友よ

     

牛の手綱をとり畦道を歩いた日
     
トンボが飛び回り
     
干した稲の匂いに満ちていた
     
家々は家畜を飼い糞や枯葉を土に返し
     
繰り返される時がゆっくりと進んだ

     

囲炉裏端で飲みながら語らう祖父たち
     
子牛の値段
     
組合の話
     
口を開けて待っているツバクロ(つばめ)のこと
     
うとうとと聞きつづけていた子供のころ

時代は驚きの連続だった
     
高度成長と希望に溢れ出会いすれ違った日々

     

帯屋町の雑踏をぬけ
     
喫茶店で語りあった若き詩人の卵たち
     
夜の体育館でバトミントンのシャトルを飛ばし
     
疲れを笑い飛ばしていた若者たち

     

あれから長い年月がたち
    
ぬけるような青空と太平洋の青が懐かしい
     
南国の気まぐれな風のように
     
台風のように駆けめぐった日々

     

こころ
     
元気でしょうか

     

懐かしい日の若さと勇気に
     
元気をもらいながら生きています