掃除していたら、ちくま文庫の「科学と非科学の間」安斎育郎著が出てきたので、ちょっと読んでいると「こっくりさん」についての記述がありました。
この本を読んだとき、自分も小学校のとき「こっくりさん」をやった記憶がよみがえりました。
 そのとき、いい加減な占いだと思っていましたが、私が生まれる105年前の1853年6月30日付けの「ザ・タイムズ」紙上でイギリスの科学者マイケル・ファラデー(ロウソクの科学などの、啓蒙書で有名)が、解決済みで、潜在意識を反映して無意識の筋肉運動(不覚筋動)で知らず知らずに動かしていて、一種の自己催眠誘導現象だと証明されていました。
 この無意識の筋肉運動はしばしば出くわします。
 多いのが総入れ歯の患者さんです。
 「すぐ外れます。」といって実演してくれるのですが、舌で外れるように押しているのです。
 また別な患者さんでは、良くこれで噛めるなあと思う適合状態の義歯を、舌でうまいこと押さえ意識せず安定させているのです。
 両者とも、自分の動きを意識していないのです。
 噛むと痛み出す歯を避けてかみ合わせて食事している人もいます。
 無意識の筋肉運動も良いほうに働けばいいが、悪いほうに働くと、何度指摘しても噛めない様に噛めないように動かします。
 ♯16で書いた、舌の上に金属片を置くと体が傾く実験も自己催眠誘導現象でしょうが、これが大真面目で堂々と行われると、一体どうなっているの?と思います。
 「手かざし治療」「血液型占い」「各種占星術」「心霊術」「金縛り」「除霊」「霊能者」「超能力」「ミステリーサークル」「UFO]数えると限がありませんが、生理的な現象として解明されているものや、心理学的に説明できるものが殆どです。
 悪用されると始末に悪いが、うまく利用すると、義歯を使いこなしてくれるかも?
 いやいや、大多数の患者さんは状況を説明すれば、ちゃんと義歯を使いこなしてくれます。
 やはり、「騙し」はいけませんね。
 今まで、いくつかの勉強会に顔を出しましたが上記の「金属片傾き実験」以外にも何回か、非科学に出くわしました。
 「UFO研究家矢追氏の弟子」とか、「命の水」「噛みあわせで不定愁訴が消える」「背骨のゆがみが云々」「カラーコーディネーターのそれぞれにあう幸運の色」「Oリング」
 ほとんど聞き流しましたが、中に真剣に聞いている人がいるのですが実演の体験者になったりして実は桜だったということも在りました。
 マウスガードなども暗示効果で筋力が上がるみたいですが、本来小中学生の激しい運動中の事故による歯の外傷を防ぐということを主眼に置かないと、非科学のレッテルを貼られてしまうので心配です。
 噛み合わせも不定愁訴の改善に効果がある場合もありますが、突出して取り上げるとおかしなことになりかねません。
 日々進歩しているのか、迷走しているのか。