思い出 変色した薄っぺらの詩集や文芸誌 高校生活を記念した自費出版やクラブ活動の思い出だった 歳月と同じように古ぼけ破れかけている 隣の席の女の子が書いた そんな詩や文章があふれていた ページをめくればどきどきする 演芸部で熱演したり 体育館で剣道をしたり 休みの日には海の見える畑を耕している そんな友達たちのつぶやき 日常の日々のできごとや想い 夢見る頃の思い出があり 屈折を書き連ねた日々がある 可愛い後輩がベトナムを描いた言葉に心を打たれる みんなどんな大人になったのだろう あのころは何に期待して生きていただろう 子供の青春を見ながら自問をする 私はあのころ体育館の裏で無心に弓を射ていた 若き教師達も青春を謳歌し活気に満ちていた いくつかのロマンスを保護者のような気分で見ていた気がする あの時代の言葉は封印するほうがよい 大人になればきはずかしい そんな夢を抱いていたような気がする それでも勇気が欲しいときは手に取っている 壊れそうなページの間から希望が見える気がする
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