陽だまり絵本通信 
NO,194 2016・2・15















                   
                       かがくいさんの絵本を紹介します           

 かがくいさんの絵本です。2004年に描かれたもので、もう10年経ちました。2009年にかがくいさんが、53歳で亡くなられて後に出版となりました。『おもちのきもち』や『だるまさんシリーズ』がとても面白かったので、『うめじいのたんじょうび』が出されてよかったです。この本も、実は2004年に賞をもらっている本で、どうしてもっと早く出版されなかったのかと思うと残念です。








    『うめじいのたんじようび』ーーーかがくいひろし・作  講談社・刊
 
 真っ赤な顔のうめじいさんです。梅干しって知らない子もいて、梅の花から説明がいります。あまりくどくどと説明をしていると面白くないので、ここはさらっといきましょう。表紙を見て、誕生日というから、何歳だろうと?
 
しわくちゃのうめじいです。何歳か分からないほど長く生きています。中表紙にある立派な壺にはいっているのでしょう。お茶を飲んでいますが、かわいいですね。赤い鼻緒の下駄とフカフカ座布団。
 浅漬けきゅうりとたくあんが出会いました。「今日は、うめじいの誕生日だねえ」「うめじいは何歳かしってる?」「噂じゃ200歳だってさ」「すごい」そこへ、ふたごのらっきょうがきました。「うめじいの誕生日だって」「何歳だかしってる、何歳だかしってる」双子ですから、言葉も双子。「500歳だって」「えー、すごーい、本当」200歳が、500歳になり、みんなびっくり。そこへ千枚漬けがやってきました。千枚漬けの言葉が面白いですよ。「うめじいのたんじょうびづけ」と。何歳だと聞かれて、「噂じゃ、1000枚づけ。違った、1000歳づけ」と。うめじいの家にいくことになりました。
 うめじいの言葉も面白い。「誕生日おめでとう」と言うと「トーテンボー」「あのさ、何歳になるの?」と聞くと、「ウッスラベン」「相変わらず、うめじいの言葉は難しいなー」そこで、みんなは漬物石のじっちゃんを呼んできました。漬物石は重く、リャカーに乗せて、みんなでウンショッ、ウンショッ。「わしの知らないものはない、グフッ」
 次の頁は、漬物石とうめじいの巨頭会談。なんとも不思議な言葉を話します。「ボソボソボソ」「トントコピー」「コソコソコソ」「ウッテンパイ」「グフグフグフ」「スンダラプー」「ソーレ ソレ」「シッタカポン」聞いている漬物たちは分からない。「ずいぶん楽しそうだけど、うめじい何歳か分かった?」漬物石とうめじいの表情の、何と楽しそうな。漬物石は皺くちゃじゃないのね。漬物石が言うことには。絵を見ると分かりますが、しわのないうめじいがいろんなことをしている。恋の告白もして、嫌いですと断られたり。「年は?」と聞かれても、「わすれたそうじゃ」。そこで、お祝いをすることになりました。お祝いのケーキは、梅干しケーキ。うめじいは、力をこめて「せーの、ふー」と吹きます。何本のローソクでしょうね。みんな目を細めて、うれしそうに。
 さて、プレゼントは、うめじいの故郷へ行くことでした。パックには梅の木がいっぱい。うめじそこうげんです。うめじ
いの嬉しそうな顔。「また、来年も来ようね。」「ウッキラボー」と。うめじいの言葉は分からないけれど、嬉しそうなことだけはわかります。爺ちゃん婆ちゃんと一緒に読んでみてはどうでしょう。

 

 かがくいさんの「だるまさんシリーズ」を、ある講演会で読んだことがあります。参加者はみんな保護者ですから、受けたのなんのって。だるまさんシリーズを全部紹介したことがあります。小さな子向きの絵本で、大きなだるまさんがいちごちゃんと手をつないだり、メガネをかけたりして、いろんなことをしてくれるわけで、とっても面白いです。子どもとやってみて、面白かったというお手紙をいっぱい頂きました。
 こちらは国会。いろんなことがありすぎて、面白くありません。

              
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