NHKに…
その日,私は関空深夜便(TG627)に搭乗するため深夜の関西空港にいました。深夜便だというのにチェックインカウンターには長蛇の列が出来ているではあ〜りませんか。案外,この便って人気があるのね。正直いって驚きです。行列に並ぶのが大嫌いな私は「もう少しすれば人も少なくなるんとちゃうんかいな…」と思いながら空港ロビーをウロウロすることにしました。 すると,この長蛇の列をテレビカメラに収めている謎の取材班がおりました。(内訳:インタビュアー,カメラマン,アシスタントの計3名)普通のテレビ取材にしてはショボいメンバーなので私は「けっ,地元のケーブルテレビ局だろ」と思っておりました。 しばらくロビーのベンチでゴロゴロした後,列が短くなったので私も並ぶことにしました。取材班はこの深夜便に搭乗する物好きな連中にインタビューをしているようです。何人かが餌食になっております。そして取材班が私の横を通り過ぎようとしたとき,ムムムッ,視線を感じる…いやな予感…「すみませ〜んNHKですが,深夜便をご利用の皆様に取材をさせていただいております。ちょっとだけお時間よろしいでしょうか?」 なななな何で俺なんだよ〜!よっぽどマヌケヅラをして列に並んでいたのでしょう。 確かにカメラとマイクに“天下のNHK”と書いてあります。(“天下の”はウソ)まったくもって人の良い私は思わず「いいっすよ〜」と言ってしまいました。(実は受○料を払ってないのでコレくらいはご協力せねば…)カメラマンが指で3・2・1・ハイ と合図を出してインタービューが始まりました。
N:「どうしてこの深夜便をご利用になられるのですか?」 いやぁ〜,以外と緊張するもんだねぇ。引きつった顔からマヌケヅラに戻り,再び列に戻ると,「あの…誠に申し訳ございません,私のインタビューの間が空きすぎまして,お答えいただいた2つの内容を1つにまとめてもう一度お答えくださいませんか?」 こらぁ〜NHK!とちるな!
やらせインタビューの開始 他にも空港スタッフにインタビューしたりと結構忙しそうにしています。まぁ,これだけたくさんの人に取材しているのだから,私へのインタビューはカットされているだろう,と思いつつ,パヤパヤとバンコクへ向けて飛んでゆきました。(で,この日の正午にはラオスの首都 ヴィエンチャン に着いておりました) サラリーマンの私は帰国した次の日から仕事に復帰しなければなりません。会社に出社しても誰からも何も言われませんし,友人からも「見たでぇ〜」といったメールも入っていなかったので,私は「やっぱりカットされてたんだ,ガハハハハ〜」と思っていました。ところが,我が社の社長と顔を会わせるやいなや 「キミ,テレビ出とったでぇ,有名人やのぅ!」 げ,オンエアされとった…(実はその後,色々な人から「見たでぇ〜」と言われる) 関西ローカルの番組だったのが不幸中の幸いでおました。 |