![]() NO.118 2012.10.1 |
秋です。おいしいもの、いっぱい食べて
我が家の悩みは、3歳児の好き嫌い。保育園からの連絡帳にしばしば登場する、「野菜を食べません」の言葉にがっくりします。保育園がなんとか好きにしてくれるかも。お友だちとなら、食べてくれるかも。なんて甘く考えてはいないのですが。 食べられないといっても、緑の野菜なのです。大人でも、ほうれん草はいいけど、春菊はいや、なんて言う人もいますよね。だから、根菜や淡色の野菜は食べるのでいいかと思ったりしますが、やっぱりピーマンやホウレン草を食べてほしくて、絵本で頑張ってみることにしました。どうなるでしょうか。
食べるのが、とても楽しくなる絵本はたくさんあります。今回は、好き嫌いにしぼって、絵本を選びました。
野菜を食べるといいこといっぱい
![]() 香川芳子・監修 田代卓・絵 女子栄養大学出版部 |
『やさいをたべると』 小さい子向きの絵本です。野菜をたくさん食べると、元気に遊べるし、ぐっすり眠れるし、うんちもすっきりだし、いいんだよと、表紙の女の子が、中の男の子に言ってるのかな。 そして、野菜ってこんなものだよとの説明ですが、絵がはっきりしていて、よくわかります。イモ類に果物、ネバネバ納豆も、畑からとれる大豆。豆腐だってそうだと見せてやったら、きっと3歳は喜びます。豆腐好きですから。パンも御飯も、畑からとれる野菜の仲間なんだって、当たり前だけれど、つい忘れがち。 我が家としては、緑の葉物野菜をよいしょしてもらっていないので、残念ですが、野菜導入編としては、いっぱい話しあえそうです。 |
「何が何でも食べさせるんだ」ではダメなんですね
![]() ローレン・チャイルド作 木坂涼・訳 フレーベル館 |
『ぜったいたべないからね』 中表紙に大きなトマト。チャーリー兄さんと妹ローラのお話です。それにしても、ショックなタイトルですね。兄さんは親から、妹にご飯を食べさせてと頼まれるんですが、すごい好き嫌いの激しい妹なんです。それでどんな工夫をしたかと言うと。まず、ニンジンです。それを、「はるばる木星から来た、えだみかん」と言うのです。ニンジンにそっくりだと言いながら、妹はかじってみて、「悪くない味ね」と。次に緑の豆です。「私、食べないからね」と妹は言いますが、「それは、あめだまみどりだよ。地球の反対側では、空から降ってくるんだ」と兄さん。妹は、めったに食べられないと言われて食べてみると、「なかなかいける味ね」となるのです。こんなふうに、じゃがいもは、「くもぐちゃらん」で、魚のフライは、「ころもうみ」、トマトは、「まんげつぶちゅっと」だと言うと、妹はおいしく食べるのですが。 たしかに名前で、食べず嫌いになっていることや、色や形で拒否したりすることもありますが、この絵本のように、楽しい名付けをしてみることも面白いですね。我が家では、もやしのことを「つるつる」と呼んでいました。うどんのようですからね。けっこう喜んで食べました。今はもう、もやしと言っていますが。食べないホウレン草をどう名付けようかと、私も考えています。 とにかく、このお兄さんはうまく妹を食べさせましたね。この絵本は、少し大きい子でないとわからないかも。イラストと写真がうまくコラージュされていて、楽しい絵本です。 |
「いのちをいただく」を実感できるかな
![]() 志茂田景樹・作 石川あゆみ・絵 KIBABOOK |
『やさいさんごめんね』 「読み聞かせ」絵本と言うことです。小学生の子が主人公ですが、年長さんならわかるかも。はるかちゃんという子が、給食のおかずの肉だけ食べて野菜を残します。先生に叱られ、友だちも変な顔をします。はるかちゃんは仲間外れにされてさびしいです。 その夜、はるかちゃんの家では、冷蔵庫から野菜たちが飛び出し、踊ったり、歌ったり。夜中にそれを見たはるかちゃんは、怖かったけど「いいなあ、仲よしで」と思ってうらやましくなりました。でも、野菜たちは、いつまでも遊びたいのに、食べられてしまうって嘆いています。かぼちゃが言うのです。「人間の体に入って、新しい命になるんだから、悲しくないよ」って。当然のことですが、絵本の中で話されることは珍しく、カボチャが言うんですから、それほどお説教ぽくも聞こえませんね。しかし、難しいかもしれませんので、「読み聞かせ」ながら反応をみて補足していくことがいいのかもしれません。 はるかちゃんは、野菜さんたちの話はわからないのですが、仲良く元気そうにしている姿に感動して、それからは感謝して野菜を食べているページで終わりです。「やさいさんごめんね」という言葉はでてきません。きっと、野菜さんたちのことを知らないで、食べるのがいやなんて言って悪かったという気持ちが、タイトルになったのでしょう。 野菜さんたちの気持ちを思って、好き嫌いしないように、3歳にも話します。 |
