−鍼治療による障害のリスク− |
鍼治療のwikipediaを見てたら気になったので解説してみました。 それは鍼治療の際の治療過誤について。 当然普通にありますが記事にあった某プロ野球選手(投手)の「鍼治療のせいで長胸神経麻痺になった」という主張は鍼師の立場から否定させて頂きます。 鍼治療においての起こり得る治療過誤で最も多いのは胸部への治療時の肺気胸と肋間神経痛。 他にも危険のある部位(禁鍼部位)や深さ(禁鍼深度)、通常オッケーでも駄目なケース等もありますが当然鍼師はそれこそ学生時から健康に問題を起こさないように叩きこまれます。 そんな中神経に対する鍼施術が禁止されているかというと全然逆で神経痛や神経鈍麻、運動麻痺等に対しては普通に狙います。 私独自の考えではなく全鍼師がそうです。(あててんのよ!) 普通にやっていることなのに治療過誤の報告が私の知る限り全く聞きませんし、鍼灸按摩等東洋医術は経験医術ですので成功例も失敗例も必ず伝承されます。 ネット時代の現在なら尚更です。 因みに前述の人とは別人ですが同じチームのもっと年上の選手(投手)が右大胸筋に対してのパルス鍼治療後に肺気胸を起こしてしまったのは同業者でも有名ですので事実のようですが; これも電気を流すと筋肉が動いて打った鍼が進むことがあるので深くなっても良いようにかなり斜めに打つものなんですが対策が甘かったのでしょう。 どれだけ注意しても治療過誤の可能性がゼロと言うことはあり得ませんがそれ気にしだしたら病院もそうですしね。 そうそう、たまに聞かれるので追記。 禁鍼部位で通常は良いけど駄目なケースとしては妊婦さん。 安定期に入ればマッサージ、あん摩治療は腹臥位を避ければ普通に出来ますが、肩上部の鍼治療は妊婦さんに対しては「肩井」という経穴が禁鍼部位になっています。 (子宮収縮を促すので下手したら流産する) 場所が遠く関係なさそうに思えても駄目な場合もあるので気軽に問い合わせて下さい。 他に鍼の深さによる禁鍼部位としては後頸部中央の「?(あ)門」という経穴は4.5p以上の刺入は厳禁です。 (延髄に当たってしますから) 後は当然ですが眼、心臓、肝臓、肺(前述しましたが肋膜を抜くと気胸を起こすので)が禁鍼部位になります。 当然これら「やってはいけないこと」は鍼師は徹底しておりますのでもしも不安があらば来院される前に電話やメールででも問い合わせて下さい。 また治療開始前、治療中でも気軽に聞いて下さいませ。 |