目盛を変えれば面白い ふた昔前、20年ぐらい前ですが、歯の磨き方といえば、ローリング法でした。
ある歯科衛生品販売会社のコマーシャルで中原ひとみ一家がしきりに、
「歯は、上から下へ、舌から磨く」といって、歯磨きの啓蒙運動を行っていました。
ところが、突然ローリング法は歯と歯肉との境目の部分に磨きのこしが出やすいといって、そんなに推奨される磨き方ではなくなってしまいました。
今は、スクラッビング法、バス法といって、歯ブラシの毛先を歯の表面に押し付け、微振動させる方法が主流になっています。
今まで正しいと信じてきたのに突然否定されることは往々にしてあります。
過去は過去、前向きに行こうということなのでしょうか、だまされたといってあまり怒っている人はいません。
当時、(今も続いていますが)虫歯予防デーに、ニュースステーションで久米 宏が、「これが最も優れた歯の磨き方だ」と断言していましたが、「ローリング変法」という磨き方で、なかなか面倒くさい磨き方でした。
ダイオキシンの風評被害で番組が問題になっていますが、あやふやなことは断言しないほうが良いのですが、断言しないとインパクトにかけます。
いたしかゆしといったところでしょうか。
テレビ新聞のニュースは話半分で聞いておかないといけないことが多いということですね。
テレビ、新聞の信頼性も高くないことがあると知っておけばいいと思っています。
絶対的な価値基準には程遠いに決まっています。
学校とか、病院では、より正確な情報を提供しなければいけません。
しかし、間違っていることでも、そのときは正しいという事になっていることはたくさんあります。
天動説、地動説などなど。
人間がどう考えようが、太陽と地球の動きは変化しません。要は考え方をどう工夫するかにかかっていると思います。
地動説は、聖書と矛盾するので迫害を受けていましたが、絶対的な価値基準=聖書としたのが間違っているだけであって、理由のない迫害だったわけですが、当時としては仕方ないということになります。
1メートルの紐を3等分するとします。そのひとつの長さは、0.33333333・・・・・・・mな訳です。
何かすっきりしませんが、人間が勝手に長さの単位を決めただけであって、現在の1メートルを仮に3メートルに変えたら、3等分すれば、同じ長さでも、0.3333333333・・・・・・・メートルが1メートルと表せます。
こんなことはいろんな場面で出てくることだと思います。
0.33333333333・・・・・mと表すのは、1/3としてもいいのですが、どっちにしても正しいとしているのは、0.3333・・のほうなので変えるわけには行きません。
「こんなこともあるさ」と柔軟に受け入れて、生きていくのが無難みたいです。
言い訳になりますが、磨き方で損をした人も、かかりつけの歯科医院でこれ以上悪くしないように日ごろの手入れをしっかりするのが現状で一番いい方法でしょう。
何が一番良いか判断するのは難しいです。
でも、難問題はどんどん出てきます。
先送りにしても解決できませんが、おかしな判断を下すのも困ります。
納得した治療を続けるしかできませんが、反省ばかりしています。
やっぱりいい結果が伴わないと治療とはいえませんが、いずれにせよ、生まれた状態に戻すことはできないのですから、どこで折り合いをつけるかになりますね。
できれば患者さんには喜んで帰ってもらうのが良いのですが、みんながみんなそうとは行かないです。
最後は、患者さんの広い心で許してもらっています。