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シフトダウン

発刊にあたって
 日々安全運行に務められているみなさん、ご苦労様です。
 みなさんのアンケート(私の危険個所)へのご協力大変有り難うございました。みなさんからよせて頂いた意見を集約して、この度シフトダウン(行路の危険個所)が出来上りました。このシフトダウンは、個人の日頃危険だと注意している所や危険な体験・貴重な経験、また危険に対する個々人の対処法を個人だけにとどめず、みんなに知ってもらう事により、日々の安全運行の一助になれば幸いと、編集発行したものです。
 今後シフトダウンは、“かけはし”に安全対策の一環として連載していきたいと思っています。みなさんのご協力をよろしくお願い致します。

安全対策の要点と方向性
 事故災害が起きると「本人の不注意」が原因で起きたのだから、「注意喚起、処罰による不注意の戒め、云々」と当事者の不注意だけを原因として考えるのは、再発防止の観点からも適切な安全管理とは言えません。
 多くの場合、不注意は、人間が故意に不注意になるのではなくて、自然法則的に不注意という現象が起こると考えられています。たとえばある対象に深い注意を払うならば、他の対象に対しては、自動的に「不注意」になってしまうものです。不注意現象は異常でもなんでもなく、極めて正常な状態であり、ヒヤリとしたり、ハットしたりするのもその多くは、注意低下期(不注意状態)に見逃しかけた重要な情報にかろうじて気付いたときの反応です。
 安全を確保するためには、こうした人間の特性を十分理解したうえで、「不注意」をひきおこさないように、仮に「不注意」が起きても、それがそのまま事故につながらないように、物的システム、人的システムを用意する必要があるということを、まず正しく認識しなければなりません。この認識を持つことが、安全対策の第一歩です。
訓練風景
 1998年4月3日、明石海峡大橋開通前の大橋実車訓練。
 開通前なので、車は他社のバスと道路公団の関係車両だけしか走っていなくてスイスイと気持ち良く走れました。不安と緊張の連続でしたが、笑いのもれる楽しい訓練でした。
行路の危険箇所と私の対処法
危険箇所・状況 私の対処法
 青信号で交差点に入っても歩行者が絶えないので赤信号に変わってしまう。  青信号に変わった方の車が割り込んでくるので、割り込めないように突っ込んでおく。
 歩行者が多く赤信号に変わっても歩行者が横断してくる。  ミラーを十分に活用し、窓を開けて目視で確認している。
 大阪駅を出てガードを抜けた交差点で、中央車線から左折するとき、左の車が突っ込んでくる。  早めにかぶせて突っ込めなくするか、車線をまたいで最初から左側に車が入れなくする。
大阪駅出口交差点(中央郵便局前)

大阪駅中央郵便局前交差点
 大阪駅、中央郵便局前の交差点は、危険個所のアンケートでも、危険と感じている人が一番多かった所です。青信号で交差点に進入しても、歩行者が多いため必ず赤信号になり、赤信号に変わっても横断する歩行者がいるうえ、交差する道路が青信号に変わり車が突っ込んでくるために危険です。

大阪一般道路
危険箇所・状況 私の対処法
海老江出口交差点は、フェンスがあるため並列している左側道の安全確認ができない。  徐行して、左側道の安全を確かめながら左折する。
 福島6丁目交差点での歩行者、自転車の見落とし。  手前から青信号で交差点に進入左折するときは、特に歩行者、自転車を見落とさないように注意。(自転車は予想以上にスピードが出ているので特に注意)
【海老江出口交差点】
 阪神高速の海老江出口の交差点は高速出口に沿って側道があり、出口信号と側道の信号が同じなので、側道から車・自転車などが飛び出してくる恐れがあります。とくに、手前から青信号でそのまま交差点に入る場合には十分な注意が必要です
危険箇所・状況 私の対処法
 防音壁で、合流車の視認が遅れる。  あらかじめ合流してくる車線以外の車線に変わっている。
 合流の加速車線が短い。  前車との車間をあけて、合流車が合流しやすいようにする。
 全線においてスピードのわりには、車間距離が取りにくい。  スピードを落とし車間を保つようにしている。
 湊川合流は、見通しが悪く加速車線が短く危険。  合流車に道をゆずるか、あらかじめ追い越し車線に進路変更する。
 柳原の合流は、右側合流で加速車線も短く危険。  左車線を走るか、車間距離をとり合流車にゆずる。
 月見山の合流は、急な下り坂で加速車線が短いうえに、防音壁で視認が遅れる。  車間距離をとり、合流車にゆずるようにするか、右車線を走行する。
 上り須磨料金所を過ぎてすぐの月見山トンネルは、急な下り坂でカーブになっていて見通しがきかないうえに、トンネル内で渋滞している時が多い。  減速し車間距離を多めにとり、トンネルの壁面に反射するブレーキ灯に注意している。
阪神高速全線(3号神戸線)合流点等
【阪神高速湊川合流点(下り線)】
 阪神高速全般に共通している事ですが、合流点は加速車線が短いうえに、防音壁等で死角が多く合流車の視認が遅れる。又、合流車も同様に、本線走行車両の視認が遅れるうえに、短い加速車線で合流しなければならない。
 合流点には危険な状態が数多く存在していて、本線走行時においても特に注意が必要です。
危険箇所・状況 私の対処法
 岩屋の江島のカーブは、道幅が狭く急カーブになっている。

