ナショナル EA-305レストア 

 

 

 近所のリサイクルショップで、可愛らしい佇まいの真空管ラジオをみつけました。しかも、AM放送受信するとのこと。その時は“ま〜いいか”と素通りしたものの、どうも気になったので数日後再び店に行き、購入。“一点モノで気になったらできれば買う”というのが私のモットーのひとつ。(買わずに後悔することも度々ありますが・・・)

 一応受信はするものの、安心して鳴らしていきたいのでレストアをすることに。さて、結果は・・・?

 

●買ったラジオとは・・・

←買った真空管ラジオを正面からの図と、裏蓋を外した図です。

 ナショナル製の、EA-305というラジオです。見たところ、使われている球はMT管のみなので、真空管ラジオとしては比較的近代的、たぶん、1960年代初め〜半ば頃のモノではないかと思います。

ん〜。中はけっこう埃だらけでした。。

 トランスレスのMT5球スーパーヘテロダインラジオで、使用してある真空管を確認してみると、12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)というセット。

この種のラジオとしては一般的な組み合わせだそうな。

 

 

●レストア中身編@

とりあえず、ケースからシャシを取り外し、エアーで埃を吹き飛ばしてみました。

ん〜。まあまあだいぶ埃は取れました。

 

パイロットランプへの配線とヒューズへの配線の被覆がボロボロになっています。危険極まりないので張り替えをしました。

 さて、シャシ内部を見渡すと、いかにも怪しい部品を二つほど見つけてしまいました。

端子付近がどうも怪しいケミコンと、発熱してコーティングしてあるロウが溶けてしまったであろうペーパーコン。

 ケース内部には、溶け落ちてしまったロウが残っていました。

 

 

●レストア中身編A

 とりあえず、見るからに怪しい部品は取替えましたが、この際なのでペーパーコンデンサを全て交換することにしました。

←交換前です。(一部交換していますが・・・)

←交換したところです。

  抵抗類は、各部の電圧を測定したところ異常なしだったので、このまま使うことにしました。

  また、バリコンの下にあるブロックコンデンサも、見た目異常なさそうだったのでこのまま使いました。

 

 あと、パイロットランプの豆球が切れていたので交換(6.3V/0.15Aです)し、電源コードを一応交換、短くカットされていたアンテナ線も交換して、中身的なレストアは完了としました。

 さて、ここで改めて火入れを・・・

電源を入れてみると、ヒーターの突入電流がハンパない感じで、入れた瞬間ほぼ全ての球のヒーターがやたら明るく光り、その後数秒間の間に徐々に暗くなって安定するという光り方をします。ラジオの動作は異常なさそうですが、なんとなくヒーターがすぐ切れそうな感じがします。

原因は少し悩みましたが、真空管単体でヒーターだけに通電してみても、同じような光り方をするので、真空管自体の問題のようです。なんとなく気になるし、30A5以外は売っているのを見つけたので購入し、交換しました。(サトー電気さんで購入しました)

30A5はどうも見つからなかったのですが、そのまま差し替えて使える球、35C5「ラジオ少年」さんで見つけたので、これと交換しました。

 

 

●レストアキャビネット編

ウグイス色の、プラスチック製のキャビネットです。

試しに、目立たないところを「金属磨きピカール」で磨いてみたら、ツヤが出て綺麗になりそうだったので、ピカールで磨くことにしました。

←キャビネットを分解したところです。

 

←ピカールで磨きました。

 けっこう綺麗になりました。

ダイヤル目盛り板の化粧紙もケント紙で作って貼り替えました。

ダイヤル指示針も磨いて、レール部(摺動部)にグリスを塗っておきました。

組立て直して、キャビネットの修復完了としました。

 

 

●レストア完了です。

元の通りキャビネットに収め、

レストア完了です。

 

 

●なんとはなし写真&雑感

赤く光るパイロットランプがカッコいいです。

 

貼り替えたダイヤル目盛り板の白が白すぎた感が否めない。・・・画用紙よりも厚くて丈夫なのでケント紙を選んだのですが、ケント紙の上から色紙を貼るなどの方法で、淡いクリーム色とかにしたほうがよかったかも知れない。

電源スイッチ兼音量調整ノブ。

音量“小”、“大”が、“SOFT”、“LOUD”と表現してあるあたり、カッコいいです。

 

 

 

 

●古モノレストアメニューへ●