- 目 的
- 仕事で中国・長春で製作中の品物の立会に出張することになった。
長春は、満州国時代は「新京」と改称され、ラストエンペラー・溥儀の舞台。北海道・旭川市と同等の緯度。
【第1日目 2010/8/31(火)晴れ】
- 出 発
同行する人の都合で、火曜日出発・木曜日帰着になり、便利な中国南方航空の「関空−大連経由−長春行きの直行便」が使えなくなり、時間のかかる、朝早いアシアナ航空「関空−仁川(乗換)南方航空・仁川−長春」ルートになった。
朝5時前に起床、朝一番の新快速で三ノ宮に行き、リムジンバスで関空へ。1時間20分前に到着。チェックインはスムースに完了。待ち時間が長い。
- アシアナ航空/OZ119/関西9:30→仁川11:20
飛行機は、エアバスA321-200/3+3席、窓側。
少し遅れて離陸。一応国際線、簡単な機内食が出た…稲荷寿司、ソバ、鶏肉など、不味くは無い(写真左)。日本は晴れだったが日本海にかかると雲が多くなり韓国の上は厚い雲、上空から海に浮かぶ仁川空港が見え、旋回して着陸、早めに到着(11:05)、路面が濡れている。
乗換えなのに、荷物と身体検査がありペットボトルが没収された。乗る前に検査しているのだからしなくても良いのではと思う。ハブ空港を目指す仁川空港はさすがに広い。乗換えるのに時間がかかる。元々2時間待ち、コーヒー店で時間潰すが、更に遅れるとのアナウンス。
- 中国南方航空/CZ688/仁川13:20→長春14:10の予定
結局1時間20分遅れて離陸。 エ アバスA321/3+3席。この便も国際線、機内食がでた…キンピラ(美味しい)、ご飯+肉と野菜の煮物、パン、プチトマト、ご飯があるのにパンも付いている(変、写真右)。コーヒーは、最初からミルク砂糖入り、味は昔飲んだビン入りのコーヒー牛乳。 長春空港(写真)は、国際空港だが小さい。約1時間遅れの15:20着(時差1時間)。快晴だが、涼しい。緯度的には北海道、最高気温25℃、湿度50%程度と最高の季節。
- 道すがら
空港から街まで、高速道路の路肩にはコスモスが咲いており秋の雰囲気。道路の両側は一面トウモロコシ畑、とにかく広い! 道路は片側3車線と広いが何故か埃っぽい。街の周辺部の下町は露店もあったり人が佇んでいたりで懐かしさを感じるが都心との格差を感じさせる。壊れかけたスラム街みたいなところは取り壊されマンションが建設中のようだ。ここも北京同様、建設ラッシュ。都心に入ると、車の多さと、とりわけ役所と学校の建物の立派さが目立つ。
- 偽満皇宮他
予定では14時過ぎに着くので、ラストエンペラー・溥儀が過ごした「偽満皇宮」に行きたいと思っていたが、1時間以上遅れて到着したので、車で1時間程、16:30閉門なので間に合わないとのこと。一応、行って見たが閉まっており、門前で写真を撮っただけ、皇宮は見えず残念。 出口にある土産店を覗いて絵葉書と娘が昔欲しいと言っていた気がする毛沢東のバッチを購入。
※何故「偽満州皇宮」と”偽”が付くのか?…中国は満州国の独立を認めたくないと言う思いから「偽満州国」と称しているようだ。
ホテルに行く途中、市内最大のお寺「護国般若寺」を車窓より見物、大きな観音像が目に入る…車が止められないとのことで素通り。 大通り「人民大街」にある「人民広場」は、フランスの凱旋門のように大きなラウンドアバウトの中にある。
- ホテルにチェックイン
一旦、ホテルにチェックイン…何と30分程かかる。途中で中国人が割り込む、受付嬢もそれを優先、外人は面倒だから後回し? 外見も立派な5つ星ホテルなのに…他も同じらしい。
ホテルと言えば、当初、長春国際会展中心大飯店を予約していたのだが、直前数日前に政府筋から何か展示会があるとのことでキャンセル命令がでたとのこと。一方的に解約された。そこで、訪問先の会社から政府筋に働きかけて5つ星・海航紫荊花飯店を予約したとのこと。これが中国!?
