人生は取り返しのつかない決断の連続。人生を歯科治療と置き換えても成り立ちます。それはさておき、取り返しの付かないというのはかけがえのないとも言えます。
 かけがえのないというのは一つしかないからです。「ああすればこうなるの世界」というのは人間が脳で考えた人工の世界です。意識の世界。現実というのは2つあって自然と意識。自然というのは身体。身体は自分の思うようになりません。いつ死ぬのか、病気にかかるのか治るのか。どうにもなりません。ある程度思う様に動かすことができても年を取ると動きにくくなります。正に自然です。都市と言うのはまさしく意識が作った世界なので人間の自然が必ず問題になってきます。高齢化社会の問題。安楽死の問題。O-157等の病気の問題。
 意識が作った都市の常識で、高齢化社会が来たら医療費高騰でどうしようもないと大騒ぎします。急に年寄りが増えると右往左往。理性的に考えると、30年待っていれば否応無く減少します。ということは、それなりに対応が考えられるはずです。
 養老先生が主張する脳化社会「ああすればこうなるの世界」でしか生きていない役人の弊害は恐ろしいものがあります。
 書類を渡したら正確な情報が伝わり良質な医療に繋がると本気に考えているのでしょうか。その結果、恐ろしいほどの紙資源が消えていきます。環境資源は限りあるというのに。
 本気で歯科医師は、医師、薬剤師、の陰に隠れている場合ではありません本気で戦わないと。
 現場が頑張らないと。厚生労働省がこういうから仕方ないというのは間違っています。教師が、新しい文部大臣が小学校の英語教育に消極的な会見をしたので、現場の教師が「上に立つ人が考え方をコロコロ変えると現場は混乱して困ります。」と話していましたが、由々しき考え方です。現場第一、実際の教育現場で最良な方法を知っているのは現場であってその意見を発信しないと教師とは言えません。
 歯科医師も同じだと思います。
 学校歯科医の立場で養護教諭や教頭、校長に意見を言っても文部科学省の意向で却下却下の連続ですし、学校歯科医会がアンケートをとるときに意見を書いてもはねっ返りとしか見てもらえません。
 嫌だ嫌だで理事をしていますが、少し立ち入った問題提起をしても聞き入れてくれるようになりました。歯科医師会に限らず組織というのはあり一定のシステムで動いています。人間の免疫システムや消化システムは複雑怪奇なシステムですが、歯科医師会は合議制をとっているため、人事権がどこにあるのか、理事の権限はどうなのか、常務、専務、会長の権限は?疑問は多々ありますが、ある程度アバウトなので、担当する先生の能力に比重が掛かります。自由度が大きいともいえます。歯科医師会会員に還元できる事を最重要に行動することで成り立っているといえます。
 システムの1部に取り入れられてしまいました。馴染めばうまく機能するし、だめならはじき出される(出してもらえる?)ということでしょう。