平成14年秋合宿 唐松岳〜五竜岳



 前回の白山山行では、物足らず9月山行をしようということになり、南ア北岳や雨飾山などいくつかのプランを考えたが、最終的に今回のコースとなった。
 天候は、当初週間予報ではそう悪くはなかったのだが、白馬方面は曇りあるいは雨の予報。
 メンバーは、いつものミスターO、ミズH(この二人は、仲がいいのか悪いのか、いつも言い争いばかりしている。この二人が参加すると毎回のように天候が不安定。)にいっちゃんの3人。
 9月12日(木)午後いっちゃんの職場にミスターOがリュックを背負って現れ、そこからいっちゃんの車で食料等買い出しをして、 ミズHの出張先に迎えに行き、周囲の職員からはうらやましがれながら茨木のインターから名神高速道路に入って、一路本日の宿泊先「白馬ムジェーブ」に向かう。
 途中、養老サービスエリア、中央自動車道の駒ヶ岳サービスエリアで休憩・夕食をとり、午後9時過ぎに「白馬ムジェーブ」に到着。
 ミスターOといっちゃんはウィスキーを飲みながら、若い頃の山歩きの話を遅くまでしていたかと思うと、明かりを消したとたん瞬く間にいっちゃんは高いびきだったらしい。




9/13(金)
 朝6時30分過ぎに八方尾根の黒菱平まで、ムジェーブのオーナーに車で送ってもらう。雲が低く降りており、途中からガスってきて視界が悪く、気温も下がってきた。
 昨日昼前頃にオーナー家族で黒菱平まできたら、一面ガスってほとんど視界がきかなかったらしい。それに比べると、今日はましとのこと。
 午前8時10分頃、黒菱平に到着。ほぼ同時にリフトも動きはじめ、リュックを背負って乗り込む。 

黒菱平のリフト前
 リフトを乗り継いで八方池山荘に到着。ガスは上の方はそれほどない様子。登山者も平日のためか多くない。8時40分に出発。
いっちゃんは昨夜のアルコールがたたり、道は比較的なだらかなのに二日酔いで重い体を引きずるように登り、息が上がって30分ほどで体から汗がしたたり落ちて、早くもばて気味。
 9時20分、八方ケルンに到着し、ここで小休憩を取る。ミスターOは全く水分をとらないが、ミズHといっちゃんは水分補給。天気はガスが出たりで見晴らしはよくないが、雨が降らないだけましか。ばて気味のいっちゃんが2番手になり、ミズHは一人先を進んでいく。
 10時40分、丸山ケルンに到着。この頃になってスポーツドリンクや大量の汗を出したことで、いっちゃんの体調がよくなってきた。

八方池山荘にて

八方尾根を登る

八方池の手前で小休憩

 11時15分、唐松岳頂上小屋に到着。風が強くじっとしていると寒くなるため、小休止の後、唐松岳を目指す。
 ガスがすーっと晴れ、唐松岳とその奥に白馬岳方面がのぞく。
 ミスターOが晴れ間がのぞいている間に頂上にと、先頭にたって元気に登っていく。その後ろでミズHといっちゃんがぜいぜい息を切らせて立ち止まりながら登っていく。
 11時40分、唐松岳頂上。しかし周囲はガスって視界はほとんどない。
 記念写真を撮りムジェーブで作ってもらったおにぎりを食べ、風が強く寒いためそそくさと下山する。

唐松岳をバックに(唐松頂上小屋にて)

