犬の人工授精 |
どうしても繁殖したい犬がいる場合、そんな犬に限って交配がうまく行かなかったりすることがある。 特に牡犬が交配の下手な犬だったり、牝犬の性格がきつすぎて牡犬を許さなかったり、牡牝の体格が違いすぎたりで交配できないことがあると 繁殖者としては困ってしまうのだ。 人工授精はそんな時に絶大なる効果を発揮するのだが、時として大切な種牡を牝犬から感染するブルセラ・カニス感染症とかから守るために人工授精という方法を取るブリーダーも、特にアメリカ合衆国辺りではいるやに聞く。 犬の人工授精の場合には、私の場合採取した精液をそのまま牝犬の膣内に入れてやる方法を取るのであるが、種牡と台牝が遠隔の地にいて種牡から採取した精液を冷蔵ないし冷凍のクール宅急便で送って人工授精に使えるかどうかといえば、これはやったことがない。 私の記憶間違いでなければ、以前にセミナーでこの問題について話をお聞きした日本獣医畜産大学の先生によれば、冷蔵の宅急便で送って受精させることは可能であるとのことではあった。 また、これは5年前の時点での話しではあるが、その頃でも犬の冷凍精液を使った人工授精では、開腹手術をして子宮内に直接注入してやれば90パーセントの受精率が得られるところまで来ているということであった。 犬の場合、凍結精液を使用するのは人間や牛のような比較的簡単に実用化されている動物よりもはるかに難しいということらしい。 難しいことはその道のプロに任せることにして、私が実施している簡単至極の人工授精の方法を具体的に述べてみよう。 これは実に簡単な方法で、清潔な手で牡犬のペニスをしごいて精液を採取し、それを牝犬の膣内に入れてやって、15分間牝犬を逆立ち上体に保持してやるだけなのである。 ただ、精液の採取に当たっては、第1第2第3のみっつの分画に分かれて射精される精液のうち第2分画と第3分画とを採取しなければならないということが必要である。 肝心の精子は白く濁った第2分画に含まれており、透明な第1分画や第3分画には含まれないのである。 何で精液がみっつの分画に分かれて射精されるのかといえば、正直なところは良く判っていないのではなかったであろうか?
一応もっともらしい説明としては、少量の第一分画で牝犬の膣の入り口の環境を整え、次いで精子が含まれる第2分画を射精し、尿道球と呼ばれる組織が膨らんで牝犬の膣から抜けない状態になった。
いわゆるロックされた状態の時に第3分画が射精されて、精子を活性化させるのだと聞いたことがある。
最初に精液を採取するテクニックは、秘伝である(笑)。 要するに牡犬の心が判らないと取れないのです。 この方法を使えば、自然交配と何ら変わらない受胎率が得られることは今までの経験から明らかである。
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