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山本小鉄。日本プロレスに入団後、アメリカへ遠征に行き、星野勘太郎とタッグを組み、ヤマハブラザースとして活躍した。その後、アントニオ猪木らとともに新日本プロレスを設立した。現在は新日本プロレスの関連会社、新日本プロレスサービスの社長である。 熱血語り下ろし&超過激対談とあって、対談の相手は、組長・藤原喜明、前田日明など。アントニオ猪木のこと、カール・ゴッチのこと、橋本真也のこと、小川直也のこと、グレイシー柔術のことなどが語られる。新日本プロレスでは、猪木が神様であり、天皇であった。山本小鉄は若手のめんどうを見る現場監督。いわば中間管理職てな具合だ。まあその辺の苦労話はさておいて、面白いのは現在の彼等から見たアントニオ猪木という存在。特に前田日明の発言には笑った。前田も今や現役を引退して、リングスという団体を率いている。新日本とリングスで何か協力して新しいものを見せてほしいとの質問で、 前田:猪木さんには何回も言ったことがあるんですよ。「猪木さんの協力をしますよ」って。猪木さんがね、いつもその場凌ぎで、その場主義なんですよ。でもエエカッコだけは一丁前に言うんですよ。ズッコイんですよ猪木さん。 小鉄:分かってきたじゃん(笑)。 前田:いつも後出しジャンケンなんですよ。「猪木さん、僕はグーですから、パー出したら勝ちますよ」「本当にグー出すんだろうな」「間違いないですよグー出しますよ」って言っても、それでも後出しですからね。 いやもう、笑っちゃいます。というか、流石勝負師?? でも、いいですよね。こういうことが平気で言える師弟関係。まあ、こんなこと言いながら、<プロレスやったら猪木さんにかなう人誰もいないですよ。今でも誰でも、絶対にいないです。ことプロレスに関してはあの人は天才ですよ>とも言っており、その実力は多いに認めているのであるが。 そして、彼等のもう1人の神様、カール・ゴッチについて。鉄人ルー・テーズと並び称され、プロレスの神様と言われた人。そのゴッチが、今最も強い男と言われているヒクソン・グレイシーと戦ったら?山本小鉄はゴッチの圧勝だと言う。うう、ゴッチのついては、神様のままであるようだ。 プロレスを愛し、60才の現在でもトレーニングを怠らない山本小鉄。他人にも厳しく、自分にも厳しい。あまり練習が厳しいので、藤原喜明なんてのは対談の中で<いつか殺してやろうと思ってましたからね>なんて言っているぐらいだ。それでも現在も仲がいいのは、人に対する愛情があったからってことかな。プロレスは強くてあたりまえ、と言う山本小鉄、愛すべき人物だ。 おすすめ度:★★★★ |
(2000.12.11)