日本海から妙高山日帰り


【日時】平成23年9月16日
【使用自転車】BASSO REEF 2007
【コースタイム】
06:37日本海 08:32関山 09:32燕温泉着 09:57燕温泉発 11:24天狗堂 11:30光善寺池 12:00鎖場 12:21山頂着 12:46山頂発 13:21長助池 14:22大倉沢 14:50燕温泉着 15:05燕温泉発 16:23日本海



 日本海から妙高山への日帰りは以前より行きたいと思っていたコースだった。比較的海から近くて適度な標高、個性的な面白い火山、そして登ったことがない山というのが行きたい理由だった。しかし、3年前から計画していたのだが、諸般の事情により実行できずにいた。そして今回、チャンスを得て、ようやく実行することができた。

 海抜0mからの山登りは過去に剱岳、白馬岳、富士山、白山と行ってきたが、それらに比べて妙高山は標高2454mと最も低く、一番ハードルは低い。しかし、前回2007年の白山以来まともな山登りは一切やっておらず、4年間ものブランクがあるので不安があった。そのためトレーニングがてら先週の土曜に六甲最高峰往復、日曜にザックを積んだReefで一軒茶屋へ登ったわけだが、それでも行動時間は3時間程度であり、一日コースに耐えられるか心配だった。

 決行は9/16(金)にした。前日木曜の晩に最寄駅で初のロードバイク輪行を行い、大阪駅まで移動する。車窓から夜の街を眺めていると、本当に行けるのだろうかと心配になってきた。家族の風邪の影響で体調にも一抹の不安がある。それでもここまで来たら行くしかない。楽しんで来よう。大阪駅には早めに到着し、ホームでロング缶を1本空けてほろ酔い気分で急行「きたぐに」に乗り込んだ。自転車の置き場所が少し心配だったが、一番に入ったので荷物置き場をしっかり確保できた。あとは寝るだけだ。


(左)きたぐに号  (右)B寝台上段


(左)荷物置き場 (右)直江津駅に到着

 B寝台の下段を取りたかったが、満席のため揺れやすい上段になってしまった。そのためか電車の揺れで何度も目を覚ましたが、概ねよく眠れたと思う。到着20分前に車掌さんに起こされて急いで下車準備。顔を洗って5:56直江津到着。約10年振りにこの駅に降り立ったが、改装されていてすっかり駅が変わっていた。さっそく自転車を組み立てて、不要な荷物をコインロッカーに預け、とりあえず海まで移動。船見公園で日本海を眺めた後、6:37に出発した。今までで最も遅い出発なので、時間的な余裕はあまりない。

 
(左)直江津駅を出発  (右)日本海を出発

 まずはR350からR18へ。R18は産業道路で信号が少なくて快適だった。しかし、その分インターチェンジが多く、少し気を遣う。とはいえ関西に比べればクルマも少なく路肩も広いので走りやすい。やがて右前方に目指す妙高山と火打山が見えてきた。天気はおおむね晴れているが、下り坂なのでいつまでもつだろうか?食料の買い出しをしたいのだが、R18は全然コンビニがない。20qほど走ってようやくコンビニ発見。買い出し&朝食休憩を取る。妙高山はだんだん大きくなってきて、やがて少しずつ上り坂になってきた。2〜3%程度のダラダラとした坂をインナーで登っていく。関山まで登ってきたら、知らない間に標高450mほど登っていて驚いた。最終コンビニでデカビタCを補給して関山温泉への本格的な登りに入っていく。森の中の1本道を進んでいくと、妙高山が目の前に見えてくる。勾配は5〜9%程度だが、足に負担をかけないように軽いギアでで登る。やがてゴルフ場に差し掛かると視界が開け、妙高山が目の前に大きい。実に素晴らしい山だ。登頂意欲をそそられる。気持ちよく登っていくが、勾配はきつくなり12〜15%位になった。さらに路面はコンクリート舗装に溝が刻んである道に変わり、まるで石畳みたいになってきた。アイスバーン対策なのだろうが、転がり抵抗が増して登りにくい。気温も上昇して暑くなってきた。早朝オンリーな男なので、この暑さには慣れていない。さらに荷物が重いのと、体調もイマイチなせいなのか、メチャしんどくなってきた。思わず斜行してしまう。フラフラになって何とか関山温泉に到着し、たまらず本日3回目の休憩。手ごわい坂だった。気合を入れて再出発したが、その後は斜度もやや緩み、トンネル内の涼しさで少し復活。9:32にようやく燕温泉(標高1100m)へ到着した。

 
(左)前方に妙高山と火打山が見えてくる  (右)関山からの登り序盤は森の中

 
(左)ゴルフ場からは妙高山が大きい (右)燕温泉に到着

 温泉街の中は自転車を押して歩き、登山口に自転車をデポ。ここでズボンと靴を履きかえてザックのパッキングを行い登山開始は9:57。予定よりやや遅い出発となった。こんな時間から登る人はいないだろう。登りは燕登山道から登ることにする。長々とコンクリート舗装の道が続いて味気ないのだが、効率よく高度を上げられた。時折見える妙高山の山頂は鋭く尖っていてかっこいい。右側は結構な崖となっており、高度感満点だった。やがて赤倉温泉の元湯管理小屋に到着。源泉を飲んでみたのだが、意外なくらいおいしかった。硫黄臭いのかと思ったが全然そんなことはなく、冷たくておいしい。

