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このページの目次
 
1 成績について(絶対評価と相対評価、偏差値)

2 高校の選択について(神戸第二学区、学年制か単位制か、多様な学科)

3 高校入学者選抜学力検査(一般入試、推薦入試、総合選抜、特色選、,複数志願選抜)


1 成績について
絶対評価と相対評価
  平成17年度入試から、学校の内申点は絶対評価が導入されています。従来の高等学校における評価の方法
 と同じです。相対評価は5をつける生徒の数は定められていて、ある生徒は頑張ってはいても、他の生徒がさら
 に良い得点を取っている限り、その生徒の努力は評価には反映されませんでした。絶対評価は頑張った分だけ
 評価に反映されるという制度です。例えば、定期考査の平均点が70点で、平常点も普通であれば、他の生徒の
 点数とは関係なく「4」と評価されるような仕組みです。
  後者のほうが生徒にとっては励みにはなるものの、入試制度の運用面では困難を伴うこともあり、一長一短と
 いうところでしょう。
偏差値
  高校は義務教育ではないので、成績による輪切りがあるのが現実です。進路を考えるとき,受験生全体の中で
 自分の位置が相対的にどれくらいなのかを知る必要があります。前述の相対評価であれば、その点数が学校内
 での順位を表していたのですが、絶対評価になって、わかりにくくなってしまったといえるでしょう。それで、統計的
 な手法を用いて、平均点を50点に換算し直したのが「偏差値」です。例えば、英語の素点(テストの点数)が40点
 だとしましょう。学校の平均点が40点であれば、偏差値は50ということになりますし、逆に平均点が60であれば、
 例えば偏差値は35という数字で表されるでしょう。この点数は、1教科ごとに算出されるだけでなく、5科目の合計
 でも算出することができます。模擬試験を受けていただければ、同じ高校を希望する生徒の中での位置付けがわ
 かりますので、過去のデーターとの比較から合格の判定に関する可能性をパーセントでお知らせすることができ
 るというわけです。

2 高校の選択について

神戸第二学区

  兵庫県では、高校への進学を16の学区に分け、それぞれの学区ごとに通学できる高校が定められています。
 つまりお住まい・通学されている中学(場合によっては小学校区)によって、通学できる高校が決まられているの
 です。人口の増減などによって不公平がでないように、見直しが行われます。選挙区の仕組みに似ています。
 時には、鈴蘭台と鈴蘭台西のように学校の統合が行われることもあります
  具体的には、兵庫県教育委員会のページ(⇒公立高校入試)からごらんになれます
  因みに、神戸第二学区は、兵庫・夢野台・神戸鈴蘭台・(市)神港・神戸北が普通科です。
  商業や工業科などの職業科の通学エリアは学区よりも広く、場合によっては全県一区となっている学校も少な
 くありません。ただ、現実に通えるか否かは慎重に考える必要があります。寮を完備している学校もあります。


学年制か単位制か
   学校週休二日制になって久しいですが、1日に6時間の授業があるとすると、1週間で30時間授業がありま
  す。学校行事や長期休業があるので、概ね年間35週が授業のある週として確保されています。例えば、数学
  の授業が週に3時間あるとすると、年間で105時間の学習量になります。これを「3単位」の授業と呼びます。
  それで、学級活動も含めて、年間で30単位、3年間で合計90単位の学習量となります。
   ところで、卒業までに最大の90単位を履修しなければ高校卒業の資格が得られないのか、というと、そうで
  もなくて、もう少し少な目に設定されているのです。ところが、従来多くの学校では、1年間に30単位をフルに
  履修しなければ、進級させないという「学年制」を採ってきました。この制度の弊害は、1科目でも履修できなけ
  れば、その他の教科も全て履修できなかったとみなされてしまうという点にありました。例えば、ある生徒は、
  英語が極端に苦手で、オーラル(口頭)の実技ができないとしましょう。先生の前では萎縮してしまい、一言も
  話せなくて、テストもなにもできないという極端な例があるとします。ところが、筆記ならばできるし、その他の
  教科も問題がありません。この状況の中で最終的にオーラルだけが不認定科目になると、この生徒がその学
  校でもう一度勉強する選択をしたとき、良くできていた科目も再び履修しなければならないということになって
  しまいます。人はいつも成長段階にありますから、2年目ともなると、この生徒も人前で話せるようになってい
  る可能性もあります。しかし、そのために失われる時間はあまりにも大きい。そこで考えられたのが、不認定
  科目が卒業単位に影響を与えないなら、「仮進級」させるという方法と「単位制」という考えです。
   「単位制」は最終学年になってから、卒業できる単位数を満たしているかどうかだけが判断されます。(必須科
  目が設定されている場合もありますから、単純ではありませんので具体的には各学校のページでご確認下さ
  い。)また、「総合学科」の考え方と混同されることがありますので、分けて考えて下さい。「単位制・総合学科」
  も「学年制・総合学科」もありうるのです。
   「単位制」だから履修したくなければ、履修せず、朝遅く登校したり、早く帰ったりということができるのではな
  いかとお考えの方もおられるでしょう。理論的にはありうることですが、現実にはは認められていないようです。
  3年生になって、卒業できないことが判明し、不足分を補うために4年目も高校に通うときには、特定の科目だ
  け履修に通うということはあるようです。大学には合格しているのに、高校の卒業が認められなければ、大学
  の入学は無効になってしまいますから、高校でも真面目に勉強してください。
   単位制とは別に、「昼間定時制」といって、午後から夕方までの授業を展開している学校もありますから、健
  康面で朝が厳しいなどという人はこの選択肢もあります。

