別離
        
     
         
    あなたは空
         
    あれこれ憶測する雲

         

    わたしは舟
         
    接点を探して海に漕ぎだした

         

    青と藍のまじわりは何処にもなく
         
    飛び跳ねる青魚ばかり

         

    打ち揚げられ環状線の棚に忘れられたわたし
         
    手にとって見ようともしないあなたは未来
         
    待ちわびるわたしは過去
         
    余りの重さに壺を割ったのはわたし
         
    投げろ
         
    と言ったのはだれ

         

    接着剤があると考えることさえできなかった朝
         
    ひび割れはさわやかな痛み
         
    あの朝からひび割れ続け小さな破片になり
         
    波に洗われた破片は輝きはじめた
        
    灰色の 三月の空

        

    騒ぎまわる鳥の名を知らない
        
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