平成16年10月5日 雑用が立て込んできて身動きが取れない。更新が出来ない。
 差し迫った問題は山積しています。やらなければいけない仕事をほっぽりだして更新。
 この前まで、新潮社出版『新しい生物学の教科書」池田清彦著
を読んでいました。スティーブンJグールドのエッセイに匹敵するぐらい面白かった。
 生物学の進歩はさておき、学校の教科書が分かりにくい理由の一つが分かりました。教科書で書かれていくことは確定した事のようになっていますが、実は随分杜撰な内容だったということです。
 基本的に説明が付く事しか書いていないので浅く狭くなって行き、誤解を生むだけならまだしも、現在では間違いということも平気で書いているということになります。
 生物学に限らず、分からないことは分からないということを明確にしてどれだけのことが解明してきたのかということを主眼に置かないと興味がわいてこないということがいえるのでは。
 それはさておき、興味深かったことは、生命の連続ということです。
 地球上に生命が誕生して現在まで連綿と引き継がれていることが言い表せないぐらい驚異的な事実ということです。
 アミノ酸、たんぱく質、など古代地球で精製されてもそれらが関連して生命活動しだす機序は分かっていません。
 物理学でビックバーンは確かに存在したが最初のごくわずかの時間の物理現象が説明できないのに似ています。
  現実に生物が存在しているので、生命の誕生があったということで発生過程はこれからの研究の成果を待つということにして生命の引継ぎという問題があります。
 どうも、DNA,RNAは遺伝情報の伝達役立っていますが、進化、遺伝ということになると発生システムの変更、が重要で循環という点から見ると多くの生命現象が循環形式になっていることになり、この著者の持論「構造主義生物学」が随所に見られます。
 ここから本題
 世の中には死なない生物がいます。細菌、ウイルス、2倍体。語弊があるのでいい足しておきますが環境条件が整っていればという条件付です。
 細菌は、大学の微生物学の授業で出てきた寒天培地ブレイン ハート インヒュージョン(脳と心臓の細胞を埋め込んだ寒天)では勢い良く繁殖します。
 でも、増えすぎて餌がなくなると当然死滅しますし、抗生物質を産生する微生物が来ると死んでしまいます。
 哺乳類などで連綿と続く生命現象をバトンリレーしているのは生殖細胞ということです。当然体は単なる入れ物であって、生命の維持という点では後はどうでもいいわけです。
 環境条件により適合するように体は多様性を獲得したのかもしれません。
 虫歯菌にせよ、歯周病菌にせよ、これらは死なずに分裂を繰り返していきます。ただ、多量に増殖すると積み重なった内側の細菌は活動できず死滅して歯石になりますが。
 人間自体が死んでも寄生している細菌は死滅します。
 細菌、ウイルスにとって、人間は生存のための環境条件といえます。

 歯磨きで細菌数を減らしているようでも実は環境状態を整えて適正な数の細菌を維持させてあげているともいえます。
 歯石除去を痛い目にあってやられますが、死骸を除去してより活発な細菌を選択して残されているかも。
 細菌の作戦勝ちかも。何かとてつもない利点があるかも。