〓 | 江戸川乱歩をして<狂人自身が書いた狂気の世界>と言わしめた作品。作者自身は<十年考え、あとの十年で書き直し書き直し抜いてできたものです。五回読んだら五回共に読後の気持ちが変わることを請け合います>と述べる。脳髄は物を考える処に非らず。 |
〓 | 悪ガキ3人組みは、死ぬってどういうことやろ、と思い始めた。そして、なんと近くに住む老人の死ぬところを観察しようとした。そして探偵よろしく、その老人の家を見張ったり、外出するところをつけたりする。しかしまあ、すぐに見つかり、怒鳴られ、そしてだんだんと仲良くなっていく。最後には、本当に死と対面することになる。それを彼等はどう受け止めたか。これは著者自身の身近の人の死に対する受け止め方でもある。悪ガキの1人は言う。<だってオレたち、あの世に知り合いがいるんだ。それってすごく心強くないか!>。 なんとなくそうも思える。 |