そもそもランチェスター戦略って?

中小企業の生き残り競争はますます厳しくなってきています。
その戦いに勝ち続けるには、勝つための法則が必要になってきます。 たまたま勝ったからといって次に勝てる保証は何もありません。
勝ち方には一定のルールがあり、このルールを知っているかどうか、それを実践できるかどうかが、 これからの競争を生き抜いていけるかどうかの別れ道になります。

「ランチェスター戦略」はもともと、イギリスのエンジニアであったF・W・ランチェスターが提唱した戦争における戦闘方法を、 営業戦略に応用したもので、中小企業のための必勝の理論と言われています。

ランチェスターの第一法則

ランチェスターの第一法則

ランチェスターの第一法則は、別名「一騎討ちの法則」と呼ばれています。
弓や槍、ピストルの打ち合いといった、一人が一人を狙い撃ちしかできない一対一の戦いを前提にして導き出された法則が、 この第一法則です。
具体的に例えば、兵士の数が100人のA軍と、同じく兵士の数が80人のB軍が、性能がほぼ同じである武器を用いて、 一騎打ち型の戦闘を行ったとき、A軍は80人戦死して20人生き残り、B軍は80人全員戦死となります。 つまり、数が多い軍隊が多い分だけ生き残り勝つというのが、ランチェスターの第一法則です。

ランチェスターの第二法則

ランチェスターの第二法則

一騎打ちの第一法則に対し、一人が何人もの敵を同時に射撃できる機関銃のような近代兵器を使った戦闘での損害量はどうなるか? そこから導かれた法則がランチェスターの第二法則です。
A軍100人、B軍80人で、おなじ性能の機関銃で戦った場合、A軍の兵士1人あたりがB軍の兵士1人から受ける攻撃量は、 味方が100人いるので、100分の1に分散されます。つまりA軍の兵士1人あたりが、 B軍全体から受ける攻撃量は、1/100 × 80(B軍の兵士の数)= 80/100となります。
同様にB軍の兵士1人あたりがA軍全体から受ける攻撃量は、1/80 × 100 = 100/80となります。
ここで、A軍の兵士1人あたりが受ける攻撃量 対 B軍の兵士1人あたりが受ける攻撃量は80/100 対 100/80 = 80² 対 100²となり、 両軍の兵士は、相手兵士の数の二乗分の攻撃量を受けることがわかります。 要するに近代兵器を用いた戦闘の場合、双方の武器の性能が同じであれば、 敵味方ともに、戦闘開始時の兵士数の二乗と二乗の関係で戦うのと同じことになるわけです。これがランチェスターの第二法則です。
今回の戦闘の場合、B軍は前述した一騎打ちの場合と同様に全員戦死しますが、 A軍は100² – 80² = 60² の平方根である60人が生き残り、40人が戦死する結果となります。
いかがでしょうか?第一法則型の戦いと比べA軍の損害量が半分になっているのがわかるでしょう。 兵士の数はB軍がA軍よりも2割少なかっただけなのに、B軍の損害量はA軍の2倍にもなっています。

二つの法則は経営にどう生きるか?

2つの法則についておよそ理解頂けたでしょうか?数字ばかりがでてきて少々わかりにくかったでしょうか?
簡単にまとめますと、自軍が兵力も豊富で兵器も最新のものを保有した軍隊、 つまり『強者』であれば、第二法則にのっとった戦い方をするのが圧倒的に有利であり、 一方、兵力に乏しく、兵器も限られている軍隊、つまり『弱者』はそういう戦い方は絶対に避けなければならず、 『弱者』が『強者』に対抗するためには第一法則にのっとった戦い方をしなければならないということです。
こでいう『強者』とは、全国展開をしていて、広い媒体に数多くの広告を出し、従業員を多数かかえている大手企業がそれにあたります。 一方、ここを読んで頂いているような、中小企業のオーナーさんは大変失礼ながら『弱者』にあたります。

いかがでしょうか、そうです、『弱者』が『強者』に対して、同様の手法を用いて戦いを挑んでも勝ち目がないことはランチェスターの法則上、明白なのです
貴社が大手に対抗しうる唯一の方法は、ランチェスターの第一法則にのっとった戦い方をすることなのです。