特別展 西国三十三所 観音霊場の祈りと美 奈良国立博物館 '08/08/02>
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ポスター 「今日から8月かぁ」と出勤途中の車中のNHKラジオで西国三十三所の特別展が8月1日から9月28日まで奈良で開催されていることを知る。会社でネットで調べると、「花山法皇の崩御千年記念」の展示会で、翌2日は公開講座もあるとのこと。 観音像は、意外とお寺でも見ることができないので、間近に見れるチャンスだと思い行くことにした。 私達家族が巡礼をした1987年は「花山法皇中興千年記念」であったことと何か因縁があるのかも。

 当日、妻は知人と旅行なので一人旅。ガソリン代も高いし、電車で行くことに→同僚が”青春18きっぷ”が安いと言う…還暦の人をつかまえて青春かよ?年齢制限のない青春!…でも5回分セットなので金券ショップで一回分があればラッキーかも…ところが、夜に同僚から電話「残り4回分を引き受けるとのこと」…買わなきゃ損々。 JRで奈良までの往復が1,890*2=3,780円、青春きっぷは11,500/5=2,300円…千円以上安く昼飯代が浮くのだ!
 折角、久し振りに奈良に行くので、他に見るとこは?…そうだ!薬師寺の西塔をまだ見ていなかった…早めに出掛けることにした。薬師寺西塔

 朝8時前に出発、奈良までJRで約2時間。奈良からバスで薬師寺へ(\240)。薬師寺のバス停は北門側=寺には裏門から入る(拝観料\500)。 まずは西塔に…形は当然東塔と同じだが、新しく造られただけに色彩も鮮やかで美しい。そうそう、金堂も大講堂も綺麗になっており、古い佇まいを残しているのは東塔のみ。しかし、金堂の中に鎮座している、超有名な、薬師如来、日光菩薩、月光菩薩(三体合わせて薬師三尊像)は、永遠に美しいままである。 薬師寺と言えば、若かりしころ、高田好胤管主の著作が一世を風靡したものだ。 土産?に薬師寺にちなんで印籠型のお守り「薬籠護符」を購入。

 帰りのバス停は一方通行らしく西ノ京から。次のバスまで20分待ち。 暑いし近鉄で奈良市内に戻ることに(\250…バスより高い!)。 近鉄奈良駅の傍、東向商店街で昼食…何故かベトナム料理店のランチ(さばのから揚げ、春巻き、サラダ、スープ、ご飯)を食す。
奈良公園内の茶店
 食後、興福寺境内の西国札所・南円堂を参拝、五重塔を見ながら猿沢池を通り、国立博物館へ。さすが奈良公園、鹿と鹿せんべいを売る人が多い。とても懐かしい風景だ。 私にとって修学旅行のときから「奈良公園=茶店のわらび餅」なのですが、満腹だったので帰りに食べることに。

 西国三十三所の展示なんかマイナーなので、人気があると思っていなかったが、意外に多くの入場者がいてビックリ。何故か外国人も目立つ…この展示を見に来たというより、博物館に来たら展示していただけなのだろうが…
 一通り見たのち、外をみると玄関前に長蛇の列=公開講座を待っている人らしい。13時開場・整理券を配布する20分程前なのに…慌てて展示場を出て列に並ぶ…もう定員200名近いとのこと、係員が数えている。結果的に私は155番目、立見はだめなので入場できなかった人もいたようだ。担当者はバタバタ…挨拶で「展示2日目だし、講座がこんなに盛況になるとは想像していなかった」との弁。展示されていた仏像(公式HPより)

 公開講座は、平安鎌倉時代の歴史の権威者である”東海大名誉教授・速水侑氏”による「西国三十三所の歴史」…1時間半。 内容は、9世紀中ごろからの観音霊場参拝の発達、西国三十三所巡礼の起源→民衆化、江戸前期・寺院統制による衰退、その後信仰心+物見優山的旅行から現代への歴史的変遷についてものも。歴史の流れが中心で硬過ぎて、若干面白みには欠けていたのが残念。

 そうそう、話が前後するが、博物館の展示品は、観音像を中心に15躯位の仏像と、経典、曼荼羅、縁起など195点と盛り沢山。
 観音像は、一乗寺の10cm程度の小さいものから等身大のものまで、間近に見ることができ良かった。
 展示物の写真撮影は禁止されているので、公式HPより転載した左の写真、左が京都・清水寺の千手観音坐像で今回の目玉の一つ。 右は奈良・岡寺のご本尊(4.6mと巨大な観音様)ではなく、逆に とても小さく数十cmの銅製の重文・如意輪観音菩薩・半跏思惟像がとても美しく釘付けになった…、ふと日本で一番美しいと思っている「中宮寺の弥勒菩薩半跏像」を思い出させた。

古地図・西国巡礼図 各種の巻物は、描かれている絵が、その当時の人たちの生活や服装などが想像できて楽しい。例えば、壷阪寺の縁起巻物の絵には、多くの杖を持った盲人が描かれており、昔から眼の病に効くと言われていたことを物語っている。

 また、西国巡礼の古地図が展示されており、床面には5m角の地図が描かれていた。字は読みにくいが、札所と各町々とその間の距離が記載されておりく手に入れてゆっくり見てみたいと思った。

 開場出口には、西国巡礼の装束品や数珠、お守り、書籍が販売されていた。展示会の目録は2,400円…当初買う積もりでいたのだが中身の割りに高価なので止めた。 ところが、一番奥に古地図があり、即購入、1050円也。人文社発行のもの。HPへ

 帰路、奈良駅までのバスは、博物館前が近いのだが、わらび餅を食べるため茶店まで引き返す。
 茶店は、昼時より人は少なく、鹿のほうが多い。店の中でわらび餅を注文、冷たい緑茶と一緒に、きな粉がかかったわらび餅が出てきた。懐かしみながら食す。冷たくて美味しいが砂糖が入り過ぎ(甘過ぎ)。大きな餅が3枚で500円(意外と高い)。わらび餅は、きっと昔から、暑い夏の冷菓なんでしょうね。

 暑いのでJR奈良駅まで歩く気にはならない、途中の停留所は2箇所なのだが、県庁前からバスに乗車(\180)。 青春(老人?)きっぷで帰路につく。 本当に久し振りの奈良で良かったです。

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我が家の掛け軸 後日談 (2008/8/15新聞発表)

以前撮影した時は解像度が低かったので撮影し直しました。

我が家の掛け軸

奈良国立博物館で開催中の「西国三十三所」展に出品されたのを機に、8月初旬にX線写真撮影した。私が行った8月2日以降のことなのであろう。
 その時、展示されていた、兵庫県姫路市の圓教寺の本尊、性空上人坐像(木造、高さ89.5cm、13世紀)の頭部に、骨を入れた瑠璃壺が納められており、中には 性空上人(?-1007)の遺骨が入っていると思われるとのこと。

性空上人坐像