和歌山 ・ 田 辺 弁 (方言・関西共通ことば)
田 辺 弁(方言) | 標 準 語 | こ と ば 比 較 (例文) |
(は行) | * * * | * * * |
はい | ハエ(蝿) |
「はいたたきあるか」=「蝿たたきありますか」 |
はがい | はがゆい。 じれったい。 |
「また、シュートはずしてはがいなあ」 = 「また、シュートはずしてじれったいなあ」 |
はぐる | めくる。 |
「本のページをはぐる」=「本のページをめくる」 |
はしっこ | 先端。端。 |
「あの、はしっこの席、空いてるみたい」 = 「あの、端の席、空いてるみたい」 |
はしかい | 皮膚を刺すようにかゆい (むずがゆい) |
「背中になんど入ったかいて、はしかいよう」 = 「背中に何か入ったらしく、むずがゆいなあ」 |
はずむ | 勢いよく(気前よく) |
「ちょっとはずんで、ええもん買おかあ」 = 「ちょっと気前よく、いい物を買うか」 |
ばちもん | にせもの |
「そがなばちもんあかんで」 =「そんなにせものはダメだよ」 |
はび | マムシ |
「はびあるさか気いつけよ」=「まむしがあるから気をつけなさいよ」 |
はりあわん | かなわない。 |
「あいには、はりあわんなあ」 =「あの人にはかなわないなあ」 |
はんちゃ | どてら |
「近頃、はんちゃも着らんな」=「近頃、どてらも着ることないね」 |
ひいさん | 太陽。お日さま。 |
「ひいさんが、てちこまぶしいわ」=「太陽が大変まぶしいね」 |
ひしゃぐ | ひしげる。圧し潰す。 |
「そい、ひしゃげるで」=「それ、つぶれるよ」 |
ひしる | 大声を出す。叫ぶ。 |
「そがに、ひしらんかてわかったよ」 = 「そんなに大声を出さなくても解かりましたよ」 |
ひきこ | おがくず。 |
「ひきこ、どこそでもうてきてくれ」 = 「おがくずをどっかでもらってきてくれる」 |
ひこずる | 引きずる。 | 「梅をコンテナへようけ入れたんでひこっずったよ」 = 「梅をコンテナに沢山入れたので引きずったよ」 |
ひらう | 拾う。(ひろう) |
「餅まきあるさかもちひらいにいこら」 = 「餅投げあるからもち拾いに行こうか」 |
ひらくたい | 平たい。 たいらな。 |
「ひらくたいおっきな額やなあ」 = 「平たい大きな額ですね」 |
ひやこい (ひゃっこい) |
冷たい | 「ひやこい水を飲まいてくれんか」=「冷たい水を飲ましていただけませんか」 |
ふい | 余分に。 余計に。 |
「ふいなことはすんなよ」=「よけいなことはしないでよ」 |
ふうわり | 格好が悪い。 恥ずかしい。 |
「ふうわり事、やめとこらよ」=「恥ずかしい事はやめておきましょう」 |
ふしこ | 鰹節。 |
ー |
ぶらくる | つりさげる。 ぶら下げる。 |
腰にぶらっくたんのなんな」=「腰にぶら下げているに何かな」 |
ぶきっちょう | 不器用。 |
「おまいはぶきっちょうな奴や」=「あまえは不器用な奴や」 |
へいふる | お手上げ。 なすすべもない。 |
「あの時は、えろうてへいふったよ」 = 「あの時は、なすすべもなかったよ」 田辺市独特の方言 |
べっこ | 別々。 別口。 | 「そいとは、べっこに考えんとあかんな」 = 「それとは、別に考えないといけませんね」 |
べっこう | 余計なこと。 |
「べっこうせんすな」=「余計なことをしないで下さい。 |
へつる | 削る。 |
「その板もうちょっとヘつってくれるか」 = 「その板もう少し削ってくれますか」 |
・・・(せぇ)へん | ・・・(し)ません。 ・・・(し)ない。 |
「そがな事せぇへんわ」=「そんな事しませんよ」 |
ほいたら | そしたら | 「ほいたら、こい、たのむわ」 =「そしたら、これお願いします」 |
ほいて | そして |
「ほいてなっとしたんよ」=「そしてどうしたのよ」 |
ほいでに (ほんでに) |
だから。それだから。 |
「ほいでにから、結局こうなるんやな」 = 「だから、結局のところ、こうなるんだね」 |
ほいでも (ほんでも) |
それでも。 しかし。 | 「そんがこと言うてもほいでもわいはほしんや」 = 「そんなこと言ってもそれでも僕はほしいのだ」 |
ほかす |
捨てる。 | 「そがなもん、はよ、ほかしなよ」 = 「そんなもの、早く捨てなさいよ」 |
ほし(よ) | 欲しい。惜しい。 | 「あい、とってほしよ」 = 「あれを取って欲しいよ」 「ほしいな、もうちょっとやってんけどなあ」 = 「惜しいな、もう少しだったんだけどなあ」 |
ほたえる | さわぐ。ふだける。 | 「こら!あんまりほたえんなよ」=「こら!あまり騒ぐなよ」 |
ほっさん | 星。お星様。 |
「今夜はようけほっさん見えるわ」=「今夜は沢山、星が見えるよ」 |
ぼっつり | 竹などで編んだカゴ。 |
ー |
ほときさん | 仏様。 |
「ほときさんにあげてるのたばっといて」 = 「仏様に供えてるのをさげといて」 |
ほに(ほんに) | 全く。 本当に。 |
「ほによう、ええやつや」 = {本当に 、良い人や」 |
ほやけど | そうですが。 そうだけれども。 |
「ほやけど、そいはおかしいで」 =「そうだけれども、それはおかしいよ」 |
ほれ | それ! |
「ほれみぃそう」=「それ、見なさいよ」 |
ほる | なげる。捨てる。 |
「ボールほるさかうけてみいよ}=「ボール投げるから捕ってごらん」 |
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