パート4『2日目』
≪この方達も色々とやってます。≫
さて、レンたちはというと、道路の中央で行われているイベント会場に来ています。
ウル「は〜い、いらっしゃいいらしゃ〜い!
只今、スイカ割り大会開催中ですよ〜」
威勢の良い掛け声で売り子をしているのは、『誓い〜』の方のウルさんです。
今日はその蒼く長い髪を後ろで束ねていらっしゃいます。(って、なんでこのパートだけ丁寧語?(^^;)
エリル「すみません、お手伝いしていただいて。」
こちらは『与え〜』の方のエリルさん。
どうやら今日は『与え〜』は彼女一人のようです。
ウル「いいのいいの、私だって楽しんでやってるんだし☆
ね、ヒイロ君♪」
と、裏方からスイカを持ってやってきたヒイロにウルが声をかけました。
ヒイロ「ま、そういうこと。それにしてもファヌエルって便利だね〜。」
裏方の空間を見やっって言うヒイロ殿。
どうやら裏方はファヌエルと繋がっている模様です。
スイカも彼(?)が出してくれた物のようで。。
エリル「はい、我々もファヌエルにはいつもお世話になっております。」
ウル「エライんだね〜。」
ヒイロ「しかし、ノアさんが来れなくなったのは残念だな。」
エリル「えぇ。ここ最近、色々と立て込んでまして。
他の者たちもノア様のお手伝いやら何やらで」
ヒイロ「なるほど、なら仕方がないかな。」
マナ「すっいっか割り〜♪」
よっぽどスイカ割りに思い入れでもあるのか、袖をまくって気合十分のマナちゃんです。
レン「マナちゃんがっばって〜」
アスミ「きれいに割んなさいよ〜、後で食べるんだから〜。」
アキ「怪我せんようにな〜。」
マユミ「怪我を『させる』のもいけませんよ〜。」
周囲の応援を背に、マナちゃんもやる気まんまんです。
ウル「それじゃあ目隠しするね〜。痛かったら言ってね。」
きゅっとマナちゃんの目の周りをタオルで目隠しするウルさん
マナ「ん、だいじょぶだよん。」
ウル「は〜い、じゃあ三回まわって〜」
と、マナちゃんの肩を持ってくるっと三回まわします。
ウル「ではではスタート!」
マナ「おっとと・・ありゃ、どっちが前だっけ?」
ちょっとずつ前に進むマナちゃんですが
アスミ「ちがうちがう、もっと左だって。」
マナ「ひだり?ん〜っと・・じゃあこうかな」
とてとてとて
レン「あ〜ストップストップ!
マナちゃん、もちっと右だよ」
マナ「みぎ?」
そう言われてマナちゃんは方向を修正します。
マユミ「そうですそうです。そしてあと3、4歩進んで」
とてとて
アキ「よっしゃ!そこで一気に振り下ろし!」
マナ「うんっ!」
ブンッ・・
スパッ!!
4人「「「「やったぁ〜〜!!!」」」」
スイカは見事に真っ二つに切れました。
ヒイロ「凄い・・・アスファルトまで割れてるぞ。真っ二つに。」
マナちゃんが割ったスイカの前後一メートルほど、綺麗に道路にも縦に溝が出来てしまいました。
リエル「・・・ヒトの限界は底が知れませんね」
ヒイロ「そうかなぁ(汗)」
≪流しそうめん〜≫
流しそうめん大会は、レンたちが通う小学校の校庭で行われていた。
レン「うわ〜、なんかすごいね〜。」
そうめんを流すための竹の筒は、トラックをぐるりと囲む形でループ状になっていた。
上手く水が廻るように出来ているようで、そうめんは所々で随時足している。
アスミ「そういや、パパたちと待ち合わせてたのよね。」
校舎の時計を見ながらアスミが言った。
レン「うん、あとアル君とも。」
アスミ「あ〜、アイツは良いのいいの。(今日は上手く逃げたけど、明日はこうはいかないわよアル・・・ふふふ( ̄ー ̄)」
レン「(何がいいのかな(^^;)・・・あ、お父さんたちだよ〜」
レンが指差した方には、何やらお面を手にしたシンジを先頭に両親たちがやって来た。
シンジ「や、どうだったそっちは?」
レン「うんっ、楽しかったよ。ね〜♪」
マナ「ね〜♪」
シンジ「そう。そりゃ良かった。」
にっこり笑い合うレンとマナを見てシンジの顔も綻んだ。
