カーエアコンの修理


10月のある日、気候も心地良く、外気温22度位の時

突然カーエアコンがMAX-HOTになって熱風が出てきた

これはどうしたもんかとエアコンを見たら・・・・・

画像1 ウチの嫁車は、スズキワゴンR

 (MH23S) NA,2WD,CVT仕様

 赤丸の所の{AUTO}が点滅

 してる。

 オートエアコンなので温度センサー

 が壊れてMAX-HOTになったのか?

 とりあえず自己診断機能があるので

 やってみよう。


画像2 まずキーをONにしてエアコンを

 作動させ、温度を25度に設定する。

 一旦キーをOFFにする


画像3 再びキーをONにして5秒以内に

 {AUTO}ボタンと{Def}ボタンを

 同時に押す。


画像4 するとダイアグノーシス(自己診断)

 結果が表示される。

 今回は 20.3 が表示されたので

 エアミックスアクチュエーターの不良

 だと分かった。

 ちなみに夜間に自己診断すると 4.1

 が出ますが、これは日照不足のエラー

 だそうです。

 ネットの情報を見ているとこの機種

 はこの故障が多いみたいで色々出てきた、

 そもそもエアミックスアクチュエーターって

 何ですか? ってな人のためにちょっと解説。


家庭用のエアコンは冷媒ガスの流れる方向を変えて冷房と暖房を切り替えますが

カーエアコンの場合は吸入した空気は一旦全て冷却(冷房)します

そして、エンジンの熱で温められた冷却水を使って再び空気を暖めて

それらを混ぜて吹出し口から適温の空気を出します。

画像99

 赤丸のエアミックスドアを制御して冷風と熱風を

 混ぜて適温の空気を作ります。

 マニュアルエアコンの場合はこのドアを人間がレバー

 で操作していますが、オートエアコンは

 エアミックスアクチュエーターと言うサーボで動かしています。


画像5 で、そのエアミックスアクチュエーター。

 運転席の下、左奥にあります。

 緑色のカプラが刺さってる部品です

 右に写ってるのがサイドブレーキペダル

 なのでなかなか狭い場所にあります


画像6 部品を発注しました。

 

 品番はあらかじめネットで調べて

 分かってましたから、amazonで買った

 方が早いし送料も無料だったのに・・・

 私は、純正部品を扱っている会社にネット

 から注文しましたが、発注→支払→手配

 →発送→到着 まで9日かかりました


画像7 新品です。

 

 形も大きさも間違いないです

 

 早速交換したいですが、一つ問題があります

 あの狭いスペースだと、ドライバーが使えません

 という事で特殊なドライバーを用意します


画像8 バールみたいな アングルドライバーです

 +1&-5 と +2&-6 の2本組で

 380円でした。

 板ラチェット式のドライバーも売ってました

 が800円位したので今回はこれでいきます

 この判断が後悔する事になるとはこの時

 は思いもしなかった・・・・


画像9 狭い!!

 体勢がキツイ!!

 更に、ドライバーは入るけど

 回しにくい!!

 

板ラチェットにすれば良かった

 

 これからこの作業をする方、迷わず

 板ラチェット式ドライバーを買いましょう


画像10 格闘する事10分

 

 やっと外れました。

 左が新品、右が故障品

 外観だけではどう壊れているのか

 全く分かりません、が、故障してるので

 交換します。

 

 ・・・・また 取り付け作業か・・・

 

 板ラチェットにすれば良かった~


画像11 何とか取り付け終了


画像12 試運転

 キーONしてエアコン起動

 {AUTO}点滅も消えて正常運転になりました

以上でエアミックスアクチュエーターの交換作業を終了します。


 

 さて、それでは 取り外したアクチュエーターの何処が故障していたのか調べてみます。

 

画像13 ケースのツメを外して

 ぱか~ん と開けてみます

 

 見た所 断線やギアの欠けなどは見当たりません

 動作原理はモーターを回して ギアを動かして

 アームの角度を変えるという事ですね

 しかも最終ギアには位置を検出する

 電極がついていてそのフィードバック電圧

 を読み取って制御してるようですね。


画像14 ネットで見た故障の原因の多くは赤丸の位置

 にある導電体と抵抗が電極と擦れて

 磨り減ってる場合が多かった。

 でも これを見る限り導電体と抵抗には

 異常は無いように思うので

 あとは、基板のハンダ浮きか断線かも?


画像15 電極の方も異常は無いみたい

 何が悪いのだろう?

 これはひょっとしてモーターか?


画像17 で、モーターを外しました。

 手で軸を回すとカチカチ何か引っかかる・・

 こいつか~~

 これはマブチモーターのRF-370CB-11670

 DC12Vの汎用モーターですね

 これだったらモーターだけ買ってきて修理できた

 かも、たぶん大阪日本橋のデジットあたりに売って

 るかも・・・


画像18 原因究明、モーター分解

 あ~

 ブラシが変な方向に曲がってますなぁ

 なんでこんなになったんだろ?


画像16 そしてこっちも解析

 1番と2番ピンはモーターの電源で、オートエアコン

 本体からモーターへ給電

 4-6番ピンに4.62kΩの抵抗があり

 5番ピンをボリュームの様な動きにして位置を

 検出している様です。

 結構この部分の故障が多いんだから

 ロータリーエンコーダーとかにした方が

 耐久性が上がるのになぁ

 まぁ コスト削減なんでしょうね

てなワケでオートエアコンの修理は終わりです。