部屋は、サービスで比較的広い部屋を提供してくれた。ツインベッドを隣合せにしてキングサイズのダブルベッド風。5つ星だけあってアメニティは全部揃っている。窓からは隣の高層ビルの税務署と人民大街の通りが見える。 ホテルに荷物を置いて夕食会場へ。
- 夕 食
店名は「福富徳花園酒店」…中に入ると広い庭があり、離れの一室で丸テーブルを関係者11名で囲む。看板に"Sea Food Restaurant"と書かれていたが、全く予想外の料理の数々。海鮮も無いし、中華料理の定番”あんかけ”も無く、ごくごく普通の地味な家庭料理なのだ。 この地方の郷土料理なのだろう。どれと言って不味いわけでもないが、美味しい!と思う料理でもない。 ご飯代わりの肉まんの皮のようなパンが美味しい。締めのラーメンは、延びたうどんみたいに柔らかくて腰の無い白い細麺、刻んだトマトと菜っ葉がのせられ、塩胡椒が効いたスープはマズマズ。 9時過ぎに帰宿。朝早かったので眠たい、10:30(日本時間11:30)に就寝。
- 【第2日目 2010/9/1(水)晴れ】
- 散歩”南湖”
朝、ホテルの近くにある、「南湖」に行きたいと思い早め(6:30)に起床、朝食前に散歩。
もう車と人で混雑が始まっており、道路横断のスリルを味わう…大きな交差点では途切れない多くの車の流れに恐れをなして登校中の中学生と一緒に渡る…早い登校時間だ。 予想以上に遠く20分程かかって南湖大橋に辿り着く。湖畔は公園になっていてジョギングしている人やのんびり魚釣りをしている人がいる。
北京では、”日本の湖”は”中国では海”と聞いていたが、ここでは”湖”…日本の影響か? 大きな湖、橋からはテレビ塔も見える。橋を渡ると、数日前に金正日と胡錦濤主席とが会談した南湖賓館があるらしいが時間が無いのでUターン。
- 朝 食
7:20、ホテルに戻り、朝食。 朝食はバイキング、卵やベーコンなど普通の料理も多くある。中国らしいのは4種類の粥、パンもどきの肉まんの皮など。甘いスイカと酸っぱいリンゴ。何れも美味しい。ウエイトレスが小柄で可愛い子が多い…後で聞くところによると、冬寒く夏暑く四季の変化が激しいので肌が締まって綺麗だとか…日本の秋田美人と同じ感じ?
- 出 勤
8時にホテルを出発、訪問する会社は工業団地に移転しており車で約50分かかった。片側3車線ほどの広めの道路だが車で一杯、右に左に、クラクションを鳴らしながらのジグザグ運転はチョット怖い。初日に交通事故を2件目撃したが、事故が起きても当然の状況である。 また幹線道路は舗装しているが、周辺道路が未舗装なのかホコリが多く、所々デコボコで、泥だらけの車も目立つ、まだ整備中という感じ。
- 会社で初めて中国人相手での仕事
日本の漢字は元来中国から伝来してきたものなので、中国の漢字と同じものや良く似ているものもあるが、簡略化され想像できない文字もある。ハングル文字よりは親しみが湧くが、文章や言葉は全く理解不能。 距離的には近いがコミュニケーション的には遠い国。日本人は、学校での英語教育により遠い欧米の方が親しみ易いというのもおかしな感じ。
一方、中国人というと、拝金主義とか、騙しの民族といった偏見もあるし、そういった事実も間近に聞いているが、今回出会った人達は、東北地方という地域性もあるかもしれないが、素朴で誠実な印象を持った。
- 昼 食
社員食堂もあるが結構質素らしい。私たちは特別待遇。社員食堂の建物の中の別室で回転テーブルを囲んで昼食。料理は昨晩食べたものと殆ど同じ…この地方のおもてなし料理なのだろう。
- 仕 事
仕事は大変、相手の中国人は、私達のようなユーザー相手には慣れていないらしく、何をやるにも時間がかかる。上手くいけば半日仕事と思っていたが1日かかっても終わりそうもない。飛行機、ホテルの予約を確認し、1日延長することにした。18時過ぎ一旦仕事を終えて食事に。
- 夕 食
レストラン「金豆坊」…店は違うが料理の中身は似たようなもの。やはり、不味くは無いが特別美味しい物も無い。9時過ぎにホテルに戻る。少し風邪気味?アレルギー?鼻水がでる。薬を飲んで早めに就寝。
- 【第3日目 2010/9/2(木)晴れ】
- 朝食&仕事
7時過ぎに起床。朝食、今日は黒米粥を食してみたが白米粥の方が甘くて美味しい。また、二十世紀梨があった…みずみずしくて美味しい。
今日も8時に車で会社へ。相変らず怖い運転、デコボコ道に、砂埃が多く、とうとうアレルギー発症、鼻水がタラタラ(鼻炎薬を飲んだのに)。今日は昼過ぎくらいに終わってと思ったが…遅い! 昼食は、相変らず料理だが不味く無いのが幸いである。15時、何とか仕事にけりをつける。
- 偽満皇宮 (地図へ)
清王朝のラストエンペラー溥儀が満州国の皇帝になったときの宮殿
初日に行きそびれた「偽満皇宮」に是非行きたいと思っていたので、車で直行してもらう。16時到着、何とか間に合った。閉門17:20までに見物を終わらなければならない。 入場料80元(約1100円)、意外と高い。あまり広くない敷地に多くの建物がある。皇宮と言う割には建物も部屋も豪華絢爛ではなくとても質素な印象。
