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その7.知っ得!助成金情報(4)

こんにちは、社会保険労務士の吉田です。

さて、前回までは正社員の方々に利用できる助成金について説明しましたが、今回からは、有期契約の労働者の方々に利用できるキャリアアップ助成金について説明していきたいと思います。

キャリアアップ助成金は去年から新設された助成金で、有期契約労働者の労働環境の改善を目的とした助成金です。
今一番、国が力を入れている助成金で、弊所への問い合わせも一番大きい助成金です。もしかしたら事業主の方であれば、名前ぐらいはきいたことがあるかもしれません。

今回はこの中の、正規雇用等転換コースについて説明したいと思います。
これはどういう助成金かと言いますと、有期契約労働者を正社員に転換した場合にもらえる助成金です。
去年までは、1人当たり40万円だったのですが、今年は1人当たり50万円に金額がアップされています。

労働者を新たに雇用する場合、最初は様子見のため数ヶ月間の試用期間を設けている会社が大半かと思います。試用期間の間は、専門用語でいうところの「解約権留保付雇用契約」となり(難しい言葉ですね...)、つまり、きちんと仕事をしてもらえないなど、勤務態度に問題がある場合、通常よりも解雇がしやすくなるのですが、解雇は解雇に違いありませんので、色々と難しい問題がやはり生じてしまいます。 そこで、最初の雇用契約を6ヶ月なり、1年なりの有期契約としておき、勤務態度に問題がなく、正社員にしてもよいと判断できる従業員に限り、筆記試験や、面接を行い、適正と判断されれば正社員にするという制度を設けておきます。そして、その制度に基づいて有期契約社員を正社員に転換した場合、50万円が受給できます。

注意しなければならないのは、あくまでも有期契約であり、試用期間とは異なるということです。最初から正社員にすることを前提としておきながら、助成金欲しさに、正社員にすべきスタッフを、あえて有期契約にしておくというのは、NGとされます。
また、新卒者の場合などは、最初の契約を有期契約などにしてしまいますと、優秀な人材の獲得を逃すことにもなりますし、学校からの推薦なども拒否されますので、この制度は、中途採用者などに利用するのがベストかと思います。

あと、注意しないといけない点が数点あり、事業所が社会保険の適用事業所である場合、正社員に転換したスタッフで、社保加入要件に該当する方は必ず社保に加入させること。や、就業規則等に有期契約労働者を正社員にする制度についてきちんと記載しておくこと。や、正社員転換後半年間きちんと賃金を支払った場合のみ助成金の申請が可能など、です。

しかしながら、中途採用での雇用を検討されている事業主にとっては、かなり有用な助成金だと思います。
あと、この助成金にプラスして、次回にご紹介する人材育成コースを併用した場合、従業員1人当たり約80万円もの助成金を受給することが可能になります!
では、続きはまた次回で。