スピードを抑えて、場合により対向車に道をゆずるようにしている。
 民家が多く、“飛び出し”に注意している。

 中田交差点の赤い屋根土産物屋からの飛び出し。  ウィンカーを早く出すと土産物屋へ入ると勘違いして、土産物屋から車が飛び出してくるので、ウィンカーを遅めに出すようにしている。
 洲本BS、津名港は、歩行者が歩道を歩かずに、車道を横切る。  十分に四方に注意して、最徐行をしている。
 炬口〜安乎は特に夕方の薄暗がり、夜の雨のときなどは、歩行者、自転車が見えにくい。  左路側帯を特に注意して、カーブの手前などは減速している。
 塩尾郵便局前交差点は、右折車線があるが左車線が狭く、見通しも悪い。  最徐行で通過する、状況によっては無理をせず停車する。
 特に洲本〜津名は、歩道の無い所があり路肩が狭いうえに、自転車の無灯火・並走(ウォークマンを聞いている人は特に注意)が多い。  早目のライト点灯、ホーン、HIビーム、パッシングなど状況に応じて使用し、減速又は徐行している。
 岩屋の街中は道幅が狭く、飛び出し・対向車・歩行者・自転車・駐車車両等なんでも有りで、危険!  速度を落として走り、無理をしないで止まるようにしている。
 津名港発車は、駐車場・降車場からの車に注意。  三方からの合流なので十分に注意し、徐行する。
国道28号線全線
【国道28号線塩尾郵便局交差点】
 道幅が狭いうえに右折ラインがあり、右折待ちをしている車両の左横を通過する場合は道幅が極端に狭くなる為、十分注意して徐行する。又、右折待ちの車両の停車位置によっては、停車して待つ時もある。国道沿いに民家が多く歩行者もけっこうあり、玄関・門を一歩出るとすぐ国道という家もあるので、とくに注意が必要です。
危険箇所・状況 私の対処法

駐機場はトンネル状態なので、後方確認がしにくい。

 ミラー、バックモニター、目視等十二分に後方の確認を心がけている。
 午前中は、逆光でバックモニターが見えにくい。  帽子、手などでモニターを影にして後方確認をしている。
 4番レーン左後方の柱上部構造物が、バスの高さより低い。  4番レーンに入ったときは、下がり過ぎないようにフロントを白線位置で止める。
新神戸駅駐機場
スピード八分車間十分、譲り譲られ事故は0
危険箇所・状況 私の対処法
 国道から左折して店屋等に入る車が、後ろを国道に残して止まることが多い。

前車が左折する時は、後ろが残る事を予測して止まれるようにするか、左端の車線を走行しないようにする。

 下り便は、長い時間高速道路を走行して来てスピード感覚がマヒしているので、速度超過になりやすい。  自分の感覚ではなく、スピードメーターで確認するように心がけている。
 全ての交差点で、右折車両が強引に右折する。  減速して走行し、右折車にホーン等で注意を促している。
国道11号線
危険箇所・状況 私の対処法

