〓 | 筒井康隆的SF童話世界がひそんでいる短編集。なつかしく、せつない夢の世界である。『時をかける少女』を思い出す。『デューク』『夏の少し前』『南ヶ原団地A号棟』などがいい。 |
〓 | みんな果歩が好きなんだ、いや果歩になりたいのかな。変わらない自分にほっとする、成長などしてたまるか。その時の自分のきもちを最も大切にする。自分の気持ちをよく自分に訊くことができる才能が果歩にはある。わがままではない。正直なのである。しかし孤独であることの覚悟はいる。好対照な静枝を通して書かれている。わかったふりは厳禁です。 |
〓 | 今女子ゴルフが人気だ。その筆頭が宮里藍、上田桃子、横峰さくらだ。その上田桃子他、諸見里しのぶらを育てたのが江連忠である。男子の片山晋吾のコーチでもある。今最も注目されているコーチだ。彼が見てアマチュアの悪いところは、腕や手の力を使いたがり、<力でクラブフェースをコントロールしようとしている>、のだそうだ。<@クラブを強くにぎる、A打ったあとに右手でクラブを持っている、B特にパットで頭が左に動く>のがアマチュアの3大悪癖という。その他、目的が明確でなく目標とごっちゃになっている等、なるほどと思えるところが多い。そして彼自身プロゴルファーの一面は絶対に捨てる気はないという。現代の日本のゴルフ界を支えている男だ。 |
〓 | 副題にあるとおり、江戸川乱歩による「海外ミステリ論集」である。1841年に書かれたE・A・ポーの『モルグ街の殺人事件』から、その後100年間にわたる探偵小説の歴史、トリックの分類、ベスト10、そして乱歩の考える探偵小説のありかた等が熱く語られている。探偵小説を書き、そして愛した乱歩が語るのを読むのは楽しい。 そして、読みたい本がまた増える。前半部分で乱歩がやたらと関心してた、ドロシー・L・セイヤーズの『ナイン・テイラーズ』を買ってしまった。 |
〓 | 独特の怪奇趣味的なところもあるが、異様な体をもった人間の、せいいっぱいのエネルギーがほとばしる。おもわず泣けてくる。 |
〓 | 続いて江原啓之の本。この人の説明は気に入った。天職と適職とは別物であり、そのバランスが大事。占いが当たるのは、宿命のままなんの努力もしていないなら。逃げの転職ならば止めろ等。いろんな場面で使えそうだ。物質よりもスピリチュアルな世界へ考えを持っていくことによって、救われることは多いと思う。 |
〓 | TV番組『オーラの泉』で三輪明宏とともに大活躍の江原啓之。スピリチュアル・カウンセラーである。ゲストのオーラを観たり、前世を観て、その人のあり方を示唆していく。前世がわかるという辺りは何か胡散臭い(というか、面白いがついていけない)が、本書を読んでみると、かなりいい。何の為に仕事をし、何の為に結婚をし、何の為に生きているのか。それは精神を磨く為なのだ。それで本書は一貫している。宿命を受け入れ、運命を変える。文句を言うなら心を磨け。人生は修行なのだ。そして部屋には観葉植物。 |
〓 | 眼で見る小説。暗黒、異様、恐怖、暗示、夢という言葉がふさわしい絵画(コラージュ)が次から次へと全部で百四十七葉。その多さに圧倒される。それぞれに短い暗示的解説が付く。奇書と呼ぶにふさわしい、いわくありげな絵本である。解説してる人間もまた、あやしい。澁澤龍彦、埴谷雄高らと訳者の巌谷國士を含めて、7人。本文を読むより時間がかかる。この本は文庫本であるが、本当は豪華本で、目立たないところに密かに置かれているのが似合っている。忘れた頃にまたなんらかの拍子に見つけて、読みたい(見たい)ものである。鳥類の長『ロプロプ』とはなんだ。 |