グラズノフのホームページ
〜隠れた作品紹介〜
  Update 2000.3.15
作品一覧のページへ
  - 
     
     
     セレナード第1番 Op.7
     
      - アレグレット。3拍子。1885年にバラキレフにより初演。小編成オーケストラ。
         弦楽器と木管楽器の流れるような旋律が美しい。
         静かな曲ですが、後半やや盛り上がります。タンブリンのリズムが印象的です。
         「勇気の出る」とまでは行きませんが、「前向きに」という気持ちになります。
  
  
  
 - 
     
     
     セレナード第2番 Op.11
     
      - アレグロ・スケツァンド。1885年にリムスキー=コルサコフにより初演。
         セレナード第1番の翌年に書かれた作品。雰囲気もよく似ています。
  
  
  
 - 
     
     
     交響詩「ステンカ・ラージン」 Op.13
     
      - ステンカ・ラージンとは人の名で、約300年前、ボルガ河下流のドンコサック地方の首領ステパン=ラージンをさす。
         歴史上実在する人物で、さまざまな伝説が残っている。
         彼は中央政府に抵抗し、反乱軍として中央政府はもちろんペルシア遠征も行った。
         やがて、彼は政府軍に負け、モスクワで処刑される・・・。
         グラズノフはラージンの逸話の一つ(ペルシア遠征)を取り上げ、交響詩「ステンカ・ラージン」を作曲した。
         音楽は冒頭トロンボーンのロシア民謡「ボルガの舟歌」から始まる。
         次第に音楽が盛り上がり戦いの音楽へ展開する。
         最後はラージン最後の突撃のシーンで、金管楽器、打楽器が炸裂する。
         1885年11月23日、第1回ロシア交響楽演奏会で初演。
         リストの交響詩に倣って作曲された。
  
  
  
 - 
     
     
     結婚行進曲 Op.21
     
      - 作品のタイトル通り、結婚式の情景を描いたもの。
         メンデルスゾーンの「結婚行進曲」はあまりにも有名ですが、グラズノフも同じタイトルで作品を残しています。
         ロシア出身のグラズノフらしく、西洋のような派手さはなく、おごそかでロマンチックな教会の雰囲気が伝わります。
         とても行進できるようなスピードではありませんが、木管楽器主体の旋律が変奏していきます。
  
  
  
 - 
     
     
     勝利の行進曲 Op.40
     
      - トムソーヤの冒険の旋律にそっくりです。小学生のころ歌いませんでしたか?
        「たったたったたったたったトムソーヤー。みーんなぼくらのなかまだぞー〜」という歌詞です。
         この曲はコロンブスアメリカ大陸発見400年を記念して催された世界博のイベントのためにつくられたそうです。
         曲の冒頭、スネアードラムの刻みと共にトムソーヤの旋律がかけ合いになって、盛りあがります。
         そのあと、弦楽器と木管楽器により、威厳のある壮麗な旋律が繰り返し奏でられます。
         やがて、それに金管楽器のトムソーヤの旋律が絡んできます。
         最後は、ドラム、金管楽器が「トムソーヤの旋律」を、弦楽器と木管楽器が「威厳のある壮麗な旋律」を朗々と歌い合い、終わります。
         スネアードラムと金管楽器(特に低音のチューバ、トロンボーン)が大活躍します。
         当時の曲として、こんなにチューバの目立つオーケストラの曲はなかったのではないでしょうか。
         ロシア的部分はまったく感じられません。(でも、少しある)。西洋チックです。それは当然。世界博のイベント用の曲ですから。
         この曲を何も知らない人にきかせて、「グラズノフの曲だよ。」と、言うときっと驚くでしょう。
  
  
  
 - 
     
     
     フィンランド幻想曲 Op.88
     
      - 讃美歌267番「神は我家」の旋律が途中に出てきます。
         グラズノフがフィンランドに帰国し、ヘルシンキで作曲したものです。
         フィンランドの民謡がもとになっています。
         冒頭、滑稽で愉快な主題(民謡)から始まります。
         続いて、力強い、金管楽器のベルトーン、最後に賛美歌でくくられています。
         幻想的、ドラマチックなメロディーが印象的です。
  
  
  
 - 
     
     
     アルト・サクソフォーンと弦楽のための協奏曲 変ホ長調 Op.109 New
     
      - 
1932年シグールト・ラシャーの依頼で作曲されました。ラシャーはドイツ生まれのサックス奏者で、
のちアメリカに渡り、ジャズ音楽に影響を与える。
1920年代はこの他にマルセル・ミュールなどの有名なサックス奏者の影響もあり、サックソフォーンの曲が多く作曲された時代でもあります。その時代にいたドビュッシーやイベールなどが作曲を手がけることとなりました。当時パリにいたグラズノフも例外なく、ミュールと親交があり、このほかにもいくつかサックソフォーンの曲を作曲しています。
初演は1932年11月26日、ニーチェピング(スウェーデン)でラシャーによって行われました。
  
	- 第1樂章 アレグロ・モデラート
	
- 第2樂章 アンダンテ
	
- 第3樂章 アレグロ
     
   
グラズノフらしく民族音楽的ではありますが、弦楽+サックスという最近ではめったにされない組み合わせがこの時代の象徴のように思えます。とにかく、サックスの柔らかい音色と弦楽器がよく合っていますし、早いパッセージもお見事です。第2樂章は聴かせどころ(泣かせどころ)です。