ダモ鈴木&マニ・ノイマイヤー(京都 Club Metro) 〜2004年11月8日(月)
本当に凄いものを見てしまった。奇蹟が起こったのである。
正直いうと、これまでダモさん単独ステージ、マニさん単独ステージは私にとってはそれほどのめり込めるものではなかった。ダモさんのステージはソウルフルに唄っているだけ、マニさんのステージはドカドカ叩いているだけという印象もあった。
しかし今日のステージはどうだ。強烈な音の洪水の中、ダモさんがワンフレーズ唄う毎にマニさんの8連打等のド迫力のフィルインドラムが挿入される。そして、この掛け合いが、ちょうど長年組み合わせの見つからなかったジグソーパズルの二つのピースがぴったりと合わさったような心地よさで実にガッシリと組み合わされながら曲が進行するのだ。マニさんのドラムがあまりにツボを突いているため、聴く者はフィルインドラムの度にトランス状態に引き上げられてしまう。そして間奏部分ではマニさん大暴れ。先のフィルイン部分で何度も向こうの世界に持って行かれた私たちをもう一度向こうの世界に徹底的に押し上げ、突き放す。もうこの世のことなどどうでもいい。我が身がどうなったってかまわない。そう、今日のステージは完全なトランスミュージック。マニさん凄い! 凄すぎる!!!
聴き慣れたマニさんのリズムパターン。しかしこれがダモさんの唄と組み合わされることによって、二つの力は核融合連鎖反応を引き起こし、それぞれの単独ステージに対して600倍のパワーに持ち上げられたステージが創出された。マニさんのリズムがこんなにもダモさんの唄のスタイルにしっくり馴染むものだったとは! だから今回ダモさんとマニさんが組み合わされたことは奇跡なのである。そうなのだ、マニさんのドラムは始めからいつの日かダモさんの唄と組み合わされるためにあったのだ。
私自身、これほどまでに無我心酔の境地に突き上げられたステージはこれを置いて他には無い。今日のステージを体験できたことは、箱根のフロイドを体験したぐらいの価値があったのではないだろうか。
最後に、サポートミュージシャンも相当良い味出していました。サイドドラムにベースにギター。どれも曲のテンションを最高潮のレベルよりも更にピークオーバーした状況を維持するのに不可欠な存在でした。
(本稿書き下ろし)