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J・リーグにJ・ポップ、そしてついに文学にも「J」だ。
隠れテーマは「J文学への道」だそうだ。 日本のもので、これまで世界に通用しなかったが、最近はレベルが上がってきてと言うか、これまでのちゅーとはんぱな状態から抜け出て、なかなかええんではないか、これなら、外国のものと比べて見劣りはせんでえ、てなものがJなんとかだ。 サッカーのJ・リーグは一時の盛り上がりはないものの、ある一定のファンは獲得できたし、中田選手など世界で活躍できる選手が登場し、日本代表もワールド・カップに出場できた。J・ポップでは、Misia にUA に宇多田ヒカルだ。ついでに椎名林檎に倉木麻衣だ。世界に通用するかどうかは別にして、外人のものまねではない、自然なものだ。 最近の文学を見ると、これも今までとはちょっと違う、と著者は言う。 <これまで純文学は「暗くて、重くて、退屈なもの」だと思われてきました。 まさに三重苦の世界で、それを「J文学」という言葉で、九○年代に生まれた ものだけちょいと区別してみた。するとこれまでとは少し違う世界が見えてき ました> ではなにが今までと違うのか? 1.インパクトのあるブックデザイン 2.著者自体がビジュアル系(?) 3.内容がポップである と著者は言う。 そして J文学の代表選手として、赤坂真理、町田康、藤沢周を挙げている。 ●町田康 大阪弁による饒舌体、それも、徹底的にダメ男の饒舌体。もしかすると純 文学のパロディか。 『くっすん大黒』 ●赤坂真理 皮膚感覚を言語的に捉えている。 『蝶の皮膚の下』 ●藤沢周 「沸点の低い怒り」を抱えた内面のアウトロー。 『ブエノスアイレス午前零時』 赤坂真理、藤沢周は読んだことがないのでようわからんが、町田康は確かにおもろいです。京極の『どすこい(仮)』のおきまりのパターンの面白さではない、予測のつきにくい面白さがある。しかしよくもまあ、芥川賞(『きれぎれ』)に選ばれたなあ。選んだ人もエライ、というかチャレンジャーやな。 その他、リリー・フランキーっていう怪しげな人との対談。そして、著者が読んできた本のレビューへと続く。これを読んでまた読みたい本が増えた。ああ、うれし。 世界に通用する、というか物まねがミエミエでない、自然でオリジナルな良さがドンドンでてくるといい。そういうものがボーダーレス時代のJだ。サッカーもJなら、音楽もJ、そしてなにやら文学もJとなったようだ。こうなりゃ、日本中J文化だ。(そういやJR、JTなんかはすでにある)文化がJなら、仕事もJだ。(なんかようわからんが) ああ、明日も楽しいJ仕事だ。(ふうっ) おすすめ度:★★★★ |
(2000.7.27)