−カーボローディング解説− |
余所で解説する機会があり意外と好評だったのでったのでこちらにも転載。
(専門ではありませんが理屈的には生理学の問題なので) ちと長文になりますので既にご存じの方興味の無い方はスルーしてください(汗 カーボローディングとは一言で言うとグリコーゲンの貯蔵量を一時的に高めようという考え方です。 ではグリコーゲンとは何ぞや?と言うと我々は普段血中ブドウ糖(いわゆる血糖)を燃料に活動していますが、それを貯蓄する第一段階がグリコーゲンです。 食事を取って上がりすぎた血糖(大体血糖値140〜くらい)をインスリンが下げてくれるのは有名ですが(これが出にくくなるのが糖尿病)ではその下がった血糖がどうなるのかというと肝臓でこのグリコーゲンに合成されて貯蔵されます。 逆に摂取カロリー不足や運動によって血糖が下がった時(〜70)インスリンと対をなすグルカゴンが分泌されグリコーゲンが分解され血糖を上昇させます。 ただし、このグリコーゲンと血糖のやりとりは即応性はあるものの貯蔵量自体はしれていて肝臓の重量の大体10%未満とそれ程多くはなく余ったカロリーの貯蔵の主力はあくまで脂肪です。 お金で例えると直ぐ使える血糖が財布のお金、脂肪が貯金とするならばグリコーゲンは現金で持っているヘソクリみたいなものです。 で、カーボローディングというのはこの即応性のあるヘソクリの上限を一時的に増やそうとするものです。 緩やかに行うなら数日総摂取カロリーの内の糖質の割合を増やすだけで良いですが、より効率をあげるために、あえて糖質を抜き意図的にグリコーゲンの貯蔵量を下げます。 そうしてグリコーゲン量を下げることにより身体がグリコーゲンを貯蔵しなければならない状態(一時的貯蔵ブースト)にし、そこで改めて糖質主体の食事に切り替えることでブースト状態に乗じて貯蔵量を上乗せする。 (無酸素運動による中途半端なダイエットが返って体重増加を引き起こすのも同じ理屈w) 我々の身体のあらゆる生理機能は基本恒常性を保持するように出来ていますのであくまで一時的なものですがこの一時的グリコーゲン増加を運動に利用しようというのがカーボローディングです。 ただし運動しながらの極端なカーボローディングは低血糖を起こす危険性があため注意が必要ですが。 まぁインスリン注射の事故でもなし即卒倒というのは考えにくいですけどね。 そして、いよいよその効果ですが・・・ 私も実践していて何ですが長距離走のような長時間運動においてどれくらい有効かというと正直気休め程度かと思います。 前述のようにグリコーゲンは血糖が下がってきた時にまず即応的に分解されるため、これを増やすことで運動初期から有酸素運動へ移行してしばらくは有効でしょう。 しかしグリコーゲンの貯蔵量自体はしれている(カロリーにして600calくらい)ので例え全部分解したとしてマラソンなら10qくらいしか保ちません。 ですから理屈的には走り出して血糖が下がりきった後、通常よりしばらく保ちがいいというところでしょうか。 貯蔵量が増えていてもフルマラソン後半など使い切っちゃった後は同じですしね。 ウルトラマラソンみたいな途中で糖分が摂取できる場合もほぼ意味を成さなくなりますし、逆に短い距離ならスタート前に取った消化器内の摂取カロリー内で足りてしまいます。 故にハーフマラソン、マラソンでもある程度は有効でしょうが最も効力を発揮するのはカロリーを途中で摂取出来ず、激しい運動を断続的な運動のが適しているかも知れませんね。 (サッカーとかボクシングとか) ですが私的にはやった時の方が走り出して20qくらいはかなり楽なような気がしてはいますのでここぞという時は実践しています。 それにしたって前段階から含む食事制限とカロリーコントロールによる恩恵であることは否定できませんが。 まぁ気休めであれブラシーボ効果であれ身体に害が無く結果が良ければいいのです^^ 健康リスクの高い長時間運動においては、「奥の手」といった意味合いよりあくまで自己管理が大事ですから。 長文失礼しました(o*。_。)oペコッ |