ADL ADL:Activities of Daily Living
日常生活動作または日常生活活動と訳されているActivities of Daily Livingの略語。リハビリ界で使われています。
具体的には、食事、歯磨き、風呂、トイレ動作、排泄などの動作をさします。
使い方としては、ADLの達成度が問題となります。
つまり、高齢者やハンディーキャップを持った人は、通常の人が気にも留めていなかったADLができないのです。
歯科医療としては歯磨きを始めとした健全な口腔環境の維持が問題となってきます。
一般には、ADLは体全体(動きにくい部分と動かせる部分)で行うもので、手助けとなる補助具を使ってでも人の手を借りずに行えれば良いのです
そこで歯磨きとなると、電動歯ブラシの利用は重宝します。
歯のない人の義歯も重要となってきます。
自分の歯で食べることは、痴呆症の予防にもつながるし、例え入れ歯を利用していても、普通の食事ができるのなら、痴呆症は少ないとされています。
当然、事故等でリハビリを行っている人にとっても、咀嚼して食事することは重要に成ってくると思います。
これからの高齢者における歯科医療の重要性として、ADLの達成度の観点から何かしらの基準がほしいものです。
また、ADLの観点からの歯科医療の重要性を、もっと歯科医師会等、学術団体が啓蒙活動のひとつに取り入れてほしいものです。
基準としては咀嚼能率を量ればよさそうですが、なかなか手間がかかります。
残っている歯の数にしても、残存部位で随分と咀嚼能率に差が出てしまいます。
個人個人、それぞれの考え方でよく噛めているのか噛めていないのか基準が違っています。
概ね、少し楽観気味に物事を考えてもらうほうが健全な状態でいられるように思います。
これだけしか噛めないと思うより、これだけ噛めるようになったと喜んでもらう人のほうが、よい方向に物事が運んでいるように思います。
かといって、目標が低すぎても、予後はうまくいきません。
「今まで残っている歯槽骨がないといわれているから、噛めません。」と、嘆く患者さんが多いのですが何とか頑張れば、もっとうまく噛めるようになりそうな人がいます。
大きな期待を持つとうまく行かない事になりますが、低すぎても良くないようなので一口に基準といっても、難しいかもしれません。
ADLの観点からの歯科医療は、これからの歯科医療の目指すひとつになるでしょうから、これからの研究に期待したいと思います。