布引交差点付近は、歩行者が木の死角に入り見えない時がある。

 低速で走行して、右寄りを走行するように心がけている。

国道2号線から阪神高速生田川入り口への右折進入。

 乗用車が突っ込んで来るので、回りの車の動向に十分注意しながら徐行して右折する。

生田川を出た所の道路、横道からの飛び出し。

 スピード控えめと左右の確認。
 新神戸駅を出て最初の交差点は、車が入り乱れて進入してくる。  前後左右の車の動向に注意し、ゆずりあう気持ちで通過している。
新神戸・三ノ宮付近一般道
【阪神高速生田川入口交差点】
 国道から阪神高速生田川入り口への右折は、右折レーンが2車線あり他の車両と並んで右折するようになり、乗用車などは、大型車両の内輪差や大回りなどを、あまり気にせず突っ込んで来ます。
 右折する時は、まわりの車両の動きに十分な注意が必要です。
危険箇所・状況 私の対処法
 「餃子の王将」の車立体交差進入は曲がりながら対面通行に変わる。  スピードダウン。
 上り線「餃子の王将」の車立体交差直後の下からの合流。  下から登り坂の合流のため、こちらがミラーの死角に入っているかも知れないので、合流車の動向に注意しゆずるようにしている。
 山麓上り線出口は、渋滞している事が多い。  見通しの悪いトンネル内のカーブなので、渋滞を予測して、十分に減速する。
 総合運動公園の神ノ谷トンネル西口の合流。

トンネルを出て直ぐの合流なので、合流車がトンネル内を確認しにくいため、合流車に道をゆずる。 トンネル内が暗いので、注意。

 学園都市前の交差点は、学校帰りの子供が飛び出す。  子供がいたら、減速し出来るだけ右車線を走る。
 上り線のひよどり料金所を過ぎて、源平大橋手前の合流点は、下りカーブの対面通行で道幅が狭く、合流車線の加速車線がほとんど無い。  スピードを落として、合流車があればスムーズに合流できるように道をゆずるなど、心がけている。
学園都市・西神戸有料・山麓バイパス及び付近
西神戸有料源平大橋手前合流点】
 下り坂で道幅が狭く、合流車線の加速車線がほとんどありません。
 合流車がこちらを見落としていたり、強引に合流して来たりすると逃げ場が無い為、合流車の動きに対応できるように、手前からスピードを落すなど、前もっての配慮が必要です。
危険箇所・状況 私の対処法
 明石大橋の淡路側は、突風が強く危険。  風の強いときは、突風を予測して減速する。
垂水料金所〜第二神明への連絡道の、名谷Pからの合流。

合流車はスピードが出ているし、角度的にこちら側を確認しにくいと思うので、減速してゆずるようにしている。

 上り須磨料金所手前の高倉山トンネルは、トンネル内で渋滞している事が多い。  車間距離を多くとり減速してトンネルに進入する。
 淡路縦貫道は、交通量も少なく道路自体単調で、どうしても居眠りを起こしやすい。  前日に十分な睡眠をとっていても眠くなるので、冷たい飲み物・キャンディー等を口にしていますが、あまり効果がない。誰か教えて〜!
無理と油断が事故の元、譲る心に事故は無し
明石海峡大橋・淡路縦貫道・第二神明
【垂水料金所〜第二神明連絡道の
            名谷Pからの合流点】

 合流直前まで道路に高低差があり、本線車道がカーブしながらの合流点である為、合流車から本線車道を確認できるのは、合流直前である事が想像でき(特に大型車)又、高速道への合流の為に、スピードも出ています。
 合流車が本線車道を確認しにくい事を考慮して、合流車の動きに十分注意。
危険箇所・状況 私の対処法
 ミラーに死角がある。  死角がある事を常に考慮し、車線変更、合流時などは、目視も含め十分確認をしてゆるやかに車線を変える。
 見通しの悪いカーブ、トンネルなど。  あらかじめ前車と車間距離をとって、スピードを抑えて走行する。
 大型車への追従走行は、前方の視界をさえぎられ危険。

前方の状況が確認できないと危険なので、追従はしないようにしている。
 追従が避けられない場合は、車間距離を十二分にとるようにしている。

 垂水駐機から出庫するとき、料金所からの車を確認しづらい。

料金所からの車をできるだけ確認しやすいように、道路に直角もしくは鋭角に車をもっていく。
 右の路側に一旦車を出す。

その他
【大型車への追従走行(阪神高速3号神戸線)】
 大型車に追従走行をすると、前方の状況が把握できないので、目の前の大型車だけの動向により状況判断を強いられます。高速での前車のブレーキは停車までの予測を通常しない為、前車が停車すると急ブレーキになったり、最悪は追突事故の可能性があります。
 追従走行をしないか、十二分な車間距離をとりましょう。
初心に帰れ運転マナー
お願い
 シフトダウン(行路の危険箇所)についての、ご意見、ご感想など、ぜひお聞かせ下さい。
                                全港湾神戸支部 本四海峡バス分会