−キネシオテープの貼り方−
 
ここではキネシオテープの自分への貼り方を細かく二例ほど説明します。
医療現場やスポーツの現場ではいろいろ貼り方をされているところもありましょうが、これは私が勤めていた鍼灸接骨院のやり方で概ねキネシオテープの考案者が出している教本にも則した方法ですので信用していただいて良いかと思います。
ただし自己治療ですのであくまで自己責任でお願いします。



まず、今現在「キネシオテックス」という商品自体は無くなっているので各社から類似商品が出ていますが大体が「キネシオロジーテープ」とか「筋肉保護テープ」とか書かれているものです。
(画像は私が使っている「ニトリート」、「さくらテープ」等もそう)

ここで気をつけなければいけないのはこれらを貼るのも「テーピング」ですがテーピングと言って一番一般的な固定を目的としたものではなく、これは物理療法テープです。
つまり貼ることで可動を制限するものではなく可動中の保護や血流、リンパ流を促進する「貼って動いてなんぼ」ですのでお間違えの無きように。
それと同じ物療テープでもスパイラルテープとは具体的目的も貼り方も微妙に違いますのでそこも同一視しないようにお願いします。

さてキネシオとは何ぞやというと、筋肉の伸長を貼ることで制限し筋肉を守る・・・とありますが、実際多く用いられている理由としては前述した後者の方、筋肉の運動を利用して皮膚を持ち上げるような運動をつけて血液、リンパの流れを促進し、疲労しにくくしたり痛みを軽減したりするためです。
その辺がスポーツ選手にウケている訳ですが専門の人にいちいち貼ってもらうのも普段から使用するには非効率的ですから自分で正しく貼れるようになりたいですのね。

結構使っている人の中では常識的なことだと思うのですが時々間違った貼り方をしている人を見かけますので自分を使って解説
(汚い脚で申し訳ない)、またスポーツ選手自身で貼ることを考慮してなるべく専門用語を使わないように書いていきます。


まず貼り方のコツは二つ。


1) 貼る対象の筋肉を伸ばして貼る。
2) 貼る時テープを絶対引っ張らずに貼る。

この2点さえ守っていれば伸ばした筋肉を戻した時にテープにシワが出来ているはずです。
正しい貼り方をしていてもあまりシワが出来ないこともありますが基本を抑えていればOKです。
1)の方をおろそかにしても効果が薄いだけですが、特に2)の方を引っ張って貼ってしまうと動いている内にほぼ確実に剥がれてきますので気をつけてください。
後これは絶対にと言うわけではありませんが特に手足が対象の場合基本的にキネシオは
筋肉の中央ではなく際に狙って貼ります。
つまり筋肉の盛り上がりにではなく盛り上がりと平らな部分の境目に沿うようにして貼るということです。


それではここからは具体的な貼り方へ。

(例1)膝痛やその予防のためのキネシオテープの貼り方。

膝痛のキネシオは膝を伸ばす筋肉から膝のお皿の際を内外から沿うようにして貼ります。

その前にまず下準備。
貼る部分の筋肉や皮膚を伸ばした状態で貼るわけですからまず貼る部分を伸ばして長さを測り心持ち長めに切ります。
(下手にケチって届かないと張り直す羽目になり余程勿体ないので)
上のように5p幅だと筋肉等に合わせて途中から二股に切っておいても良いし完全に切り離して別々に貼っても良いですね。

ここからいよいよ貼るわけですが、その前にもう一工夫。


私に左膝です。
(汚くてごめry

膝のお皿の四方の角に赤い印が付けてあります。
膝痛は膝のお皿(膝蓋骨)の周りに貼るわけですがこの部分を引っ張り伸ばす
(膝関節最大屈曲位)にするとお皿の際が分かり難いので膝を伸ばした状態(膝を伸ばす筋肉自体は収縮)で画像のようにあらかじめ印を付けておきます。
(私の場合は職業柄灸点鉛筆を使いましたが自分ですのでチャコペンでもマジックでも何でも良いです)


で、膝を曲げると(伸ばす筋肉を引き延ばす)・・・ほら印を付けておかないと分からない^^;

