ドキュメンタリ〜×月×日のTG775

関空深夜便のTG775は'99年3月28日にて運航を終了しました。
(現在の関空深夜便はTG673として運行されています)

日本時間×月×日午前2時30分
「当機は現在、高度 35,000フィートにてバンコク ドンムアン国際空港に向けて順調に飛行しております。しばらくのあいだごゆっくりとおくつろぎ下さい」 さぁて、飯でも喰って、しばらく寝るか…

TG775便 ボーイング747-400 は定刻通り関西国際空港を飛び立ち、バンコクには現地時間の午前5時に到着… する予定だった。

日本時間×月×日午前2時45分
機内食を配る準備ができた頃「れでぃーすあんどじぇんとるまん…」タイ訛りの聞き取りにくい機長のアナウンスが入った。しばらくすると日本人クルーより「機長に代わりましてご案内申し上げます。当機のエンジンオイルにカーボンが発見されました。これより関西国際空港へ引き返します。お急ぎのところ誠にもうしわけございません。」 なぬ!?

機内でタイ人クルーの話を聞くとエンジンの油圧系統に異常が発生し、エンジンを1機停止させたままの飛行状態だという。まぁ仕方ない。落ちるよりかはマシだよね。(後日の報道によると九州宮崎上空だったそうな)

日本時間×月×日午前3時30分
関西国際空港に緊急着陸。待機していた消防車が向かってくるのが見えるが、特に発火等の心配はなさそうだ。「点検するのでしばらく待て、タバコを吸いたい人はターミナルビルへ移動しても良い」との事で一服がてらターミナルへ移動した。問題のエンジンはANAの整備員によって筐体が分解され始めた。しばらくして機内に戻ると今度は「修理のめどが立ちません、全員荷物を持ってターミナルへ移動して下さい」とのこと。

こいつが問題のエンジン。 クソッ夜が明けてきやがった…

全員にジャムパンとパック入りの紅茶が支給された。エンジンはいぜん修理中だが部品の交換が必要な模様。地上の無線連絡のやり取りを聞いていたところ油圧系統がバーストしているらしい。こりゃダメだ。機長以下全クルーが降機してしまった。しばらくすると機体はエプロンを離れ整備場へと姿を消した。タイ国際航空と協力関係にある日本航空の地上職員があわただしくホテルの手配を始めている。

まずエグゼクティブクラスとビジネスクラスの乗客がホテルへと案内された。続いてロサンゼルスからのトランジット客(この便はL.A.発関空経由バンコク行き)がホテルへと案内された。後回しにされた関空からの乗客にアナウンスがあったのは午前7時を廻った頃だったろうか。我々に手配されたホテルは神戸ポートピアホテルだそうだ。大阪湾をはさんで全く反対側。滅茶苦茶遠い。

さて、一旦出国手続きをしてしまっている我々の扱いはどうなるのであろうか?イミグレーションを通りパスポートを見ると“出国”のスタンプの上に“VOID”とスタンプが押されていた。出国無効だね。なるほど…

日本時間×月×日午前8時30分
チャーターされたバスで神戸ポートピアホテルへと向かう。ほとんどの客が爆睡状態。午前9時50分にホテル着。こんなホテルに自分の金で泊まるなんて滅多にないことだ。カオサンあたりをうろつく格好の人間がゾロゾロとポートピアホテルのロビーを歩く姿は見ていて滑稽。部屋に荷物をおいてから30階の展望ラウンジで朝食バイキング(当然無料)。とてもウマイ。その後、ゆったりとしたベッドでしばしの仮眠とする。午後2時頃、腹が減ったので昼食を食べることとする。日本料理屋で 2,500円の弁当を喰う(当然無料)。とてもウマイ。

日本時間×月×日午後3時50分
タイ国際航空より手配ができたとの連絡で神戸ポートピアホテルを出発。午後5時前に関空に到着。係員に案内されるとおりにチェックインカウンターに向かうと、そこはノースウェスト航空のカウンターだった。「あっれ〜NWのバンコク行きって関空からは出てないよね?」と手にしたチケットを見るとそこには「NW0095 FROM OSAKA-KANSAI TO TAIPEI」と記されていた。なにー!台北へ行けってか!本日2回目の出国手続き。(この際の空港施設利用料は当然無料)

台湾時間×月×日午後8時00分
う〜むっ、台北国際空港に着いてしまった。ここでタイ国際航空のバンコク行きにトランジットするのだ。まぁ滅多に来ることのない所だから空港内でも見物しよう。しかしこの空港の喫煙室はエグイ。まるで薫製室のようだ。タバコを1本だけ吸ってすぐに退散してしまった。午後8時40分 TG635 にてようやくバンコクへ向けて出発となる。この際、関空で配布されたTGのトランジットカードを回収していたようだが、私は回収されなかった。(いまだに持ってます)

予定外の台北に到着してしまい 悩む私

タイ時間×月△日午前0時00分
ようやくドンムアン空港に到着。本来ならば私は乗り継ぎでチェンマイへ向かう予定であった。申し出れば今夜のホテルと翌日便への振り替えを手配してくれるのだが、チェンマイでの滞在時間が短くなりすぎてしまうので、あっさりと中止にしてしまった。(実はこれが後でトラブルの元ともなったのだが…)この際、バンコクで全ての日程を費やすことにしよう。29番バスに乗り、宿に転がり込んだのは午前2時近くになっていた。


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