〓 | かなり以前に買っておいた本で、気になっていたんであるが、ようやく読み通してみた。今では「モダン」という言葉自体が古臭い。ここで言う「モダン」とは、自由や解放、富の発展、社会的正義、科学的真理というような物語が信じられていた時代のこと。そして「ポストモダン」とは、それらが崩壊した時代。それぞれがそのローカルな場において通用するものであり、絶対のというか、唯一のメタ物語は存在しない、という時代である。ということだ。真理も効率化も同列な時代。現代はまさにそういう時代だと思う。そんな時代だからこそ、普遍的なものを追求する欲求が高まっていくんであるが。 |
〓 | タクシーの運転手を10年つとめた著者のドライバー日誌。やはり、道を覚えるのは大変そうだ。<つねに一定の場所から出発するのではなく、あらゆる場所が出発点になることだ>。なれない頃は、いったん車庫に戻って再出発することもあったという。また何度もでてくるのが、歩合制による労働条件の過酷さ。24時間勤務を一月に12回やるそうである。そして逃れられないのが、交通事故。・・・とりえといえば<一般企業のように上下関係や人間関係に束縛されないことだろう>と著者は言う。しかし、人間的な仕事とか、健康によい仕事なんかないのだ。 |