障害は半年1年のスパンで治療を進める。
 個々にあった対応治療プログラムが必要。人によっては正反対の対応を必要とすることもある。
 歯科診療となると、
 合併症も知能障害50%、言語障害50%から70%、視力障害50%聴力障害25%てんかん25%で原始反射(緊張性迷路反射:診療台の上で垂平位にすると緊張して体をつっぱり弓なりに体をそらす。非対称性緊張性頚反射:治療中患者は右または左を向いてしまって正面に向けると開口できなくなる。驚愕反射:音、光、摂食振動で反り返る。)の残存もあり、何をするにも困難。

 よく考えると、水平位にせず立位治療すればいいのではないのかしら。水平位は誤飲しやすいし。術者はしんどいけど。治療風景のビデオを見せてもらいましたが、健常者でもあんなバキュームの仕方をすれば嘔吐反射で拷問状態になるはず。車椅子からチェアーに移すのにデモがありましたが、車椅子に座ったままでも立位なら治療できるはず。
 口腔周囲の原始反射(咬反射、舌の提出反射、催吐反射、口唇探索反射)も治療を困難にします。
 「頑張って」「動くと危ない」は、治療中は禁忌だそうですじゃあ、なんていえばいいの?ここら辺は、3日目のディスカッションで聞こうかしら。
 具体的に口を閉じる訓練の方法やうがいの訓練や過敏があり口腔を触らせてくれないひとえに対応を教えていただきました。
 そこで講師の名言『歯磨きは磨くではなく、磨かしていただく』 この治療態度が大事。
 別に質問で、顔面や口腔のマッサージの意義は?にたいして、そもそもリハビリにおけるマッサージは準備運動であって、マッサージの後のリハビリをスムーズにするものであって、エステのリンパマッサージなどとは区別しなければならない。
 一言でマッサージといっても、民間治療のレベルやスポーツ選手のメインテナンスなど多様な意味に広がり誤解が生じてきているみたいでした。