昔 の 子 供 の あ そ び (屋外の遊び)

◆ 玉吹き

麦刈りがすむ頃、麦わらを使ったいろいろなあそびがある。玉吹きもそのひとつ。 麦わらを14〜5センチの長さに切り、一方の端を5つか6つに裂いて口をはらし、そこへ龍の玉をのせる。

そして一方の端を口にあて、吹けば龍の玉は下からの息で空に浮かぶ。吹くのをやめると玉は元に戻る。 
龍の玉が高く、また低く舞うのを呼吸を調整しつつ吹くのは曲芸師にでもなったような気持ちで楽しい。 
龍の玉を、いちめい 「吹くだま」と呼んだ。
 


◆ 立川文庫

放課後になると5・6年生は盛んに貸本屋に通って豆本を借りて読み耽った。 
文庫本では真田十勇士とか後藤又兵衛、塙団右ヱ門、藩田隼人という様な豪傑連中から、猿飛佐助、霧隠才蔵、戸沢白雲斎と忍術の大家連中の活躍が興味をひき夢中になったものである。 
大抵一晩で返すのに大変だった。



◆ 七 夕

たなばたの飾りは、なんといっても色とりどりの短冊型の色紙に願いごとを書くことである。きれいに洗った硯石にサトイモの葉にたまった露を入れて墨をする。 

色紙には自分の名前を書いたり、天の川、七夕さまなどと、意味のなさそうな言葉を書きつらねるのも、あるいは手習いの上達を願った名残りだろうか。

紙はこよりに通されて笹に結ばれ、きゅうりやナス、ほうずき、スイカなどと季節の果物が供えられ、飾られたのち川や海に流される。
                                         

◆ 盥(たらい)のり

海に限った遊びでなく、池、川などでもみられるが、磯間浦の男の子は夏になるとタライを海に持ち出し、船がわりに手漕ぎで遊びまわった。