いざ唐松岳へ

唐松岳頂上。ガスって周囲の視界はほとんどなし

 12時15分、唐松岳頂上小屋に戻り、小休憩の後五竜山荘に向かう。
 牛首から急な下り道に、ミズHは慎重となり、ミスターOから足と手の位置の指導を受け、ペースダウン。
 大黒岳を越えてから、ミスターOは先頭をとり、ハイピッチで進んでいく。ルートは稜線沿いなのでどんどん前を行く。
 途中で、種池山荘から爺ヶ岳・五竜岳を登ってきた元気なおじさんから、昨日も2時半頃までは雨に遭わず、その後は土砂降りだったという話を聞く。
 午後2時15分、ガスで見晴らしが利かず時間的にはもう山小屋が見えるはずと思っていたところ、急に少しガスがはれ、目の前に五竜山荘の赤いトタン屋根が見えほっとする。
 チェックインを済ませ、部屋に入ってしばらくすると雨が降り始めてきた。
 ミスターOは、明日の天気も悪そうなので、今日の内に五竜岳を往復しようということで、小屋のおねえさんに時間を訪ねると、夕食が5時半だし時間的に間に合わないのでやめてほしいとはっきり言われ、ムッとする。とりあえず、写真を撮る格好で外に出ると、周囲はガスって雨もやみそうになさそう。
 結局、気持ちが萎えてとりやめにしたが、ますます雨足が強くなってきて、しかも5時頃には外は真っ暗になってくるは風は強いは寒いはで、取りやめにしてよかった。
 今日は空いているため3人で一部屋が使え(込んでいるときは1枚の布団に3人が寝て一部屋に20人近くが入ることになるらしい)、寒くて仕方ないので布団の中に入って昼寝して過ごす。
 17時30分、夕食、今夜はカレーライスにスコッチエッグ、サラダにフルーツ、みそ汁という献立。
 いっちゃんは相変わらずの健啖家で、酎ハイを飲みながら、どんどん食べ進んでいく。お代わり自由と聞き、お代わりしようかどうか悩むが、結局はやめた。
 ミスターOはいっちゃんと違い省エネタイプで、出されたものは食べるだけ。一方ミズHは、体調不調(いっちゃんの体調不調と違い、全く食べれない状態)で、サラダを無理矢理食べる状態。
 食後、いったん部屋に戻り、7時前のテレビの天気予報を見るまで休憩のつもりが、いっちゃんはウィスキーの水割りを飲んで体もこころもリラックスし、酔ってなにやらしゃべっている内に眠くなり、一人早くも爆睡。

