■ 体外循環技術認定士認定士
体外循環技術認定士の資格
「体外循環技術認定士」の資格は、特定の医療国家資格取得者で体外循環に関する経験3年以上で一定の体外循環症例を経験し、セミナーの受講による規定単位の修了などの条件を満たしたうえで、毎年開催される筆記試験ならびに面接試験において一定の合格基準に達した者に与えられるものです。
■ 体外循環技術認定士認定試験 (概要)
体外循環技術認定士認定試験とは
「医師の指示のもとで行う人工心肺等の体外循環装置を操作するための技術を有する能力」を日本人工臓器学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、そして日本体外循環医学会の4学会が認定するものです。
一般社団法人 人工臓器学会
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
■ 体外循環技術認定士受験資格
受験資格
1. | 日本人工臓器学会および日本体外循環技術医学会の正会員 |
2. | 心臓血管外科専門医認定機構が認定する施設(関連施設を含む)において、体外循環に関する経験が下記の年数(免許交付日からの経験年数を基準)を満たす者 ※ 常勤あるいは常勤に準じるものとし、アルバイトは認めない |
資格 | 実務経験年数 |
医師(心臓血管麻酔専門医・心臓血管外科専門医) | 経験1年以上 |
医師 | 経験3年以上 |
臨床工学技士 | 経験3年以上 |
看護師 | 経験3年以上 |
准看護師(高校卒業) | 経験4年以上 |
准看護師(中学卒業) | 経験5年以上 |
3. | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)教育セミナーカリキュラム(座学)を全過程(1年次・2年次・3年次)修了と日本体外循環技術医学会(JaSECT)人工心肺実技セミナー(実技セミナー)の受講 |
| ※ | JaSECT教育セミナーカリキュラムは、春季又は秋季を3年連続受講できなれば、途中で受講が抜けたカリキュラムは3年後となる |
4. | 日本人工臓器学会教育セミナーを1回以上受講 |
5. | 4.とは別に認定委員会が定めた日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本人工臓器学会の体外循環セミナーで10ポイント以上取得 |
6. | 筆頭者である主操作者として30症例以上の体外循環操作経験がある者 |
| ※ | PCPSは1症例あたり初回の組み立てを行った1名のみ。但し、PCPS症例提示は最大5症例のみ |
7. | 以下に該当する者は除く |
| ・ | 精神病者または向精神薬、覚醒剤、麻薬、大麻、アヘンの常用者、もしくはその影響が認められる者 |
| ・ | 目が見えない者、耳が聴こえない者もしくは口がきけない者 |
【試験受験申込までの必須受講セミナー】
@ | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)教育セミナーカリキュラム(座学)を全過程(1年次・2年次・3年次)修了 |
A | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)人工心肺実技セミナー(実技セミナー)の受講 |
B | 日本人工臓器学会教育セミナーの最低1回の受講※1 |
| ※1 | 体外循環認定士試験は、日本人工臓器学会教育セミナーの最終日の後に行われるため受験申込時に”人工臓器学会教育セミナーを受講”と記載し日本人工臓器学会教育セミナーを受講することで10ポイント取得でき受験可能 |
【受験資格の取得例(医師・臨床工学技士・看護師の場合)】
≪まずは・・・≫ |
・ | 心臓血管外科専門医認定機構が認定する施設に常勤(アルバイトは不可) |
≪1年目≫ |
・ | (日本体外循環技術医学会(JaSECT)に入会してもよいが、年会費を1年多く支払うこととなる) |
・ | (30症例ポンプを回せるよう頑張る) |
≪2年目≫ |
@ | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)に入会(入会金3,000円、年会費10,000円) |
A | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)教育セミナーカリキュラムの春季又は秋季に参加(受講料8,000円) |
B | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)人工心肺実技セミナー参加(受験までに1度) |
C | 日本人工臓器学会教育セミナー(JaSECT会員受講料12,500円)に参加(3年目までに1回受講) |
・ | (30症例ポンプを回せるよう頑張る) |
≪3年目≫ |
@ | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)に年会費(10,000円) |
A | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)教育セミナーカリキュラムの春季又は秋季に参加(受講料8,000円) |
B | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)人工心肺実技セミナー参加(受験までに1度) |
C | 日本人工臓器学会教育セミナー(JaSECT会員受講料12,500円)に参加(3年目までに1回受講) |
・ | (30症例ポンプを回せるよう頑張る) |
≪4年目(認定試験受験年)≫ |
@ | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)に年会費(10,000円) |
A | 日本体外循環技術医学会(JaSECT)教育セミナーカリキュラムの春季※1(秋季受講は来年度受験)に参加(受講料8,000円) |
B | 日本人工臓器学会に入会(入会金1,000円、年会費12,000円) |
C | 30症例(PCPS 5症例のみ可)以上の体外循環の主操作を施行 |
D | ”人工臓器学会教育セミナーを受講”と記載※2し受験申込(試験料15,000円,郵送料672円) |
※ | 受験要項は変更されることがありますので、正確には受験年の受験要項をご確認ください 又、入会費や年会費、受験料も変更されることがあります |
※1 | 受験年の日本体外循環技術医学会(JaSECT)教育セミナーカリキュラム受講で全過程修了の場合、秋季受講では受験申し込みに間に合わず来年度での受験となる |
※2 | 受験申込までに日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本人工臓器学会の体外循環セミナーで10ポイント以上取得している場合は、記載不要です |
E | 日本人工臓器学会教育セミナー(人工臓器会員受講料12,000円)に参加後認定試験受験 |
受験願書申込期間
たいだい 4月〜5月末です。
■ 体外循環技術認定士認定試験
受験日時
年に1回 7月中旬の海の日の前日(日本人工臓器学会教育セミナー2日目)の午後に行われています。
試験地
東京で実施されています。
受験料
試験料 15,000円 郵送料 672円
試験方法
筆記と面接試験
筆記試験
試験方法 : 5肢択一式問題
解答時間 : 100問を120分
試験内容 : 日本体外循環技術医学会(JaSECT)教育セミナーカリキュラムと日本人工臓器学会教育セミナーの講習内容
面接試験
面接時間 : 5名ほどのグループで10分(3質問程?)