ここでようやく貼り始めるわけですが意外と知られていないテープを台紙から剥がして貼る時のコツ。


端から剥がすのではなく画像のようにテープを引っ張りながら台紙を破ると簡単に剥がせます。
(今回は膝関節でテープを二股に切っているので二股の部分で破っても良い)
で、この剥がした部分を先に膝の貼り始める部分に残りの台紙をそのままにしてまず貼ります。


今回は途中から二股にしますのでそこまで貼って二股を片方ずつ貼ります。
もちろん台紙をちぎって、まだ貼っていない部分は残し片方ずつ貼っていきます。
キネシオは一度貼って剥がすと極端に粘着力が落ちますので一発勝負。
張り直しが起きないように台紙は貼る直前まで付けておきます。


この場合は外側からですので、外側の台紙を一気に剥がし先端を指にひっつけて持ちます。
そしてお皿の外側の縁を先程付けておいた印を目安にして一番下までテープを引っ張らないように注意しながらやんわりと置いていくようにお皿の中央下の際を通るように貼ります。
この時点ではまだテープを置いただけに近いので多少の張り直しは利きますが出来るだけ一発で。
もしテープが余ったらそのまま下へ流して貼っても切ってもどちらでも良いです。

最後に今貼った部分全体をしっかりとなぞって本格的に貼り付けます。

内側も同じように台紙を剥がし印を目処に貼っていきます。

最後は先程の外側の終点、お皿の下の中央を通るようにして外側のキネシオに被せて貼ります。
こっちも引っ張らないようにやんわり置いていくような感じで場所を決め最後に本貼りを忘れずに。
外側と同じ事なのです内外でどちらかが少しでも引っ張れて貼れていると貼り終わって動いた時に片方だけ引っ張られるような変な違和感が出ますので内外で同じように貼るようにしてください。


出来ました^^
この時テープに浮いている部分がないか再度確認、もしあればしっかりと貼り付けてください。

これで膝を元に戻すと・・・

シワシワw
が、それが(・∀・)イイ!!

このシワがしっかり貼れている証拠です。
膝関節のように皮膚の動きのかなり大きい場所でシワが全然出来ないようでは失敗。
というか、ほぼ確実に走っている内に剥がれてきます><

これだって私は普段は下から貼っているのでちょっと失敗しているんですけどね^^;
まぁ、これくらい貼れていれば少々の汗や雨では剥がれませんので安心です。
ちゃんと貼れていればお風呂に入っても取れませんから。


(例2)ふくらはぎのキネシオテープの貼り方

腓返りなんて言葉があるくらい痙攣したり痛みが出たりと、脚の中では膝と並んで厄介さんな脹ら脛もついでに載せときます。
基本は同じなのでこっちはチャッチャとw

脹ら脛はアキレス腱から別れて脹ら脛の高まりを内外から挟むように貼ります。
(また汚い脚でry

今回もアキレス腱から筋肉の内外の際を力を入れたり抜いたり確認しながら印を付けます。
(脹ら脛は膝ほど分かり難くないので自信が有れば印無しでもいい)


脹ら脛(下腿三頭筋)はつま先を下げる筋肉ですから貼る時は当然これを引っ張り伸ばすのでつま先を逆に上げます。
今回はかなりテープの真ん中寄りで二股にしていますので二股になっているところでテープ引っ張って台紙を破り、まずアキレス腱側をさっきと同じ要領で貼ります。

続いて二股部分。
今回は内側からやってますが、これも台紙を残しながら片方ずつ。


脹ら脛は自分で貼る場合外側が見難いですが筋肉の高まりを触りながら多少ずれてもいいやくらいの気持ちで一気に。


完成^^
最後の本貼りは忘れずに。

足関節を中間位〜伸展位にすると・・・

こっちはアキレス腱にシワが出来る程度ですがしっかり際にやんわり(どっちやねんw)貼れていればこれくらいでも十分効果はあります。
尚、一番下は踵にかけて貼るよう書いている本もありますが私はシューズの中の感覚が気になるのでこの辺からにしています。
貼ってから思ったけど、それでももう少し下からでも良かったですね^^;


さて、私の汚い脚で本当に恐縮ですがこの方が自分で貼る視点で良いかと思いあえて自分をモデルにしました。いかがだったでしょうか?

貼るのが苦手だった人も大変有用なテープですのでレースに練習にガンガン貼ってみて効果を試してみてください。

では( ̄ー ̄)ノシ