緝熙楼(左写真)…溥儀 と皇妃譚玉齢、皇后媛容が生活したところ。しかし、入口の前には、江澤民が標した大きな石碑がある「勿忘"9.18"」。 建物の中には、溥儀の寝室、媛容がアヘンを吸ったと言われる喫煙所、謁見の間、仏の間、日本間とか多くの部屋がある。日本の陶器展示室には、日本天皇裕仁母?(新のへん、立の下に木)が溥儀に贈った七宝焼菊花大瓶が目立っていた。 溥儀の写真や媛容の写真も掲示されている。他にも、建物があり内部を見物したが、どれも似たようなもの。 写真は、他のWEBで多く掲載されているので見てください←手抜き。例えばこのWEB
- 東北淪陥史陳列館
皇宮の出口に一際大きくて立派な建物「東北淪陥史陳列館」がある。日本との戦争資料館である。 入り口には、「日本侵略中国東北史?(突みたいな字)展覧 / Japanese Aggression in China's North-East」の看板と、やはり大きな文字で「勿忘9・18」、その文字の上に小さな文字だが日本語で「忘れるな」と書かれている。
カメラは電池切れで撮影できなかったが、どうやら館内撮影禁止だったようである。
館内には、数多くの日本の資料がありビックリ、悪名高い731部隊の人体実験の様子もマネキンで再現されていた。閉館まで15分程と時間が無かったため、ざぁっと見ただけに終ったが、日本が如何に悪辣非道な行動をとったか偏見も含めての展示されている。 17:20閉館、追い立てられるようにして出る。かなり駆け足だったが結構時間を費やした。ゆっくり見ようとすると数時間は必要だろう。
※何故に「9・18」か?・・・私の感覚では、日中戦争の発端は盧溝橋事件(1937/7/7)だと思っていたが、中国では、特にこの地域では、6年前(1931/9/18)に起きた「9.18事変」、「柳条湖事変」と呼ばれる事変が念頭にあるようだ。
- 夕 食
夕食のレストランで合流、19時ごろ宴会スタート。少し豪華な部屋で大型液晶テレビとカラオケがある…使わず。料理は、今までと似たようなもので飽きてくる。9時に帰宿。
- 【第4日目 2010/9/4(金)晴れ】
- チェックアウト&朝食
チェックアウトに20〜30分かかる、飛行機の時刻から逆算して6時チェックアウト→6:30からの朝食→7時出発することにした。 経験者の話の通り、チェックアウトの処理に時間がかかる。部屋番号を言う、電話で部屋のチェックを依頼、チェック結果の電話、レシート作成、クレジットカード処理、受付が一人しかいないし手際が悪く時間がかかる。良く知っているのだろう部屋番号だけ言ってどこかに消えていく人も多い。やっぱり25分ほどかかった。部屋に置いてあった長春の市街地図、無料と思っていたが5元取られた。
1日目約600元、2&3日目約1000元と、受付以外は高級のホテルでした。
- ホテル〜長春空港
天気が良いが、相変わらず埃っぽい、今日はマスクをする。
高速道路の料金所には日本同様ETCが設置されているが、利用している車は少ない。8時前に空港に到着。チェックインカウンター前には既に長蛇の列。
チェックイン後、免税店を見るが小規模でこれと言った土産はない。チョコレート…会社の同僚が中国や韓国土産に買ってくるが、何でマカデミアナッツ入りのチョコが中国や韓国の土産なんだと苦々しく思っている。マカデミアナッツはオーストラリアかハワイの土産だ! しかし、中国のお菓子は味が微妙。そこで私は、定番「甘栗」と「月餅」、小さい狛犬みたいな置物を購入。月餅はチョット違和感が、やっぱり日本製が美味しい。
- 中国南方航空/CZ687/長春9:20→仁川12:20
定刻通り出発。少し早め12:10仁川到着。乗換えなのにまたもやチェック…eチケットの日付が一日前のままだから? 質問するわけでもなく理由も言わずに荷物検査器の前で足止め、変更確認ができたのか何も言わずにOK…理由くらい言ってくれれば良いのに。食事は往路と同じようなもの、コーヒーもミルク・砂糖入り。ほぼ定刻に到着。
仁川空港は小雨。時間もあるので広くて数多くある免税店をみる。「キムチ」を買う…韓国製は美味しくて大好きです。
- アシアナ航空/OZ114/仁川14:10→関西15:50
機材遅れで少し遅れて14:35離陸。飛行機はエアバスA330-300、2+4+2席…往路のA321より少し大きい。主翼の上の窓側。直ぐに食事、白いパンのサンドイッチ…ハム&トマト&キュウリ…マズマズ。淡路島の上空から明石大橋が見える。遅れを少し取り返して15:55関空に着陸。
- 帰 宅
リムジンバス→JRを乗り継ぎ、駅に迎えに来てもらい18時頃帰宅。ホテルから自宅まで往路と同じく約12時間、近いと感じていたが、時間的にも意外と遠い国でした。
★カメラは、観光ではないし、荷物にならないようデジカメを持っていったが、やっぱり暗部のノイズが多めです。
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