LPの匂い、カセットの匂い臭い
ここで言う「匂い」とは、鼻でクンクンするやつのことです。
LP時代には、輸入盤独特の匂いというのがありました。
それも、国やレーベルによ って微妙な違いがありました。(ジャケットの紙内面+塩ビ盤+内袋)
日本盤はほとん ど無臭なのに対し、この対極がアメリカ盤。
何の匂いとも言い難い、代表的な「輸 入盤の匂い」としか言い様のないものです。
欧州盤で印象の強いのは、 独SpoonレーベルのCAN再発盤や、MAGMA/Kohntarkosz で嗅いだユニヴェリア・ゼクト 盤。
後者は、内袋がまたスーパーの袋みたいに薄くって、白眉であります。
匂いを言葉で表現しにくいのが歯がゆいところですが。
そうそう、カセットテープについても、近年はめっきり匂いがしなくなりましたが、1970年代頃までは各社特有の匂いが楽しめました。
TDKのローノイズは、その周波数特性 を示すかのごときややトゲのあるような匂い。
SONYのローノイズは金属イオンでコートされ たようなやや丸みのある匂い。
maxellは、しっくりと落ち着いた大人の風格漂わせる匂い。
Scotchのローノイズが 最も強烈で、癖になって夢中で嗅ぎまくっていました。この匂い、大好き!
(これ は後年、ポリエチレンテレフタレートが劣化したときの匂いと同一であることがわかりましたが)
Scotchは同時にテープデッキのヘッドの汚れ具合いがひどいことでも有名でした。
なお、120分 テープは薄いので、匂いをかぐとテープが飛び出して鼻に張り付くのでした。
匂いに関する話を始めると、私の場合枚挙にいとまがなくなります。
オーディオやパソコンを開梱したときは通気孔に鼻をくっつけて大いに悦に入ります。
小学校の頃、新 しい教科書の匂いは思い出深い大好きな匂でした。
小学校低学年の時、市販テストが配られて早速臭いを嗅ぎ、その紙の縁で鼻の下を切ってケガをしてしまったという経験を持っているのは私だけだろうか?
(初出;Nifty-Serve FROCK( 3) 93/11/07, 02078、及び、某パティオ98/06/30 の内容を基に、2004/05/11 加筆・再編集)