アスカ「あら、所でアルは・・・あんた達、途中で会わなかったの?」
母親の問いに、娘が生返事で返した。
アスミ「ん〜?あんなの放っておいてもダイジョブだって。
どうせその辺でウロウロしてるんだから。」
アスカ「あんたねぇ、大事な弟でしょ。ちょっとは気にかけてやりなさいよ。」
アスミ「はいはい、善処します。」
それから2〜3分後。
アル「あ、いたいた。」
ようやくアルが合流した。
カヲル「やぁ、待ってたよ。」
アル「あ、うん。ちょっと色んとやってたんで」
適当に射的屋での事をごまかすアル。
トウジ「ほな、どっか空いとる場所でも探そか。」
と、トウジが辺りを見回していると
アキ「こっちこっち〜!」
既にアキが場所を取っていたりする。
シンジ「さすがはアキちゃん、行動が早いね〜。」
トウジ「偶に突っ走り過ぎる時もあるけどな。」
ヒカリ「トウジの影響でしょ。そう言えばこの間も買い物に行ったときに・・」
シンジ「何かあったの?」
シンジがヒカリに問うと、トウジが真っ赤になってヒカリに詰め寄った。
トウジ「それはもうエエっちゅーに!」
ヒカリ「うふふ、はいはい。」
3人がダベっている間に、他のメンバーは既に流しそうめんを楽しんでいた。
アスミ「そうめん自体もおいしいけど、外で食べてるってのがまた良いのよね〜。」
マユミ「まさに『外食』ですね〜。あ、薬味取って頂けます?」
マユミのダジャレにあんぐりと口を開けるアスミを尻目に、刻み葱をツユに入れるマユミ。
レン「ん〜、おいしいね〜」
満面の笑みでアキに向かって言うレン。
アキは直後、ちゅるっとレンの口にそうめんが入っていくのを見てドキッとしてしまった。
レン「ん、どったの?」
アキ「い、いえっ、なんでもありません!
い、いや〜ホンマにおいしいですね〜あはは・・」
乾いた笑い声が、やけに会場内に響いた。
≪そして次の日。≫
今日はユイとゲンドウが、シンジの家にやって来た。
実はレイが風邪を引いてしまい、シンジがその看病をするので代りにレンと一緒に七夕祭りに行って貰うことになったのである。
何故にレイが風邪を引いたかというと、浴衣姿のレイに萌えたシンジが寝室で押し倒し(・・以下自粛・・)、気が付いたら朝になっていた。
まだまだシンちゃんも若いのよ←そういう問題じゃない(^^;;;;;
浴衣も殆ど着てないのと同じくらいに乱れてしまい、冷房をかけていたことも相まって身体が冷えてしまったらしい。
シンジ「二人ともごめんね。仕事とか大丈夫だった?」
ユイ「それなら大丈夫よん。ちゃんとこの人が調整してくれたから☆」
シンジ「そうなんだ。ありがとう父さん。」
ゲンドウ「ふっ、気にするな。こちらも丁度休みが欲しかったところなのでな。」
レン「たっだいま〜。」
外から帰ってきたレンが、玄関からパタパタとやってきた。
ユイ「お帰りなさい、レンちゃん♪」
振り返り、レンの方を向いてウィンクするユイさん・・・年甲斐もなく(バキッ!!)ぐほっ!・・・
レン「ほえ、おばあちゃん達もう来てたの?」
『忙しい身の上だから結構来るのが遅くなるかも』とシンジが言っていたので、昼過ぎの今頃からもう居る二人にちょっと驚く。
ゲンドウ「うむ、仕事が速く片付いたのでな。
(勿論いち早くレンに会いたかったからなんだが)」
と、心の中で思っているがなかなか口に出せない、シャイなあんちくしょうこと碇ゲンドウ(爆)
レン「あ、それでお母さんは?」
シンジ「うん、今は寝てるよ。だから起きるまでは、側を通るときは静かにしてようね。」
レン「うんっ」
ユイ「あ、そうそう。今日は浴衣持ってきたのよ。
レンちゃんとレイちゃん用に。」
そう言い、ぱぱっと持って来た浴衣を手に持つユイ。
ユイ「どう、レンちゃん?」
レン「うん、きれいだね〜」
シンジ「みんな同じ生地なんだね。」
ユイ「そうなのよ。私も新しい浴衣が欲しかったし、それならいっその事みんなで同じの着たいな〜って思って。」
シンジ「でも、今日はレイお祭り行けないよ?」