「ピーマンはバイキンをやっつけて、強い。だからたべる」と感じさせたいです
![]() さくらともこ・作 中村景樹・絵 岩崎書店 |
『グリーンマントのピーマンマン』 30年ほど前に出版された絵本ですが、今も人気があります。それは、ピーマンを嫌がる子が多いからでしょうね。小さい子は、色や形、匂いや味に、ほんとはとっても敏感なのですね。食べたことのないものに抵抗を感じて、強要すると大人になっても、トラウマになってしまうことはよくあること。でも食べさせたいと思うのは、親も保育士も同じです。なんとかしたいと絵本をよんでやりました。3歳は、バイキン様が怖かったようで、固まっていました。でも、ピーマンちょっと食べましたよ。 皆に嫌われるピーマンは、野菜たちの籠の中で大泣き。野菜たちは、泣き虫ピーマンとは友達になりたくないと言うんですが。寝ている時、「のどいたバイキン」たちがやってきて、野菜嫌いの子の喉に入ろうとしました。野菜たちも震えています。その時、みんなに押されたピーマンが飛び出して、バイキンたちにぶつかったので、バイキンたちはからくてしびれちゃうと目をまわしたのです。「のどいたバイキン」は逃げていきました。野菜たちは、「ピーマンすごい。不思議な力があるんだ」と言って、ピーマンはとってもうれしそう。 次に来たのが「はらいたバイキン」です。好き嫌いする子のお腹めがけてくるんです。グリーンマントをきて、ピーマンたちは大張りきり。バイキンと勝負です。「ニガ二ガパンチ」を繰り出して、バイキンたちをやっつけるピーマンマン。子どもたちは、大喜びで強いピーマンを食べるのです。もちろん喜んで。 そうなってほしいなあと思いつつ、また読んでやります。 |
ピーマンマンのマントって、どんな力があるんだろう?
![]() さくらともこ・作 中村景樹・絵 岩崎書店 |
『ピーマンマンとかぜひきキン』 これから風邪ひきの季節です。ピーマンマンは、世界中を飛び回って、悪いバイキンをやっつけ、帰ってきたのです。みんな大喜び。マントを脱いでお風呂に入っていると、なんとかぜひきキンがやってきて、マントをもって行ってしまいました。ピーマンマンは、マントがなくなって、風邪をひいてしまいました。大変です。ピーマンマンの空飛ぶマントにのって、バイキンたちは野菜に攻撃。みんな風邪ひきです。 そこで野菜たちは、好き嫌いしないで食べて、運動して元気になりました。バイキンたちは朝寝坊。ピーマンマンが、マントをそっとひっぱって取り返しました。でも、マントが破れてしまって、ピーマンマンは飛んでいても目が回ります。バイキンたちの攻撃に、野菜たちみんなで立ち向かって、その時不思議な光が輝いて、バイキンたちは逃げ出しました。みんなで力を合わせたのがよかったのかな。だから、好き嫌いしないで、みんな食べていったら体もつよくなって、バイキンたちに負けなくなるんですね、というお話でした。 二冊とも、最後に小児科のお医者さんのコメントがあって、役に立ちます。 |
つぶやきたい愚痴はいっぱい。ありすぎて書けないのです。それとも早、諦め?なんて思ったり。こんなことでは食べ物も栄養にならないですねそれにしても、近現代史を学んでいない若者が多く、街頭インタビューを聞きながらびっくりします。競争が激化される大阪の教育現場。なかなかそこまで学べないかもしれません。ちょっと深刻に悩みます。明治以降、アジア教室の中でちょっと強くなったといばって他国をいじめていた国のツケがたまりたまっているのですね。いじめの精神構造は、あのときからずーっとかも。
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