ウツクシマツ
国指定文化財
天然記念物平松のウツクシマツ自生地   湖南市
◎湖南市平松に自生地☆国定天然記念物、大正10年3月3日に指定された
平松のウツクシマツ自生地は、阿星山の眼下にある標高227.6mの美松山の南東斜面にあり、面積―町八反九畝十四歩(約1.9ha)にウツクシマツ型の松が群生しており、自生地全体は特異な形態をなしています。
ウツクシマツは、根元からいくつにも分かれた幹が伸び、葉先が平らになつた傘型の珍しい松です。
自生地は東海道に近く、古来より松の名所として知られており、街道を往来する人々にも注目されていたようで、古くは買政9年(1797)の『伊勢参宮名所図絵』や文政9年(1826)の『東海道名所図絵』に紹介さねています。
また、「男松にあらず女松にあらず、これ神木なり」と古人が言つているとおり、平松の松尾神社の神木として尊重されていたことが、『松尾神社縁起』から知ることが出来ます。その他、郷土の俳人である奥村亜渓(1747〜1820)とその妻志宇女(1761〜 1834)がウックシマツを盛んにうたっており、特に志字は30年にわたつて知名士から集めたうつくし松の吟詠集「千歳集」(市指定文化財)を残しています。
ウツクシマツの樹形は多彩松に似ていますが、同じ傘型でも樹形に変異があり、樹形は扇型(上方山形)・傘型(多形型)・ホウキ型の四型式に分かれています。
当地は、地質的に砂礫を交えた粘質な赤土で土層は浅くて一部に岩盤が露出しており、ウツクシ特異な形態は特殊な土質の影響によると考えられていましたが、最近の研究成果によつて劣性遺伝によるであることが解明さねました。
湖南市教育委員会  表示
※湖南市平松のウツクシ松は湖南市のシンボルに指定されています、1本の根から枝が地表近くで放射状にわかれ、全国的にも類のないすばらしい美形をしています。