 
(左)登山口からすぐの所から望む妙高山 (右)赤倉温泉源泉

元気をもらって先に進むと滝が見えてきた。称名滝と光明滝は水量は少ないながら見事だった。この手前でようやくコンクリート舗装は終わり、その後は沢沿いに進んでいく。川原が赤茶けた色をしているのに、流れている水は白骨温泉のように白く、錆色の石に白い付着物がついている面白い沢だった。それにしても静かな山だ。平日でシーズン的にも中途半端で時間も遅いからだろう。途中まで誰にも会わなかった。

 
(左)妙高が大きくなってくる  (右)称名滝と光明滝

 
(左)面白い沢 (右)数少ない花

やがて登山道は急斜面になり、しんどくなってきた。ここは無理をせずに歩幅を小さくしてリズミカルに登っていく。やがて尾根に乗越してしばらく進むと天狗堂。ここからは緩やかな登りとなり、光善寺池に到着。ここで団体さんとすれ違いのため小休止。淡々と登っていくと左側には黒姫山や戸隠方面の山が見えてくる。標高2,300m付近の鎖場はこのコース一番の難所と書いていたが、ステップがしっかりと岩場に切ってあるので鎖がなくても登れる程度だった。振り返ると野尻湖が見えている。やがて火山特有の黒い巨岩がごろごろする道に変わり、12:21に山頂。やったー!

 
(左)胸突き八丁 (右)天狗堂

 
(左)光善寺池 (右)野尻湖

 
(左)鎖場 (右)山頂直下

天気はもってくれて、北アルプス方面は白馬、立山、剱しか見えなかったが、火打山と焼山が見事だった。山頂の空気は爽やかでとても気持ちが良かった。所用時間は2時間24分と予想よりも早かった。時間がかかるようなら燕登山道を引き返そうと思っていたが、これなら燕新道経由で下山できそうだ。海抜0mから登り切ったという感慨はなかったが、初めての山に登った嬉しさはあった。特にこの山域は火山マニアの心をくすぐる山が多く、展望は満足できるものだった。南峰は小休止程度にして、北峰でのんびり昼食を食べながら絶景を堪能した。

 
(左)南峰到着 (右)戸隠方面

 
(左)北アルプス(白馬、立山、剱) (右)南峰〜北峰の巨岩

 
(左)北峰山頂(三角点はこちら) (右)火打と焼山が素晴らしい

 12:46下山開始。帰りは燕新道コースを歩くことにする。いきなり急な下り坂が続き、ストックと手を使いながら足に負担をかけないように下っていく。展望はなく、淡々とした下り。やがて斜度が緩くなり、大倉乗越との分岐点を過ぎてしばらく行くとフラットな道になり、長助池に到着。外輪山に囲まれた静かな池塘だった。見上げると妙高山にはガスがかかり始めている。それから特徴のない緩やかな道が延々と続き、長いなぁと感じる頃にようやく黄金水に到着。この水はマジでうまかった。冷たくて生き返る。振り返ると時々木々の隙間から妙高山が見えていた。やがて急な下りに差し掛かり、沢音が近づいてきて大倉沢に到着。この付近は少し道が分かりにくかった。麻平まではアップダウンがあって時間がかかった。最後の急な下りを終えると吊り橋が現れる。あとは林道を下ると登山口到着(14:50)。下りは2:04かかった。

 
(左)長助池 (右)長助池から見上げた妙高

 
(左)黄金清水はマジでうまかった  (右)振り返ると妙高山が

 
(左)大倉沢 (右)ようやく吊り橋が見えてきた

 登山口で再びレーパン&SPDシューズに履き替えて、パッキングをやり直して15:05に下山開始。関山温泉からは登りに苦労した石畳の下りとなるが、これが大変だった。スピードを落として下ったのに、ものすごい振動。手だけではなく、足まで痺れてきた。Reefの振動吸収能力をはるかに超えているようで、フロントタイヤが踊っていた。ゴルフ場からは普通の路面になり、あとは快適走行。ほぼ直線の道なので、ものすごいスピードが出た。あっという間にR18まで到着。その後も緩い下りを40q/h以上のペースで巡航していたが、やがて勾配は緩くなりペースが落ちる。だんだん暑くなってきてボトルの水もなくなってきたので、自販機を見つけて休憩。再スタート後も腹が減ってきたので、走りながらフロントバッグに入れていたメロンパンを食べる。あとは淡々と走って16:23に日本海に到着。所要時間は9:46だった。今までで一番短い行動時間だった。

 
(左)ついに日本海到着! (右)ビールがうまい

 浜辺で写真撮影をして直江津駅へ引き返す。予定より早く着いたので1本前の特急に乗ることができた。特急を2本乗り継いで5時間かけて大阪へ到着。24時間弱の楽しい日帰り山行だった。いい山だったな、妙高山。

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