ユイ「何言ってるのよ、シンジ。浴衣を着る時なんて別に幾らでもあるでしょ。」
シンジ「あ・・・まぁ、確かに。」
ユイ「そういう事。じゃあレンちゃん、一緒に浴衣に着替えましょうね〜。」
レン「うんっ♪」
シンジ「着替えるんなら、向かいの客間使ってよ。」
ユイ「ん、わかった。」
二人仲良く出て行くユイとレン。
シンジ「父さんは、浴衣とか着ないの?」
ゲンドウ「いや、着替えるぞ。そこでだ」
徐に持ってきたバッグから浴衣を取り出すゲンドウ・・・しかも二つ(^^;
シンジ「と、父さんこれって」
ゲンドウ「浴衣にしか見えんだろうが。」
シンジ「それは解るけど」
ゲンドウ「お前は別に病気ではないのだろう。
なら、雰囲気だけでも祭りに行っている気になれ。」
シンジ「あ、うん、そうだね。ありがとう。
これも二つ同じ生地なんだね。」
どうやらゲンドウもユイと同じく新しく浴衣を買ったらしい。
しかもシンジのと合わせて二つ、同じ生地で。
ゲンドウ「あぁ。いわゆる『ペアルック』というやつだな( ̄ー ̄)ニヤリッ」
シンジ「・・・・・・・・・((((
;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
≪お面、再び≫
今日は友達みんなで揃って、ではなく各々の家族で楽しむことになっている。
そんな訳で、三人はレンを真ん中にして夜店の立ち並ぶ道を歩いていた。
その光景は事情を知らないで見ると、結構異色な取り合わせに見えただろう。
偶にレイと姉妹だと間違われるユイが、レンと仲良く手をつないでいる。
母娘と見られてもおかしくはない。
そして反対側には年齢不詳の『髭』が可憐な少女の手を握って時々ニヤリと笑ったりしている←表現が違いすぎ(^^;
当人たちは全く気にしていないので問題はないのだが。
三人は先日シンジたちが通りかかったお面屋の近くに来ていた。
イスラ「さ〜いらっしゃいいらっしゃい!」
お面屋だというのに、やけに威勢がいいのは音無イスラっち。
額にハチマキなんかも巻いて、気合が入っているご様子。
ユイ「あら、なんだか楽しそうね。見ていく?」
レン「うんっ」
ユイの提案におおきく首を振って同意するレン。
イスラ「さぁこのお面、ただのお面だと思ったら大間違い
両端を持って・・・はいっこの通り!」
あら不思議、確かに一枚だったお面が見事に二つに増えている。
イスラ「更にさらに、このお面は片方の動きにもう片方が寸部の狂いもなくユニゾンしてしまうのであります!」
片方を上に持ち上げるともう片方は下に行き、左に持っていくと右に動く。しかも全く同じ距離を。
レン「うわ〜、なんかすごいね〜。」
イスラっちの口上とお面にすっかり虜になっているレン。
ユイ「ほんとね、一体どんな構造になってるのかしら。」
ユイも興味津々。
イスラ「ほらほら、そこの『綺麗なお姉さん』。一つ買っていきませんか?」
ユイの方を見てお面をすすめるイスラっち。
ユイ「え、私!?」
イスラ「そうですよ〜他に『綺麗なお姉さん』なんて居ませんって〜」
ユイ「え〜そうかしら〜♪」
『お姉さん』という響きにまんまと乗せられるユイ。
イスラ「お姉さんだったら護身用のお面なんてどうですか?」
ユイ「護身用?」
イスラ「えっと、そちらにある『ぜるえる』ってお面なんですけどね」
ゲンドウ「ふむ・・これもなかなかユニークな表情をしているな。」
並んでいるお面のなかの一つを手に取るゲンドウ。
名前の札には『ぜるえる』と書かれていたりする。
ユイ「で、どんな感じで『護身』してくれるの?」
イスラ「先ずは、愛嬌のある目から死なない程度のビームが発射できますし」
バシュッ!
ゲンドウ「ぐおっ!!」
イスラ「それから、もしもの時に備えてお面の横側から伸縮自在のカッターが飛び出す仕様になってますね。」
シュパッ!
ゲンドウ「ぎゃあああぁぁぁぁ!!!!」
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