萬代山岳会第4回山行 リトル比良

 萬代山岳会第4回山行は、2000年4月2日(日)に、滋賀県の湖西、比良山系の北東に連なるリトル比良で行われた。
 参加者は、いつも暇な「いっちゃん」と、今日のためにリフレッシュ休暇中に奥さん孝行をした「しかの」氏、そして新しいザックを背負ってニコニコ顔の「ミスH」の3人。皆勤だった「虫取り名人」氏は引っ越しのためにパス。
例年に比べると肌寒さも少し残るが、薄曇りで時々日の差す登山日和であった。



 午前9時にJR北小松駅に集合。駐車場の都合で、予定していた近江高島駅ではなく、そのまま北小松駅から出発。
 下を覗くと吸い込まれそうな急な坂道を一気に登り、まずは、楊梅の滝の前で記念撮影。


楊梅の滝(雌滝)の前で
 

上から見た雌滝

展望台から見た雄滝
 

余裕の表情

首のタオルが玉に瑕
 
 午前10時過ぎ、涼峠で小休止。もうお腹の空いてきたHは、ここでエネルギーの補給。ここから寒風峠までの間に湿原があり、水の流れを楽しみながら登っていく。


涼峠でちょっと休憩

他の登山者の姿も
 
 所々に雪が残っていて、のんきに喜ぶ3人。「知らぬが仏」とはこのことか?


少し雪が深くなってきた?

風のない暖かな寒風峠
 
 登るにつれ、徐々に雪が深まり、太ももまで足がはまる。特別な装備のない3人はズボズボ雪の中にはまり、ズボンも靴下も濡らしながら、ひたすら雪のない地面を目指して歩く。


動物の足跡発見。あとで鹿のものと判明。

表情に少し不安も?
 

進めば進むほど深くなる雪

後ろで飛び上がるS氏。まだ余裕あり?

 どこまでも続く雪景色に不安と疲れを感じ始めた頃、赤い道しるべを見失う。3人を追い越していった2組の女性2人連れの姿も見えず、シーンと静まり返った山の中に取り残される。奥さんと子ども3人の顔を思い浮かべる「しかの」氏をよそに、「これもいい経験」と言う、いつもと変わらぬプラス思考の「いっちゃん」。このメンバーとの遭難では悔いが残る「ミスH」が、じっと林の中を見回し、赤い印を発見。皆、胸をなで下ろす。


さすがの「いっちゃん」も真剣な表情

木につかまって、ちょっと休憩
 
 再び歩き始めてすぐ、岩阿沙利山から歩いてきた親切なおじさんに出会い、この先も同じように雪が積もっていることを告げられる。ここで予定を変更して、林道を下ることに。I氏はこのおじさんに会わなければ、予定通り岩阿沙利山・岳山に向かうつもりであった。何も知らない初心者2人は、このおじさんのおかげで命拾いをする。
 午前10時頃から空腹を訴えていた「ミスH」。雪の凄さにそれどころではなくなっていたが、午後1時、雪のない場所を見つけて、皆で遅い昼食。I氏のおかげで、温かいカップ麺や紅茶でホット一息をつく。


いつも感謝!

ご飯を食べて、こぼれる笑顔
 
 昼食場所から10分弱で林道に出る。
 ダラダラした下りの舗装された林道で気がゆるんだのか、「ミスH」が前につんのめり、顔面から転ぶ。眼鏡をかけた目をかばうため、額でアスファルトを受け止め、大きなたんこぶをつくる。本人もまわりも、一瞬何が起こったかわからず、ぼう然。眼鏡も割れず、額の擦り傷とたんこぶで済んだのは、不幸中の幸いか。
 「しかの」氏はパンクした自転車を見つけ、「楽ちん」と、しばらくボコボコの道をその自転車で下る。が、お尻が痛くなり、途中で断念。


林道に出て、初めて3人で記念撮影

山陰に残る雪
 

ここでやっと林道も終わり
 
 午後3時40分。JR北小松駅に到着。
 予想もしなかった雪に、「今日は毛糸の靴下でよかった」と喜ぶ「いっちゃん」。最初の頃に足がつりそうになりながらも、道々、地質や植物に興味を示しながら元気に歩く「しかの」氏。たんこぶの痛みに耐えながら下山し、駅を目前にして電池切れを起こした「ミスH」。それぞれに、遭難せず無事(?)に下山できたことに感謝。
 が、やはり山男の「いっちゃん」は、目標を達成できず、不完全燃焼。次回の山行までに、もう一度、チャレンジか。
 この後、「いっちゃん」を先頭に、散々な目に遭ったにも関わらず懲りない「ミスH」と、今回欠席の「虫取り名人」氏も加わり、再挑戦することに。結果は、乞うご期待!(ミスH)