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■ ワイル・アンドレー  癒す心、治る力  角川文庫

 自発的治癒(自然治癒ではない)の重要性を説いた本。多くの症例と治癒力を高める為の食べ物の解説、そして現代医療との共存について書かれており、そのバランス感覚は抜群だ。多くの医者に見放されたが、奇蹟的に回復したというのもについても、うまく治癒系が働いたからだ。そして、いかにしてうまく働かせるかがポイント。まずはライフスタイルの改善から。私はこの本を読み始めてから、トーストにバターは塗らないことにした。面白いのは、医者はいろんな症状に効く薬は嫌がるらしい。


■ 若松義人/近藤哲夫  トヨタ式改善力  ダイヤモンド社

  「トヨタ式改善力」とは、改善、改善、また改善。1に改善、2に改善、3、4も改善で、5に改善。それくらいしつこい、そうだ。トヨタグループの強さの一つは、「やりつづける文化」ではないか、と著者は言う。1割、2割の原価低減なんぞ考えたらいかん。1/2にすることを考えろ。それの方が一から考え直さないかんから、楽やで〜、やそうや。


■ 渡辺淳一  解剖学的女性論  講談社文庫

 あなたが男性なら、異性を知る本。あなたが女性なら、自分を知る本。いろいろな状況における、からだの反応を刻銘に記述している。学生時代の心理学の教授推薦の本で、友人に貸してやったら、非常によろこんでいた。


■ 渡邉美樹  きみはなぜ働くか。  日本経済新聞出版社

 飲食店を中心に多角経営している「ワタミ」の創業者である。創業者ともなるとやはり考えがしっかりしている。先ずはサービス精神を社員に叩き込む。自分の飲食店に使う野菜は、自分でつくる。肉は牧場を持って牛を飼育する。そして、ボランティアにも進出。何やらやり手、って感じだが、タイトルにもあるように何の為に働くのか(たくさんの「ありがとう」をもらう)を素直に実践しているのだと思う。大きく成功するのは、損得を離れたところにあると思う。考えもシンプルで力強い。頭が下がります。


■ 綿矢りさ  インストール  河出書房新社

 主人公にチャットの仕事を紹介する小学生が変なヤツだ。本の中味より帯に書いてある「読者から感動の声!」の方が理解できん。


■ 和田竜  村上海賊の娘 (上巻・下巻)  新潮社

 主人公の名前は村上景(きょう)という。戦うために生まれてきたような娘だ。この個性も強烈だが、それよりも大阪は泉州の海賊、真鍋七五三兵衛の活躍ぶりが光る。織田信長と大阪本願寺の闘いの助っ人として敵対する村上海賊と泉州の真鍋海賊。私の地元、泉州地区の昔の様子がわかってうれしい。現在の町名としてだが、今住んでいるところの町名も出てくる。これは『プリンセス・トヨトミ』の南海電車、浜寺公園駅以来の快挙だ。真鍋海賊の泉州人ぶりが、これまたそやそや、って感じで面白い。アホはアホなんであるが、その中に<俳味>があると著者は語っている。ちょっとおかしいことでも、「まあ、ええやないか」と受け入れてしまう大きな心?、それが<俳味>だ。戦いの場面の描写も良く、クライマックスの景と七五三兵衛の戦い、これは凄いぞ。


■ ワンピ漫研団  ワンピース最強考察  晋遊舎

 10年以上前から始まった『ワンピース』であるが、実は最近知った。女の服の事ではなかった。去年あたりからその名を聞くようになり、今年DVDもらったので一気に480話を観た。あとはコミックでつないでやっと現在放映している話につながった。面白いね。本書も一通り漫画を読んでいるか、日曜日のアニメを観ていなければ、なんのこっちゃである。海賊王と呼ばれたロジャーの遺言、<ワンピース>なる秘宝を探し。海賊達がグランドラインへ進む。主人公・麦わらのルフィは、次々と仲間を増やしながら、この秘宝を見つけ、そして次なる海賊王になることを目指す。ルフィの仲間で言えば、剣士で<海賊狩り>のゾロ、お金とみかんが大好きなこそ泥航海士、ナミ。へたれの狙撃王ウソップ。料理人で蹴りの達人、<黒足>のサンジ。医者で小心者のトナカイ、チョッパー。考古学者ニコ・ロビン。船大工で人造人間のフランキー、音楽家で骸骨のブルック。その他、ルフィの兄・エース、そしてルフィを海賊になるきっかけをつくたったのが、シャンクスだ。登場人物も多く、謎も多い。この本では、その謎の解明と、これから起こるであろう予測の本だ。「黒ひげ」という男が登場するが、アニメ中ではたいしたことのない、しょーもないおっさん風であるが、なかなかどうして、本書の解説を読むとえらい凄い奴のようだ。個人的にはゾロが<鷹の目>のミホークとの決着をつけ、世界一の剣豪になるかどうかが興味深々。それにしてもカッコイイのは、ルフィに麦わら帽子を渡した<赤髪>のシャンクスだ。登場回数は少ないが、ごそっといいとこ取りって感じだ。




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