多様な学科
   社会や個人の志向の多様性に伴って、従来の「普通科」だけではなく、様々な学習機会が開かれるように
  りました。就職や進学に関する明確な展望がないのなら、普通科を選択されることをお薦めします。

(1)総合学科
    
大学教育とよく似た制度と考えて下さい。特定の必須科目以外は自分で履修科目を選べます。語学・
   芸術や保育など興味に合わせた学習ができます。好きな科目の学習ができるのですから、成績も悪くはな
   いはずです。成績が悪くなければ、大学への推薦も難しくはないでしょう。バランスの良い選択をしてくださ
   い。ただ、他の学校に比べ、個人の責任が大きいわけですから、学習したい特定の目的を持っていない人
   は普通科を選択したほうが賢明かもしれません。入ってから「こんなはずではなかった」という感想と共
   に「退学」という結果を迎えるケースも多いのです。
    推薦入試だけが全県一区で、一般は学区制による入試制度になっています。

(2)その他
   
 高校卒業後の進路希望がある程度決まっているのなら、それに合わせた学科を選ぶのも良い方法です。
   例えば、将来は会計の仕事をしたいと考えているなら、商業科を選んだり、バイオの研究をしたいと思うなら
   農業科を選択するという方法もあるでしょう。公立学校も様々な機会を提供してくれます。普通科からの進学
   とは別のルートで推薦入試を狙う方法もありますから、進学面でも有利になる場合もあるのです。
    (例) 環境防災 県舞子
        森林環境科学 県山崎
        海洋科学 県香住
        美術 県明石
        音楽 県西宮
        体育 市尼崎
        コンピューター 県商(情) 市神港(情) など


3 高校入学者選抜学力検査
  選抜方法は、学区によって異なります。神戸第二学区で実施されるのは(1)一般入試と(2)の推薦入試です。
「入試」というと一発勝負というイメージがありますが、複数の受験機会が提供されるようになってきています。

(1)一般入試 
  中学校からの「内申書」と当日の学力検査の合計点で合否が決まります。
   
内申書の点数=(数・英・国・社・理の評価合計)×4+(副教科の評価合計)×7.5・・・a
   当日の学力検査=5科目(100点満点)の合計×0.5・・・b
     a+b(最高得点500)で合否が決まります。
   これに加え、クラブ活動生徒会活動など特別な活動で中学校長が内申に朱書きする者は逆転の可能性を
   残しています。何がこれに該当するかは、高校側からの条件として提示されています。内申書(中学校長から
   の調査書)に赤色で書かれるので「朱書き」と言われたりします。
    a+bを成績順に並べたとき、定員の最後になった生徒が、300点であったとします。これに0.9倍した点数
   (270点)までに朱書きされた生徒がいた時、合格者を入れ替えることができる制度です。高校での様々な
   活躍が期待されている生徒への配慮となっています。同じクラブに入部しなければならないというような拘束
   力を持つものではないので、該当する人は活用されることをお薦めします。中学生活で頑張った人へのご褒
   美いうところですね

(2)推薦入試
    
専門教育を主とする学科にあっては定員の50%を上限として推薦入試が行われます。総合科や職業科
   がこの入試制度を取り入れています。中学校からの推薦によって受験機会が増えます。競争率は上がる傾
   向にありますから、確実な方法だとはみなさないようにしてください。実際の合格率は50%だと考えて受験さ
   れることをお薦めします。この場合の入試科目は小論文と面接が多いですが、英数の科目を実施する学校も
   ありますので各学校の募集要項やホームページをご確認ください。

(3)総合選抜
    
特定の学区全体をひとつの学校のようにして入試の合否を判定します。どこかの学校に入れるというメリット
   はあるのですが、本来希望する学校に入学できない場合もあり、運用では(5)の制度に移行している傾向が
   あります。現在、阪神の学区だけでおこなわれています。
(4)特色選抜
    
普通科における推薦入試と考えるとわかりやすいです。(2)と同日の日程でおこなわれますので、これと同
   時に受験することはできません。

(5)複数志願選抜

    文字通り、複数の高校に出願することができ、第一希望校に入りやすい制度を取り入れています。この制度
   が行われる学区は指定されており、神戸第二学区では22年入学生からの実施との情報があります。