谷山浩子は、日本の Peter Hammill である
圧倒的な暗さとすさまじいエネルギーで情念を吐露するアルバムを「まれに」発表し、一部のファン(私)から「日本のピーター・ハミル」と評され、暗黒プログレマニアの間で圧倒的な支持を受ける谷山浩子氏の作品について。
振り返れば、「鏡の中のあなたへ」(1978) は Van der Graaf Generator /Godbluff
と双璧を成すあまりにもすさまじいアルバムであったし、「歪んだ王国」(1992) は時計への強迫観念に根ざした構築性の高い、プログレ史上に燦然と輝く名盤でした。(98/01/11
01:21 (17) 10774より)
ここでは、11月の舟が Nifty (Nifty-Serve) FLOCK (FLOCKL)で発言した内容を再録しました。
1994/10/02 21:27 ( 6)
03795 11月の舟 谷山浩子
「谷山浩子/鏡の中のあなたへ」については、約1年前に私が「私のこの1枚」に挙げましたが、しっかしヘヴィーですよ、このアルバムは。
特に「紙ひこうき」でしょう。ピアノだけの弾き語りだったと思いますが、(いや、少しバックもあったなあ)この、恐ろしいほどの情念の塊のようなものが「ハートにドーン」とぶつかってきて、私などは20メートルぐらいふっとばされます。
1994/11/20 23:54
( 6) 04447 11月の舟 谷山浩子/鏡の中のあなたへ
「谷山浩子/鏡の中のあなたへ」(1978)については、本日CDを入手して改めて聴き入っています。
何度でもしつこく言います。 ほ ん と に ヘヴィーです。
Peter Hammill の醸し出す雰囲気にドーンとくる方、 Van der Graaf Generator の音が気持ちいい方、
このアルバムは例えれば In Camera, Godbluff, World Record, Still
Life, Vital に匹敵します。いや、それ以上です。
真剣すぎて、はっきりいって「暗い」ともいえますが、ここはひとつだまされたと思ってマイナー指向のプログレファンには是非とも聴いていただきたい!
1994/11/28 00:03 (6) 04533
11月の舟 谷山浩子とP.Hammillはかくも似ている!
谷山浩子/紙ひこうき を聴いた後、VDGG / ARROW を聴きたくなった。
この2曲は{ヘヴィネスさ・内向性心理の爆裂・曲調・歌い方}の点でかなり共通するものがあり、精神のカタルシス効果抜群である。
この2曲、カラオケで歌ってみたいものだ。
そういえば、「突き刺さる」ところが共通だ!
1994/12/17 00:18
(6) 04714 11月の舟 RE:教えて下さい、谷山浩子
という訳で、私も「歪んだ王国」(「ゆがんだおうこく」と読むのですね)を購入するという行動に走ってしまいました。
「鏡の中のあなたへ」が「あまりにヘヴィーで凄過ぎた」ために、「歪んだ王国」は、普段の谷山浩子の歌い方に近く、童話風でもあり、歌詞に用いられている言葉も柔らかで、表面的にはちょっと肩すかしをくらわされた感も最初はしましたが、初聴の翌日には真っ昼間に一曲目が突如頭の中を駆け巡るというフラッシュバック現象が現われ、次第にのめり込んでいきました。かなりあぶないアルバムであります。一曲目「王国」は、淡々としたリズムにプログレを感じます。(フロイド「狂気」のように)
(昔、石川ひとみ「セシルの部屋」も同じ意味でプログレしていた)
「鏡の中のあなたへ」のような暴力的なまでの直接的吐露衝動の激しさは表面的には感じられないが、聴き込むほどに深みにはまっていきそうです。畳み掛けるような「時計」への脅迫観念に打ちひしがれそうな曲が連続して、これでもか、これでもかと襲いかかるアルバム後半も凄みがありますし、どの曲も表面的な軽さはごくごく薄い表皮にすぎず、その内側には底無しの暗黒があります。とてつもないアルバムであります。
乱暴ですが、「鏡の...」が"In Camera"+"Vital" だとすると本作は"The Q-uiet Zone,The
Pleasure Dome"あたりでしょうか。
P.S.元々、私はデビュー曲「お早うございますの帽子屋さん」に当時(17年前?)衝撃を受けたのだった。