翡翠(カワセミ)に魅せられて(2002年12月26日)

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 最近、カワセミの写真撮影に凝っています。
 野鳥撮影に必要な用具は、今年8月までに揃えた一眼レフデジタルカメラ(Nikon D100)と超望遠レンズ(Nikon AF−S Nikkor ED 600mm F4DU(IF))です。購入の経緯は別項で書いていますので参考にしてください。

 それまでは自宅周辺でメジロやシジュウカラなどの小型の野鳥と冬場に近くの池にやって来る水鳥が主体でしたが、2年ほど前に、ある温泉宿の裏川で偶然カワセミの飛翔を見かけ、瑠璃色の背中に魅せられました。それ以来、同じ宿にカワセミ狙いで行くようになりました。そのころは、AF300mm F2.8Dレンズに2倍テレコンをカメラF5で撮っていましたが、距離が遠く画質ももう一つ満足がいきませんでした。
 前述超望遠レンズとデジタル一眼レフカメラのセットでは、焦点距離が1.5倍になるため、900mm F4のレンズで撮っていることになり、そのうえ、感度(ISO)が自由に変えられる(銀塩カメラではフィルムを変えない限り難しい)ため、動きが速く遠くの小型野鳥でも狙えるようになりました。
 

 しばらくは、このセットを車に積んで近くをドライブし野鳥を見つけては撮っていました。
 10月下旬に、偶然近くの農用地の川でカワセミらしき姿を何度か見かけ、更に土手には鳥のフンが多数発見できました。
 そこで、その後、フンのある土手近くに車を止めて荷物室に毛布を敷いて座り、後部窓を上に跳ね上げて明け(愛車はCRV)、すぐ側にカメラ・レンズのセットと双眼鏡を置いて待ち受けました。何度か出かけて待ち受けるうち、カワセミが2〜3秒の間近くに止まるのを目撃、11月下旬にはカメラを構える余裕があり夢中でシャッターを切りましたが、カメラの設定が悪かったりしてまともな写真が撮れませんでした。
 そして撮影に行かない間も、日光の差し方と撮影位置、カワセミとの距離や通行車両の妨害等を考え、どこに駐車して待ちかまえたら良いかを検討していました。
 12月になっても通いましたが、せっかくカワセミが来ても近くに人がいて飛び去ってしまったりしてシャッターチャンスがなかなかありませんでした。妨害した人には腹も立ちますが、カワセミを見ることができただけでも幸せと、不思議と充実感がありました。
 

 雌雄の区別は特徴的な嘴にあり、下嘴に赤みがあれば雌、上下とも同じ黒みがかっておれば雄です。

 12月22日(日)に、初めてベストショットが撮れました。
 この日は何故かカワセミのサービスが良く、まず午前8時30分頃に雄が来てくれました。しばらくして飛び去りましたが9時過ぎに今度は雌が来てくれました。直ぐに飛び去りましたが30分ほどしてまた雌が戻ってきました。1分ほどもカメラの前にい他でしょうか。もう興奮してシャッターを切りまくりました。これだけでも満足なのに、またまた、20分ほどして雌が来ました。短時間に4回も来るなんて、初めての経験です。このころには、少し余裕も出て、日の丸写真ではなく構図を考えるようになり、初めて満足の行く1枚が撮れました。
 他の野鳥も若干撮りましたが、ほぼ51枚(512メガのコンパクトフラッシュ(CF)でRAW(圧縮保存ではなく後から加工・修正がしやすい)で撮れる最大枚数)全て撮りきりました。自宅に帰ってパソコンでチェックしましたが、我ながら自慢できる逸品です。先輩諸氏がインターネットホームページの写真掲示板に投稿している写真(うらやましく思っていた)に勝るとも劣らない作品ができました(当然、すぐに投稿しました)。

 柳の下にドジョウがいるとは思いませんでしたが、翌日23日(天皇誕生日)も同じ時間帯に行きました。
 車を所定の場所に止め、準備をしていると目の端に何か影が映りました。ふと横窓から見ると、ななんと「カワセミ」がいるではありませんか。それも2mと離れていない後輪の近くにいます。何と美しいことか!細毛までクッキリ見えます。標準レンズで十分撮れます。しかし、そんなレンズ持ってきていません。驚かせないようにしばらく見ていると、やっと所定の位置に移動してくれました。柳の下に2匹目・3匹目のドジョウがいたのです。私はファインダーを覗きっぱなしでシャッターを切りまくりました。しばらく上空や周りを警戒していましたが、ついに餌捕りをはじめました。これまで遠くでダイブしたのは見ましたが、目の前では初めてです。
 餌捕りは必ず成功するわけでもなく、失敗して対岸に不時着することもありましたが、成功率は割と良く、4尾ほど捕りました。割と大食漢ですが、その間、フンも同程度しています。体を軽くするためでしょうか。ここで、獲物を捕らえ食べる処を数枚撮ることができました。
 更に余裕が出た私は、飛んでいる姿と捕獲の瞬間を撮ろうと試みました。デジタルカメラの良いところは、撮ったその場で確認ができることです。
 カワセミの動きは素早く、今の私の技術では超望遠レンズの画角で追尾するのは不可能です。そこで、ファインダーの端に止まっているカワセミを捉え、動いた瞬間にシャッターを押しました。それでもほとんどが反対側の端に後半身の一部が写るだけでした。何度か挑戦し数枚は範囲内に収めることができました(後で考えれば、少しはカワセミを追っても良かったかも)。ピントはAFで静止したカワセミで合わせてロックしましたが、これも、これから一工夫必要かも知れません。捕獲の瞬間は「飛び込むであろう水面」にピントを合わせて待ちましたが、後から確認すると水面しか写っていませんでした。次は何とかものにしたい!
 この日は日光浴と餌捕りも兼ねて、かれこれ10分余もカメラの前にいました。カワセミは昨日以上の大サービスでした。撮った枚数は51枚を超え、予備の128メガのCFも使いました。

 昼近くなって、子供連れや散歩の人が増え、カワセミも飛び去りました。
 自宅に帰って、さっそくパソコンで写真をチェックしました。満足いく写りのものが何枚も確認できました。もう、満足です。自分にも撮ることができた満足感と充実感、そして、次を狙う欲望と、????、気が付くと、既に先達が落ちた「のめり込む穴」に落ち込んでしまったようです。
 でも、それだけカワセミに人を引きつける魅力があるということでしょうか。これからは、飛びものと周囲のバックに気を使ったベストショットを撮りたいと思っています。
 でも、ホームページを見ると、世の中には上手に撮る人がいるものですね。それも、アマチュアで。それだけ、カワセミに魅力があるということでしょうか。