2004年5月19日 発行
全港湾神戸支部本四海峡バス分会http://www.hm.h555.net/~h4kaikyoubus/
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04春闘において、会社は減額をともなう労働条件の改定を海員組合に要求しました。この改定は職種によって月額13,000円〜16,000円の減額となる凄まじい賃金切下げとなるものです。全港湾に対しては、これまでと同様に不当な「団交拒否」を続けるなかでのことであり、一方的な不利益変更です。
全港湾は04春闘の要求に、この海員組合への「賃金改定要求」を団交の第一に取り上げ、3月10日に「要求書」を会社に提出しました。会社は、「全港湾が団交の地位にある」こと、さらには兵庫地労委の「団交応諾命令」が最高裁で確定しているにもかかわらず、団体交渉を拒否し応じませんでした。その後、4月2日付の「海員組合ニュース」において海員組合と会社が「仮合意した」と報じられるに至りました。
この賃金切り下げは、事務職員にはベースアップをおこなおうとするなか、運転士・整備士への理由もない不合理な賃金切下げです。この賃下げを「職場から阻止しよう」と、「理由のない賃下げ反対」のポスターを職場に配布するなど、現場従業員からの反対運動にも取組くみました。
また、4月6日には団交を拒否する会社に対し「団交開催の再申入れ」をおこない、全港湾との団交を拒否したまま海員組合と会社の間でどのような合意がなされようとも、「全港湾は一切応じない」「あらゆる手段をもって対抗する」と通告し、再度の団交開催を求めました。団交に応じるか否かの回答期限である4月7日の夕刻、会社から全港湾神戸支部へ電話があり、「団交に応じる」といいつつ「手当の見直し等について、あなた方には提案しない」「団体交渉を求められたので説明する」「文書は出さない」などと返答しました。
他方、4月中旬頃におこなわれた海員組合の現場集会では、仮合意報道に見られる賃下げ容認姿勢に対し、「賃下げ絶対反対」など、いろいろな現場意見が出され集会が紛糾し、何時間にもおよんだと聞くところとなりました。
全港湾は、4月7日の会社返答に対し、4月22日「全港湾は団体交渉の地位にある」ことが最高裁で確定しているにもかかわらず、全港湾を否定する不当行為に抗議し、あらゆる手段で対抗することを改めて通告しました。この抗議申入れは、出社していた社長に直接おこなうところとなり、団体交渉応諾について問いただしたところ、社長は激昂し「団体交渉は拒否します」と、声荒く言明するに至りました。
その後、4月27日、第6回目の海員組合の交渉において、これまで「仮合意」などと会社要求への容認姿勢を示した海員組合であったが、現場の声を無視しきれず「賃下げ」などについて、継続協議ということで妥結、今回の海員組合に対する賃下げ要求は回避されるところとなりました。しかし、海員組合ニュースで報じられるところによると、会社と海員組合との間で「新賃金体系協議会」(仮称)なるものを立上げ「合意に至らない項目は引き続き審議」となっています。この「新賃金体系協議会」(仮称)なるものは、現行の賃金体系の見直しを協議する場であり、実質的に賃金引下げの方策を練る協議会であることは誰の目にも明らかであり、予断を許さない状況は変わっていません。
今回の04春闘は、海員組合に対する賃下げ要求は回避されたものの、運転士・整備士はベースアップ無しの定昇のみということになりました。しかしながら、海員組合の「仮合意」などを報じた交渉経過などを見ても、賃下げに対する現場からの強い抵抗がなければ、賃金引下げは実施されていたことは明らかです。このことは「不合理な賃下げ」は「絶対に認めることはできない」と、みんなが頑張り、会社が賃下げを断念せざるを得ない状況をつくったからだと確信しています。
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改革を指向し続ける者が内部にいることで、少しでもましな方向に進めると信じている。ひとりひとりが思い続ければ、今を変えることも決して不可能じゃない。希望はあるんだ。だから君もあきらめるな。その場にある者として、君にしかできない仕事がある。最後までその責任を果たせ。それが世界を変えることだってある。 |
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君にしかできない事がある |
労働基準法32条は、「1日8時間を超えて労働させること」を禁止していますが、同法36条は、事業場の労働者の過半数で組織されている労働組合、もしくは事業場にそのような労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者(管理監督者はなれない)と、時間外労働及び休日労働にかかわる協定を書面で結び、労働基準監督署へ届け出た場合は、その協定の定める範囲内において時間外労働や休日労働をおこなわせる事ができるようになります。この協定のことを一般に36協定と呼んでいます。
労働基準法36条 |