五竜岳山荘にて

3人で一部屋

カレーライスとスコッチエッグ、サラダにフルーツ、みそ汁という豪華な?夕食


9/14(土)
 いっちゃんは早くから眠ったため、朝の4時頃から目が覚め、外をのぞくと雨が降り続けている。昨日、ミスターOと天気がましなら五竜岳まで空身で往復。雨なら五竜岳はやめ遠見尾根から下山しようと話していた。朝食後、下山の用意をして外に出ようとすると、おばさんたちが空身で五竜岳に出かける姿を見て、天気も周囲はガスっているが雨はやんでおり、おばさんたちが行くのなら、わしらもと急に五竜岳に向かうこととなった。
 ミスターOはデジカメを持って行けと言うが、悪天候でガスっているだけだし、湿気に弱いデジカメを持っていくことが不安で結局は持っていかず、水のペットボトルだけ雨具のポケットに入れて出発。
 尾根を右手ザレ道をおばさんたちの後ろを登っていく。五竜岳手前の岩場では、相変わらずミズHは慎重になりすぎて、危なっかしい状態。見かねたミスターOは岩場の登り方下り方を懇切丁寧に、半分怒りながら説明し、一方のミズHは、不機嫌な顔で指導を受けながら、スローペースで登っていく。
 おばさん組を追い抜いて、午前7時40分五竜岳頂上。頂上は強い風で周囲はガスって景色は悪い。しかし大した雨に遭わずにここまできて、記念写真が撮れずデジカメを持ってこなかったことを後悔する。
 風が強く寒いので、小休止の後下山。
 この時、ガスっていたこともあって、いっちゃんは下山コースを誤る。相変わらず右寄りのいっちゃんであった。
 尾根の右手の岩場をいっちゃんはさっささっさと下り、ミズHは慎重に下っていく。途中登ってくるときには見かけなかった水の入ったペットボトルが置いてあり、変だなといっちゃんは思ったが、見落としていた程度にしか感じていなかった。
 ガスっている中、ひょっとしてと思って谷川を覗くと、ハイマツの近くに雷鳥が4羽、近づいても逃げようともせずにいた。さらに進んでいくとまた別の雷鳥がいた。
 五竜岳から1時間半ほどして、見たことのない鉄梯子があり、ようやく変だと気づいた。
 しかし、単純に五竜岳までの往復しか考えていなかったので、地図を持ってこなかった。この時点では来るときは尾根の右を登ってきたのに対して、下りは同じ尾根の右を下っている程度にしか考えていなかった。
 ガスっており、周囲の景色が分からない。しばらく登っていくと、北尾根の頭という表示があり、そこでルートを誤ったのではないかとようやく感じだした。
 このまま進むと返って、まずいことになるとの判断で、ミスターOを先頭に戻ることにする。途中で登山者に出会いルートを確認すると、なんと我々は逆方向の鹿島槍ヶ岳に向かっていることが分かった。
 空身でなければ、このまま進んでいくのだが、荷物を五竜山荘に置いているため、仕方なく元来た道を戻っていく。
 この時に、ミズHはがっくりしたのか、ペースが一挙にスローダウン。ミスターOは、ハイピッチで戻っていく。
 厳しい岩場の登りに、いっちゃんは好調なペースで進むが、ミズHは疲れた表情で足取り重く登っていく。
 午前10時半、再び五竜岳にたどり着く。この頃周囲が晴れており、振り向くと鹿島槍ヶ岳の双耳峰が、正面には剣岳が見えた。つくづくデジカメを持ってこなかったことを後悔する。
 ようやく、元来た道を下って、11時15分に五竜山荘に戻る。予定より3時間近くをロスする。しかし、雷鳥の親子を見ることができたし。二度目の五竜岳頂上では周囲の山々を見ることができ、また、岩場の上り下りにいっちゃん一人は満足する。
 五竜山荘では、出発時と同様ガスって周囲が全く見えない状態。細かい雨が降っている。中途半端な時間だがここで昼食をとっておかないと下山途中ではこの天気では食事は無理ではとの判断から昼食をとる。
 11時半出発。天気はガスって細かい雨が降っている。気温も低く寒い。急な遠見尾根をひたすら下っていく。途中から、登ってくる登山者に次から次に出会う。視界も下の方は開け、日も射してきたので西遠見で雨具を脱ぐ。
 その後、登り下りを繰り返し、途中再び雨模様になり、再び雨具をつける。膝ががくがくしだしてつらさを感じた頃、視界が晴れリフト乗り場が見えてきてほっとする。
 そこからは、コンクリートの下り道。ミズHは急に元気になり、先頭を切ってさっさと歩いていく。
 いっちゃんは逆にペースダウン。10分ほどしてようやくアルプス平駅に到着。
 麓まで、迎えに来てもらって4時前に、ムジェーブに到着。予定では、昼前に迎えに来てもらう話をしていたので、事故でもあったのではないかと心配され、事情を少しぼやかして説明する。
 その日は、シャワーを浴び、インド料理店でおいしいナンとカレーとワインで打ち上げをする。
 ムジェーブに戻って、いっちゃんは軽く寝るつもりが、そのまま爆睡。

西遠見で

9/15(日)
 翌朝、天気は昨日と同じ曇り。明け方雨が降ったようだがやんでいる。朝食後、おみやげを買って一路滋賀県をめざして、いっちゃんの運転で走る。 この車は、いっちゃんと奥さんしか保険が下りないため、後の二人は運転を交代できないと残念がる?
 恵那山SAと多賀SAで休憩。白山の時は最後だからと豪勢?な昼食をとったが、今回は朝食が豪勢だったので、軽く麺類で閉めた。
 午後4時前、JR石山駅に着き解散。

(いっちゃん)

コースタイム
9/13(金)
 黒菱平(リフト乗り場) 8:15 − 8:30 八方池山荘 8:40 − 9:20 八方ケルン 9:30 − 10:20 扇の雪渓 − 10:40 丸山ケルン − 11:15 唐松岳頂上小屋 11:25 − 11:40 唐松岳(昼食) 11:55 − 12:05 唐松頂上小屋 12:15 − 14:15 五竜山荘

9/14(土)
 五竜山荘 6:20 − 7:10 五竜岳 7:15 − 8:45 北尾根ノ頭 − 10:30 五竜岳 10:35 − 11:15 五竜山荘(昼食) 11:30 − 12:40 西遠見 12:50 − 13:10 大遠見 − 13:40 中遠見 − 15:05 アルプス平(テレキャビン) 15:10 − 15:20 とおみ