陽だまり絵本通信 
NO,190 2015・11・15
















     環境の未来を決める会議 ( リオ会議 ) で ー今、人間が見直すべきことー

 知りませんでした。こんな素晴らしい提起をされている大統領がいることを。環境の未来を決めることにつながるなんて思わなくて、生活を楽しんでいると。電気などは使い放題。それでいて原発はいや。地球温暖化につながる。分かっているのに、自然エネルギーをもっと導入しない政治がわるい。今、原発が再開されることも、反対してもどうしようもない。他国から数パーセントを買って、やっと辻褄を合わせているなんて滑稽だ。
 要は、政治をするものの人間性の問題だとわかっているのに、半ば諦めてしまっている現状。そこに、この絵本です。偉いなあ。大統領も選ぶ国民も。国が小さい、大きいの問題じゃないですねぇ
。 

   この大統領を選んだ、国民。えらいですねぇ。 


 
『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』ーーーくさばよしみ・編 中川学・絵 汐文社 

  世界で一番貧しいと言うけれど、そうじゃない。貧乏とは、少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないことですと、絵本の帯に書いてあります。表紙の絵の大統領は、鶏を抱き、足元に犬、うしろで牛が草を食んでいる。普通国際会議に出ると言うと、ピカピカの背広を着て、ネクタイというのが普通です。車を運転させ、威張って中から降りてくる。こういう風景は、よくテレビで見かけることでしょう。でも、この人は違います。「じゃ、行ってくるよ」と、犬やニワトリにも餌をやり、自分で古い自動車を運転して出かけるのです。
 会議場に入ると、絵を見てわかることですが、だれも問題にしていません。眉をしかめたり、居眠りをしたり。小さな国の大統領を馬鹿にしているのです。大統領は、世界の代表に訴えます。このままではいけない、みんなが強く思っているのでしょうと。洋服や靴、テレビや指環と車などを横に置いて自然との調和を考える。世界中の富と自然との調和は難しいでしょう。50億、70億の民が物を奪い合う。資源はそれだけ十分にはないのです。車や様々なものを作り、売り買いする社会は、懸命に働くものと、製品をどこの国に売ったら儲かるかのせめぎ合い。絵でわかることですが、吊り下げられている労働者の姿が、この社会の労働と搾取と一部の金儲けに走っている資本の姿を描いているのです。これではだめだと、皆さんは集まられたのを、無駄だとは言いません。大統領は、話し合われている地球環境の危機よりも、ここで問われなければならないのは、私たちの生き方の問題だ言うのです。

 働きづめのために命が早々に尽きてしまっては。命のストップは、お金のストップにつながり、不景気という欲深い妖怪が支配する世の中になる。その妖怪を満足させるために、持ちの悪いものをつくり、たくさん売らなければならないのです。使い捨てるために。こんな生き方、ズルズルと続けてはいけないでしょう。生き方の問題なのです。世界の代表として参加されている皆さんに、ぜひ見なおしてもらいたいと言うのが、大統領の願いでした。
 社会の発展とは、人間の幸せの見方でなければならない。私の話はこれで終わりと言った時、多くの人の共感の拍手が、絵本から飛び出してくるようでした。世界で一番貧しいと言うけれど、一番素敵な国の大統領のスピーチでした。
 今、世界でいろんな出来事があります。大国だけが儲けるためのPPT。テロ。領土問題など。いくら集まって話し合いをしても、解決は無理ということでしょう。例えば、ABEさん、もんじゅを早くかたづけて、核撤廃の立場に立たなければならないでしょう。ウルグアイの大統領、ムヒカさん。国民はぺぺと愛称で呼ぶそうです。

  

 小学校中学年以上におすすめです。読む先生が恥ずかしいことも。自分の生き方を見直す所から始めないと。私は明日から、何を変えていこうかと悩んでいます。 

              
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