〓 | 貫井徳郎の症候群シリーズ、第2弾。前回の『失踪症候群』よりも面白く読めた。今回は武藤が誘拐事件に関わっていく。テーマはとして最後に語られる、人を殺すというところであろう。ある時人間は、人を殺すことが快感になる。または、人を殺しても自分のエゴを貫いていく。てなところかな。次回は『殺人症候群』。タイトルがもろにテーマとなっているのか。楽しみだ。 |
〓 | あれっ、終わってしまった、という感じ。環をリーダーとする原田と武藤と倉持。なんか怪しげな雰囲気で、必殺仕事人てな感じでスタートするんで期待したが、盛り上がることなく終わってしまった。他人の戸籍と入れ替えて、今までの人生をキャンセルしたい連中などの心の葛藤とかももうちょっとあればなあ、という感じ。 |
〓 | 『慟哭』の次は、これを読め!と帯に書いてあったんで、読んでみたが、やっぱり『慟哭』の印象が強烈で、それに比べるとインパクトにはかける。妻・絢子に逃げられた男、迫水が主人公。妻を捜しているうちに事件に巻き込まれていく、というわけだ。まあ、毎回強烈な作品を書け、なんてことは無理なんで、こういうのがあっても、まあしゃあないとは思うが、自分的にはイマイチであった。主人公が自分でつっこみを入れたりするところも、ユーモラスに、という狙いなんかもしれんが、違和感を感じてしまった。ラストもう〜ん、って感じ。 |
〓 | ああ、そうかあ、そういうことやったんやな。なるほどなぁ。そうくるか。最後の最後でそうなるか。こういうパターンは読んだことないな。ミステリあんまり読まんけど。おもろいなあ。たまに読むと。途中もあきさせず、最後でガツンときよるなあ。ま、言うたら時間のトリックってやつか。あんまり言うとネタバレになるからもう言わんとこか。お話は、連続幼女誘拐事件。テーマは父と子。おもろいです。 |
〓 | 第5回ホラーサスペンス大賞受賞作で、おすすめ文庫王国、国内ミステリー部門第1位ってことで、天牛書店のお薦めコーナーにズラっと斜めに並べてあった。著者はといえば、1948年大阪生まれで、主婦、僧侶、会社経営を経て、本作品でデビュー。異色だ。内容は非常に粘りのあるものだった。主人公は41歳の女性。息子と二人暮らし。精神科医の夫とは別れた。患者であった女性を救う為に結婚を選んだからだ。事件の始まりは息子の失踪。そして愛人の死。人間関係は相当複雑になる。絡み合った事件ではあるが、丁寧で、粘りのある説明で納得させられる。ラストもぐっと粘る。 |