萬代山岳会第19回山行 金勝アルプス

 久しぶりの日帰り山行は、2003年10月26日(日)、2度目となる金勝アルプスで行われた。
参加者は、法事を父親に任せて参加した「お坊さん」と、新品のザックと靴と雨具で初山行の「モモちゃん」という新メンバー2人に、下見を済ませて準備万端の「いっちゃん」と、始発電車に乗ってやっとたどり着いた「将来の山女」さん。頼みの綱のストックを玄関に忘れて来た「H」、それに、山歩きが大好きで大はしゃぎの「アリス」の、5人と1匹である。
お天気にも恵まれた暖かい1日で、皆心の中で「日頃の自分の行いがいいから晴天になった」と思っている様子であった。

 午前8時30分、JR石山駅に集合し、いっちゃんの車で上桐生キャンプ場の駐車場に向かう。 車の中ではアリスが座席を行ったり来たりしていて、山に行くのがわかるのか、興奮している。


いざ出発!

落ガ滝の前で
 
 午前8時55分、駐車場に到着し、9時5分から登山開始。リードから放されたアリスは、「我が意を得たり」と、 先に行ったり横にそれたりと、大喜びで走り回っている。
 午前9時35分、まずは最初の目的地である落ガ滝に到着。小休憩後、次の目的地の鶏冠山を目指して、 北峰縦走路に出ると、急な登りが続く。いっちゃんや「将来の山女」さんはもちろん、新メンバーのお坊さんやモモちゃんが平気な 顔をして登っている中、Hのみ「アリスが引っ張ってくれたら...」と、苦しい表情。


こんなに急な登りだったっけ?

鶏冠山(491)で一息
 
 午前10時25分、鶏冠山にたどり着く。皆にこやかな表情で、アリスもご機嫌。途中、きれいな金緑色の コガネムシ(ミドリセンチコガネ)を何度か見かけ、物知りなお坊さんから「糞を食べる虫」と教えられる。 あとで調べると、スカラベと呼ばれるフンコロガシの仲間とわかる。


遠くに琵琶湖が見える?

天狗岩をバックに
 
 午前11時30分、天狗岩の上に登り、360度の景色を楽しむ。その後、耳岩の下まで少し歩き、 12時に昼食となる。いっちゃんはいつものようにお湯を沸かしてくれるが、Hの連絡不足のため、温かいカップ麺を 味わえたのは、いっちゃんとHのみであった(スミマセン!)。アリスはお坊さんからお菓子をもらって、 「お座り」や「伏せ」を仕込まれる。


天狗岩(509)からの景色は最高

これからお昼ご飯だョ
 
 昼食が終わると、皆で順番に耳岩の上に登るが、さすがのアリスも耳岩には登れず。「将来の山女」さんは、知らぬ間に食事前にも登っており、山女さん2号になる素質十分である。
 午後0時40分に耳岩を出発し、竜王山に向かう。途中、茶沸観音の前を通ったお坊さんは、「観音さまと書いてあるけど、これは阿弥陀さんでしょう」と合掌。


耳岩から降りるのも大変!

竜王山(605)の頂上も気持ちがいいねェ
 
 午後1時5分、竜王山に到着。モモちゃんは疲れた様子もなく、「気持ちいいですね」と、頂上からの景色を楽しんでいる。お坊さんは、「竜王というのは、雨乞いの神様」と言いながら手を合わせる。そのせいか、今まで晴れていた空に少し雲が広がる。
 午後1時30分に重岩の横を通り過ぎ、1時50分には狛坂磨崖仏にたどり着く。それまでにも、何度かキノコを見つけるが、「この白いのは大丈夫」「いや、毒キノコかも知れない」「私はいいから、今日の夕食にでもどうぞ」「いえいえ、遠慮しときます」などと言いながら、薄暗い谷間を下る。


狛坂磨崖仏は大きいネ

逆さ観音は本当に逆さダ

 午後2時50分、逆さ観音の前でもお坊さんは手を合わせ、「真ん中は阿弥陀さん」と教えてくれる。
 午後3時10分に無事、皆、駐車場に帰り着く。突然足元をすり抜け、他の登山者を驚かせながら、思う存分走り回ったアリスも、満足した様子。皆で再び、いっちゃんの車に乗り込み、石山駅まで送ってもらって、解散となる。

 今回の山行は、物知りなお坊さんが加わったことで、木や花の前で立ち止まったり、虫やキノコをじっくり見たり、観音さまの前で手を合わせたりと、わき目もふらずに登って降りる、いつもの山行とは異なるものとなった。
 「次は来月に武奈ヶ岳かな」と新メンバー参加に気をよくしているいっちゃんに、Hと筋肉痛を競い合ったお坊さん、その側で平気な顔を装っている「将来の山女」さんに、「私は少しだけ」と笑うモモちゃん、これからも細く長く山歩きを続けましょうネ!