服装
面接があるため、スーツ着用
試験結果通知日
11月の日本人工臓器学会大会で発表後、郵送通知
■ 就職
体外循環技術認定士が必要とされる理由
体外循環技術認定士は、下記の施設認定に必要な認定条件に加えられており、心臓血管外科手術や手技、デバイスを使用するために高い知識と技術と経験をもつ体外循環技術認定士が必須とされています。そのため、臨床工学技士の求人募集の条件に「体外循環技術認定士」取得が加えられる事や給与面でも優遇される施設があります。
【体外循環技術認定士を必要とする施設認定】
体外循環技術認定士を必要とする施設認定 | 認定条件 |
心臓血管外科専門医認定修練施設 | 体外循環技術認定士の1名以上の常勤 |
植込型補助人工心臓管理施設新規認定 | 人工心臓管理技術認定士あるいは体外循環技術認定士が1名以上 |
ロボット心臓手術の認定施設 | 体外循環技術認定士の1名以上常勤 |
IMPELLA ※1実施施設認定 | 体外循環技術認定士または人工心臓管理技術認定士3名以上 |
※1 IMPELLAとは、カテーテル先端を左心室に留置し、カテーテル内の羽根車を高速回転させ先端(左室内)から血液を吸引し、上行大動脈〜血液を吐出することで順行性の補助循環を行うデバイスです。 |
■ 資格更新
資格更新年
前回の資格認定から5年毎
資格条件
1. | 更新申請時において引き続き5年間、日本人工臓器学会の正会員かつ体外循環技術医学会の会員で会費を完納 |
2. | 常勤あるいはそれに準じるものとし、アルバイト認めない ※ 3回以上更新したものはその限りではない |
3. | 過去5年間(更新年も含む)内に認定委員会が定めた日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本人工臓器学会の体外循環セミナーで10ポイント以上取得 |
4. | 過去5年間(更新年も含む)内に日本体外循環技術医学会教育セミナー1回以上受講 |
5. | 過去5年間の30症例以上の『体外循環記録原本』写しを添付 ※ 症例提示として認められる該当者は、体外循環記録の筆頭者である主操作者1名および2番目の操作者(指導者) |
6. | 以下に該当する者は除く |
| ・ | 精神病者または向精神薬、覚醒剤、麻薬、大麻、アヘンの常用者、もしくはその影響が認められる者 |
| ・ | 目が見えない者、耳が聴こえない者もしくは口がきけない者 |
救済措置
症例数(30症例)を満たせず失効した場合、再取得に際して試験免除の救済措置を申請することが可能。但し、試験免除措置の申請期限は失効後5年以内とし、その間に日本人工臓器学会教育セミナーを2回受講し、且つ再度日本体外循環技術医学会教育セミナーカリキュラムを修了することが必要
更新料
10,500円
■ 語る左手
受験理由
臨床工学技士として人工心肺を回せることが就職先の希望としていた左手としては、一番取得したかった資格だったのですがなかなか出張などもできず、受験資格取得が長く険しく又お金のかかる資格でようやく受験ができたという感じでした
試験勉強
基本、JaSECTの教育セミナーと人工臓器学会の教育セミナーのテキストを基にノートを作って勉強しました
受験後の感想
筆記試験は、非常に時間がなかったです。100問を解いた後、ほとんど見直す時間がありませんでした。なので、1問1問時間をかけず解いていき(悩む問題は次の問題へ)、時間の余裕を作ることが大切だと思います。時間がなくなると焦ってきますので。。。問題自体は難しくなく臨床で仕事をしていれば出来る問題だと感じました。
面接試験は、JaSECTや人工臓器学会でよく見ていた有名な講師の先生方が、面接官ということもあり大変緊張しました(;´Д`A ```。教育セミナーをしっかり受講し、臨床での人工心肺の取り組みや状況判断、経験、安全対策などの考え、認定士取得して自分がどうしたいか等を答えられれば大丈夫かと。。。
参考書
臨床でしっかり仕事をしていれば受かると思います。確認にJaSECTの教育セミナーと人工臓器学会の教育セミナーのテキストを
★ 現場で役立つ参考書は”こちら”でどうぞ
good luck !!
|