日本海から白馬岳日帰り


【登山日】H18.9.29
【コース】日本海(糸魚川)(4:40)→平岩(5:50〜6:03)→木地屋(6:50)→白池(7:50)→蓮華温泉(9:08〜9:16)
      →天狗の庭(10:22)→白馬大池(11:11)→小蓮華岳(12:18)→白馬岳(13:15〜13:25)
      →小蓮華(14:06)→白馬大池(14:57)→蓮華温泉(16:18〜16:29)→平岩(17:19)→日本海(18:07)
【自転車】丸石エンペラー ツーリングマスター2003モデル


 以前行った日本海から剱岳日帰りは、とても印象深い山行だった。こんなに海から近い3000m級の山は他にないのではないかと思っていたが、ある日地図を眺めていたら白馬岳も意外に海から近いことに気がついた。それから約2年、日本海から白馬岳日帰りは僕にとって課題の一つだったが、今回ようやくチャンスを得て実行することができた。

 剱岳と白馬岳の場合、標高は似たようなものだが、内容がかなり異なる。まず自転車で走る距離は、剱岳の場合は馬場島まで距離29km、標高差750mであるに対し、白馬岳の場合は蓮華温泉まで距離43km、標高差1470m(最高点1530m)となる。逆に山登りに関しては、剱岳の場合、標高差2250m、白馬岳の場合、標高差1460mとなる。つまり、自転車と山登りの比率が標高で比較すると剱岳の場合1:3なのに対し、白馬岳の場合1:1となり、自転車の比率が高いことがわかる。

 また、馬場島までの登りは川沿いのゆるやかな登りであるのに対し、蓮華温泉は山岳道路でつづら折れの急坂が続くという違いがある。あと、標高は剱岳2999mに対し、白馬岳は2932mとやや低いものの、アップダウンがあるので累積標高差は約3300mと逆に上回る。しかし、登山道は白馬岳の方が緩い登りとなる。

 以上のような特徴を踏まえると、今回は自転車がポイントであるといえる。このため、前回は皮製登山靴を自転車に積んでいったが、今回はローカットのハイキングシューズを履いていくことで軽量化を図ることにした。その際、トゥークリップが合わなかったので、やや大きめのものに付け替えた。

 前日、自転車を輪行してサンダーバードに載せ、富山で北越に乗り換えて糸魚川に到着。大阪から5時間もかかったが、車で行くよりは楽である。出発地の下見をして、駅前のビジネスホテルにチェックイン。当初、ホテルのロビーに荷物を預けて3:00〜3:30くらいに出発しようと思っていたが、ホテルのロビーでは預かれないと言われ、仕方なく駅のコインロッカーに預けることにした。しかし、駅は4:30からしか開いていないので、出発時刻を遅らせなければならなかった。

 翌朝、4:30出発。比較的良く眠れた。まずはスタート地点である、国道148号線の終点、日本海へと移動して、4:40に出発。国道148号線は早朝ながら結構トラックが多い。狭い覆道やトンネルが多くて結構びびる。今回は点滅式赤色LEDを取り付けたおかげで、安全性は高まった。標高270mの平岩までは緩い登り坂で、フロントギアはセンターで十分だった。平岩駅で朝ご飯を食べる。駅の自動放送で熊出没の情報を聞いてちょっとビビり、熊鈴をつけて自転車を漕ぐことにする。

 平岩を過ぎると、いきなり急坂が始まる。先は長いので無理せずのんびり登っていく。つづら折れの急坂を登りきって少し下ると大所部落。さらにゆるやかに登っていくと、木地屋集落(標高550m)。ここから白池(標高1100m)までがきつい。思ったほどの激坂はなかったが、10%以上の坂が延々と続くので楽ではない。途中に工事のためダート区間があり、タイヤが空転して大変だった。白池からはいったん坂は緩やかになり、ヒワ平で朝日岳とご対面である。未だに残雪をかぶったまま紅葉が始まっていた。

 
つづら折れを登る                              白池(標高1100m)

 
夢見平(標高1360m)                            白馬大池


 ヒワ平からはまた急坂となり、やがて小さなアップダウンを経て標高1530mまで登りきると、道は下り坂になり、あっという間に蓮華温泉に到着。ここまで4時間半(正味3:44)もかかってしまった。自転車をデポして、水筒に水を1.5Lほど詰めて9:16に登山開始。遅い登山開始である。
 
 荷物は軽いのだが、疲れているのかお腹のアンコが重いからなのか、どうも軽快に登れない。白馬大池には11:11に到着。一面にチングルマの紅葉が広がっている。既に辺りはガスに包まれようとしていた。予想より天気が悪い。展望がないと、精神的な喜びがないため、疲れを感じやすい。ただ延々と登るだけである。小蓮華にいたるまで、数度偽ピークにだまされながら、小蓮華には12:18に到着。本当はここで白馬岳とご対面なのであるが、ガスって何も見えない。山頂が近づいてくると、膝を使いすぎたせいか膝が痛くなり始めた。13:15、出発から8時間25分、ようやく海抜0mから白馬岳山頂に到着した。富山側はガスが少なく、旭岳が見えたのが慰めであった。

 
チングルマの紅葉                              まもなく山頂

 
唯一見えた旭岳                               ナナカマドの紅葉(標高2200m付近)


 山頂で膝用サポーター「ひざかんたん」を装着する。腹ごしらえをして、13:25に下山開始。膝に不安があるので、あまり飛ばせない。でもあまり遅くなると暗くなるので、それなりに急ぐ。小蓮華への登り返しが意外に辛い。白馬大池からの下りは濡れた石が多いので滑らないように注意する。腕時計の高度計の針が下がるのだけを楽しみにしながら、16:18に蓮華温泉到着。

 ここから再び自転車にまたがる。まずいきなり60mほど登り返してから下り坂になる。下っていくにつれ、濃いガスの中に突入した。視界が悪いうえに、メガネに結露して余計に見づらい。急坂でカーブが多いので、速度を落とさざるを得ない。ブレーキの甘いランドナーには辛い道である。途中でメガネを拭いて、さらに下っていくとようやくガスの下に抜け、あとは快適に下っていく。大所のつづら折れを過ぎると、ほぼ直線の下りとなり、ここで最高速64km/hを記録した。

 平岩からはまた交通量の多い148号線を行く。緩い下り坂を30〜40km/hのペースで下っていく。路肩が狭いのであまり安全な道ではない。18:07にようやく日本海に到達。出発から13時間27分を要した。辺りはもう暗く、海の向こうの空がほんのり赤く染まっている程度であった。

<データ>
自転車登り:4:28(正味3:44) 平均11.9km/h
登山 登り:3:59 下り:2:53
自転車下り:1:38(正味1:35)平均27.6km/h
登りトータル 8:35 下りトータル 4:42

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